甲武信ヶ岳 2475m
                   
               (こぶしがたけ)                            3月24日〜25日 

3月24日(金)  晴れのち曇りのち小雪


 22日の夜に雪が降り、「みとみ」でも積雪があり心配していましたが、(山梨市のライブカメラで確認)
 8時20分  西沢渓谷に着いてみると雪はほとんどなく、少し安心しました。
 道の駅「みとみ」で水を補給(トイレの水)したり、朝から調子の悪い腹の為、個室に入ったりで出発が遅れ、
 駐車場を出たのが9時でした。
 登山口(徳ちゃん新道)に取り付いたのが9時30分
 登山道は南面に付いている為、雪はなくて良かったのですが、約17kgの荷物を背負っての急登は応えました。
 それに、熊が出るらしくて(冬眠から覚める頃だろうし)ビビリながら登りました。
 鹿とは遭遇しました。熊でなくて良かった。
 しゃくなげの木に覆われた、1700m付近から雪が顔を見せ始め、雪山らしくなってきました。
 1869mの近丸新道との分岐に着いたのが、12時20分。この辺りから雪も多くなってきました。
 2000m辺りから樹林帯の急登になり、雪は深くなる一方だし、トレースはまったくないし、獣の足跡を追いながら
 登りました。
 脛から膝くらいまでの積雪ですが、ツボ足で登りました。雪の深い所は、四ツ足で這って登りました。
 木賊山までの約400mの高度がぜんぜんはかどりません。
 体も疲れが溜まってきているので、息を整える時間が多くなってきました。
 あげくの果てに小雪が舞い始め、ふらふらになって木賊山に着いたのが、なんと17時でした。
 夏時間でしたら、登山口から5時間(休憩含まず)のところを、私は7時間半(休憩込み)もかかってしまいました。
 「甲武信小屋」まで夏時間で残り20分、もう体力が残っていません。
 救いは残りがほぼ下りな事と、5時を過ぎた割には明るかった事ですが・・・。 
 雪が深い! 体力が残っていない。
 18時 日暮れとほぼ同時に 「甲武信小屋」 冬期小屋に辿り着きました。当然、宿泊者は他になし。
 小屋に入り間もなく、食事をどうしようか考えたりしていた時、突然、悪寒が体の芯から襲ってきました。
 もう食事どころではありません。いそいでシュラフに入り、体を温めました。
 ときおり襲う寒さに震えながら、いつしか眠りについていました。
 もう少しで、疲労凍死してしまうところでした。

 
1869m地点 戸渡尾根へ しゃくなげ帯  
ここら辺からまた急登になる
樹林帯の深雪
樹林帯以外は、雪は少ない (でも、このコースはほとんど樹林帯です)
破風山への分岐 木賊山(とくさやま)山頂  2468.6m
ピンボケの甲武信ヶ岳 雪に埋もれる甲武信小屋

3月25日(土) 晴れ


 3時半には目を覚ましましたが、寒くてシュラフから出る気がしません。
 室温−5℃、外は昨日の夕方からの雪が、シンシンと降っていました。
 食欲もないし、疲れも残っているし、「登るのやめようかなァー」なんてすっかり弱気になってしまいました。
 取りあえず食事をしなければとシュラフから出て、まずは水作りです。
 寒い屋外に何度も何度も雪を取りに行き、水を作りました。
 その後、アルファ米にシチューをかけて食べました。 マズイ!  納豆ご飯が食べたい。
 味噌汁を持ってくれば良かった。
 なんとか腹に流し込み、外を見ると星が見えています。雪が止みました。午前5時。
 やがて天候は急速に回復して、東の空から太陽が昇り始めました。これなら行ける!行くぞ! 
 6時50分、、アイゼン、ピッケル、カメラだけの空身で出掛けました。
 アイゼンなんて、必要なかったですけど・・・・。新雪は一晩中降った割には、10cm程だったでしょうか?
 昨日の私のトレースは、ほとんど消えていましたが・・・。
 甲武信ヶ岳まで夏道で20分ですが、まあ1時間近くかかる事でしょう!
 ルートが分からないので、赤布を探しながら、樹林の中をさまよう登行でした。
 やがて視界が開け、雲海の上に真っ白い富士山が顔を見せました。南アルプスの連山も見えます。
 山頂に出ると、360度の大展望です。
 風もなく、思いっきり晴れていて、暖かいくらいでした。これも日頃の行いのせいか・・・?
 ところが、ところがですよ、カメラの電池切れで写真はここまでとなりました。
 朝、取り替えてきたのに信じられません。山頂からの絶景を目に焼き付けて下山。 ”甲武信よ、さようなら” 
 そして小屋の近くまで降りてきて、オーバー手袋の片方がない事に気付きました。
 ゲ、ゲ、ゲ!   結局、山頂までもう一度登る事になりました。
 ”甲武信よ、こんにちわ” 本当にドジです。 認知症が進んでいるようです。
 小屋に8時半に帰り着き、身支度を整え9時10分に出発。荷物が重く辛い。
 昨日の自分のトレースを探しながら行くのですが、ほとんど消えちゃっていて、時々ルートを間違えてしまいます。
 その度に膝までもぐる始末で、木賊山までの登りが辛い。ザックを捨てて行きたくなります。
 それでも何とか、木賊山に10時10分に到着しました。やっぱり1時間。(夏道なら25分)
 かまわず通過して、先を急ぎました。後は、ズボズボ、ヨロヨロの繰り返しです。 
 ザックが合わず、肩と背中と腰が痛い。
 休憩時は、チョコレートとお湯だけでしのぎ、ひたすら下りました。
 そして、2000m付近まで下ってくると、若者三人組が登ってきました。
 学生でしょうか?少し立ち話をして別れましたが、26時間ぶりに人の姿を見ました。
 やがて、1869mの分岐にやっと到着。12時25分。
 そこで、なんと、お湯の入ったテルモスがない!また、やっちゃいました。
 結局、最後の水を飲んで下る事になりました。この時点で、チョコレートも品切れ。(唯一のエネルギー源)
 分岐に、タオルも忘れた。認知症が激しく進行中。
 登ってきた徳ちゃん新道を下山、(ここら辺りから雪は極端に減り、やがて消えました)
 14時にヘロヘロになって登山口に到着。市営駐車場までの一般道の30分が辛い。
 車に着いたのが14時半。まずはコーラで喉を潤し、一息つきました。
 それから、道の駅「みとみ」のいのぶたラーメンで腹を満たし、「笛吹きの湯」で山行の疲れを癒しました。

甲武信小屋の朝
白い富士 南アルプスの連山
山頂 雲海の上に富士
電池の消耗激しく、写真はここまで。

中高年山行記