第6章 地方税制改革

第1節 地方歳入システムの再検討

第2節 税源の重複

表6-1 主要な税目についての税源の重複
課税ベース 国税       地方税
所得
消費
資産
所得税、法人税
消費税
地価税
個人住民税、法人住民税、事業税
地方消費税
固定資産税
 1949年のシャウプ勧告→独立税主義:税源の分離
                国 所得税と法人税
                都道府県 (所得型)付加価値税
                市町村 固定資産税
国税:所得分配の観点から能力説的な課税が要請
地方税:地方公共サービスの資金調達としての観点から利益説的な課税が要請

(1) 所得税・住民税

 1998年度当初予算    国税収入に占める所得税の比率 34.1%
 1998年度地方財政計画 都道府県税収に占める道府県個人住民税の比率15.4%
                 市町村税収に占める市町村個人住民税の比率 32.8%

(2) 法人税と法人住民税・事業税

 1998年度当初予算    国税収入に占める比率 法人税 25.3%
 1998年度地方財政計画 都道府県税収に占める比率は道府県法人住民税 5.0%
                                    事業税(法人分) 29.6%
                 市町村税収に占める比率 市町村法人住民税  11.4%

(3) 消費税と地方消費税

 1997年4月 地方消費税
          税率 消費税額の25%(消費税率に換算すると1%の税率)
          国が徴収した税収を各地方の小売消費額を基準として再配分
 

(4) 地価税と固定資産税

 地価税 1992年度(平成4年度)に税率0.3%で導入
      1998年度改正により当分の間凍結

 地価税の税収: 1993年度決算額 6,053億円
           1996年度決算額 1,772億円
           1997年度決算額 1,601億円

1998年度地方財政計画 固定資産税(市町村税)の税収 9兆19億円
               市町村税収に占める比率 42.8%

第3節 地域間の税収格差 

図6-1 税源別の一人当たりの税収額

第4節 村山税制改革と地方消費税の導入

第5節 今後の地方税制改革の方向について

(1) ドイツの共同税

(2) 所得税・住民税の共同税化

第6節 国から地方への財政移転の見直し

(1)国庫支出金

(2)地方交付税

 [Reading List]
大竹文雄・福重元嗣(1987)「税制改革と地域別租税負担−『全国消費実態調査』によるシミュレーション分析−」『大阪大学経済学』第37巻第1号.
伊東弘文(1994)「ドイツ連邦制財政システムを考える」『地方財務』1994年12月号.
伊東弘文(1994)「統一ドイツと財政調整-連邦制財政システムは生き残れるか」『経済学研究(九州大学)』第60巻第1・2号.
齊藤愼(1989)『政府行動の経済分析』創文社,1989年.
中井英雄(1988)『現代財政負担の数量分析』有斐閣.
橋本恭之(1993)「補助金等の問題点と一般財源化」『都市問題』第84巻第12号.
橋本恭之(1995)「地方分権化と地域間税収配分」『地方分権をめざした地方税のあり方に関する研究』日本租税研究協会.
橋本恭之(1995)「地方分権とその財源」『季刊TOMORROW』第9巻第4号.
橋本恭之・前川聡子(2000)「地方分権下における個人所得税・住民税のあり方について」『国際税制研究』No.4.
本間正明編(1991)『地方の時代の財政 シリーズ現代財政(3)』有斐閣.
林宏昭(1995)『租税政策の計量分析』日本評論社.
福田幸弘(1985)『シャウプの税制勧告』,霞出版社

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