ROCK ARTISTS BIOGRAPHICAL DEPARTMENT
JAPANESE ROCK ARTISTS SECTION



THeROCKERS / ザ・ロッカーズ

「日本最高速で駆け抜けた奴ら」
  SHINGO

うーむ月9ドラマ「人にやさしく」の陣内サン、かっこいいねえ・・。絵に描いた、夢のようなシチェーションの数々で展開されるストーリーの中にあって、もっとも現実性を欠いた役どころで、まばゆいばかりのシブミを炸裂させております。ああいう歯の浮くようなキザな男を演じさせたら日本でも有数の俳優になられた陣内サンですが、ルーツはボーカリストだったんですねえ・・。若い人たちはもう知らないのかな?最近またCD出したみたいだし、有名な話だから知ってるのかな??まあどっちでもいいですけどね。

この陣内さんが“ZINNAI”という名前で在籍していたのが“TH eROCKERS”。シーナ&ロケットでお馴染みの鮎川誠サンが在籍していたバンド“サンハウス”によって作られた博多のロックシーンで生まれたバンドで“THE MODS”“A.R.B”“ルースターズ”なんかといっしょに「めんたいロック」なんて呼ばれながら1980年にデビュー。

その頃に登場した「めんたいロック」のバンド達はみんなそれぞれ独自のカラーをもっていてどのバンドもかっこよかったけど、その中でも当時ガキだった私にはロッカーズが一番カッコよく映っていたモンです。陣内さんなんて現在よりもかなり痩せたシャープな顔に化粧をして歌っていたし、ギターの鶴川仁美ってヒトなんて髪の毛金髪でしたからねえ。今でこそ金髪なんて猫も杓子もですけど、当時金髪なんて外国人かアナーキーのマリさんぐらいしか知りませんでしたから。そしてなんといってもロッカーズの魅力はスピード。

現今ではロッカーズの演っていたスピードなんて普通、むしろオーソドックスなロックのスピードかもしれないけどその頃は速かったですよ“日本最高速”って言われてましたから。オールドロックンロールやラモーンズなんかをゴチャマゼにしたようなロックンロール(パクリって話もありますが・・・)を日本最高速のスピードに乗せて速射砲のように放ったアルバムがデビューの「WHO TH eROCKERS」(※1)。

結局このアルバムが彼らのベストになったと私は思いますがね。そして曲が速ければリリースの間隔も猛スピード。その後半年に一枚のペースでアルバムを発表していく。しかし内容がだんだんと歌謡曲志向になっていって、4枚目のオールディーズカバー集というラストアルバムを残して解散したのが1981年。

デビューから解散まで実に2年足らずという、これまた猛スピードで走り去ってしまった。このように何から何まで日本最高速で駆け抜けた奴等TH eROCKERS。その後、陣内さんはソロで何枚かアルバム出しましたけどただのアダルト歌謡で、あまりカッコイイとはいえませんでしたねぇ・・。あなたは俳優で十分食っていけるし、それで十分カッコいいんだからソロで歌う事には、私はあまり賛成できません。

そして10年程前に突如再結成して何本かライブ演ったみたいですけど、はっきりいってあれもカッコ悪かったなー。私は生で見てないし評判はよかったみたいだけど、再結成したって事実がね、なんかねぇ〜・・。もうオリジナルメンバーも揃わないんだから(ギターの谷サンが交通事故で亡くなっちゃった)中途半端な再結成なんて2度とやめてよね、陣内さん。あの頃のカッコイイTH eROCKERSを残しておいて!

TH eROCKERS 「WHO TH eROCKERS」 TH eROCKERS 「WHO TH eROCKERS」  PCCA-00583
やっぱりロッカーズはこのアルバムでしょう。
全15曲を40分足らずで駆け抜ける猛スピード。
私は今でもフラストレーションが溜まると、このアルバムを聴きます。






Back

Top