経済学部履修ガイド
このコーナーでは、わたしの専門である財政学を中心とした科目についての履修ガイドのみを取り扱います。また、単位の取りやすさについては一切考慮していませんのであしからず。
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1.財政学研究者志望 | 初級ミクロ経済学 初級マクロ経済学 経済数学 統計学 |
財政学 公共経済学 ミクロ経済学 マクロ経済学 |
現代マクロ経済学 現代ミクロ経済学 計量経済学 地方財政論 環境経済学 社会保障論 国際経済学 演習(財政以外のゼミでも可) 外国書研究T |
2.税理士志望 | 初級ミクロ経済学 初級マクロ経済学 経済数学 統計学 |
財政学 公共経済学 ミクロ経済学 マクロ経済学 簿記 |
計量経済学 地方財政論 社会保障論 財務諸表論 外国書研究T 演習(財政学のゼミが望ましい) |
3.国税専門官志望 | 初級ミクロ経済学 初級マクロ経済学 経済数学 統計学 日本国憲法(教養科目) |
財政学 公共経済学 ミクロ経済学 マクロ経済学 会計学 民法 |
地方財政論 演習(財政学のゼミが望ましい) 商法 簿記 |
1.財政学研究者志望向け履修モデル
財政学は、応用科目のなかでも税制改革、年金改革といった新聞でも目にすることも多く、一般にも感心の高い研究領域ですね。新聞や雑誌での議論をみていると、ミクロ経済学やマクロ経済学のようにややこしい数式が展開されているわけではないので、誰でも研究者になれそうに思えます。しかし、財政学研究者になるためには、ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学の3科目は必須のツールとなっています。また大学院では英文の専門誌を読みこなすことになるので外国書研究も必ず履修してください。財政学、公共経済学、地方財政論という財政関連の3科目については、公共経済学、財政学、地方財政論の順番に履修したほうがよいでしょう。また社会保障論も年金や医療についての制度の理解に役立つでしょう。財政学以外の専門科目としては、環境経済学、国際経済学の履修が将来の研究に役立ちます。環境経済学は、公共経済学の一分野であり、比較的歴史の浅い分野だけに、これから参入しても論文になりそうなテーマ、材料が数多く残されています。また、租税政策の影響をみるためにしばしば利用されている一般均衡分析は、国際経済学の研究に主として使われてきたものでもあります。現代マクロ経済学、現代ミクロ経済学で学ぶ、最新の手法も財政学の論文を執筆するうえで大変有用です。その他の科目としては、各自の興味にしたがって履修すべきでしょうが、金融、経済学史、経済史も財政学の研究に直接役立つケースは少ないのですが、経済学を学ぶうえでは欠かせない科目です。
2.税理士志望者向け履修モデル
不況のなかでさまざまな資格が人気を呼んでいます。経済学部に関係する資格としては、ファイナンシャルプランナー、税理士などがあります。なかでも税理士は、国家資格として根強い人気を保持しています。ただし、最近では税理士の数は、過剰気味で新規に開業してもなかなかお客さんを確保するのが難しいとも言われています。このため税理士のめざす人の多くは両親や親戚が税理士のケースが増えています。でも、税理士資格があれば税理士事務所だけでなく、会計事務所、金融機関などの就職においても有利です。税理士試験は、税法3科目と簿記、財務諸表論の5科目ですが、これらの科目をすべて試験で収得することはかなりの難関です。実は、税理士試験については、大学院に進学し、特定の要件を満たした修士論文を提出することで一部の科目が免除されます。税理士の科目免除については、従来は大学院の経済学研究科に進学し、「財政学」の修士論文を提出すれば、税法とは関係ない研究であっても資格免除の対象となっていました。指導教官についても財政学以外を専門とする教官であっても、「財政学」の修士論文と認定されれば、資格免除が認められてきました。しかし、平成14年度大学院入学者から新しい改正税理士法が適用されることになりました。税法3科目については、「税法に属する科目」、会計科目については「会計学に属する科目」に関する研究領域に科目免除の対象が限定されました。詳しくは、こちらをみていただきたいのですが、「税法に属する科目」については、経済学研究科でも「税法を基礎とする研究」ならば科目免除の対象となります。ただし、従来なら認められていた税制の国際比較や、地方への財源委譲などのテーマだと認められないようです。だからといって、税法についての研究だけでは、経済学研究科の修士論文とは認められません。税法の改正とその経済効果の両方を研究する必要があると考えてください。また、従来無視されてきた指導教官の専門領域についても、資格免除審査の対象となります。国税庁の説明を読む限りは、税法学者でなくても租税を研究している指導教官でもかまわないはずですが、100%確実な保証を求めるならば、法学研究科で税法を専門としてる指導教官を選択すべきでしょう。
多少のリスクはありますが、大学院経済学研究科に進学し、財政学の指導教官のもとで「税法を基礎とした、租税についての経済分析」をおこなうことで、税理士科目の免除をうけることは税理士資格取得への近道といえます。この場合には学部においては、まずは経済学の基礎科目であるマクロ経済学、ミクロ経済学をしっかりと学習しましょう。大学院の受験対策にも必須ですし、財政学の修士論文作成にも不可欠です。経済数学、統計学、計量経済学も修士論文作成に備えて学習しておくべき科目です。財政学関連科目としての財政学、地方財政論、公共経済学の履修も必須です。また簿記、財務諸表論も会計科目の受験勉強に役立つでしょう。
税理士志望の方は以下のサイトからも有用な情報が得られると思います。
大学院生受験者応援ページ | うちの研究室出身のMT氏のサイトです。 |
Jのサイト | 大学院入試に関する情報が満載されています。 |
大学院への道 | 30才を過ぎてから大学通信教育で学び、その後大学院商学研究科と経済学研究科を修了した方が語る大学院体験記です。 |
通信家庭教師の英学院 | 英語のリーディング、ライティングや、試験対策指導を、大学教員や専門家が担当。学術論文の翻訳・校正や作成指導も行う。 |
3.国税専門官志望コース向け履修モデル
不況のなかで身分の安定している公務員は、人気の高い職業です。行財政改革に伴い民営化される可能性もありますけどね。経済学部に関係する公務員試験としては、いわゆるキャリアをめざす国家公務員T種の経済職がありますが、合格するのはほんのひとにぎりの人だけです。したがって、国税専門官、地方公務員などの専門職をめざすほうが現実的な選択だといえるでしょう。国税専門官試験の詳細は、こちらをご覧ください。経済学部の科目としては、ミクロ経済学、マクロ経済学はやはり必須です。経済数学も、公務員試験は結構計算問題が出るので履修しておきましょう。統計学は将来の実務に役立ちます。財政学関連科目としては、財政学、公共経済学、地方財政論は必須です。会計学、簿記は試験対策として必要です。日本国憲法は教養科目で、商法、民法など法律系の科目は経済学部の専門科目として履修できます。
これらの経済学部の科目に加えて、エクステンションリードセンターでの公務員講座を受講することもお勧めします。やはり試験対策としては、問題集を解くことも必要ですから。
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Last Updated 03/05/15 20:34:28