-cinema diary-

2002年5月の映画日記(その2)


 

2002.5.18 ファンタジーって一体

「ダンジョン&ドラゴン」

製作:ジョエル・シルバー
監督:コートニー・ソロモン
主演:ジェレミー・アイアンズ、ソーラ・バーチ、ジャスティン・ワリン、マーロン・ウェイアンズ、他

鑑賞日:2002.4.9

公式サイト:http://www.gaga.ne.jp/dd/


 「メイジ」と呼ばれる支配階級が支配するイズマール王国。若き女王サヴィーナ(ソーラ・バーチ)は身分差別を無くし平等な国をつくろうとするが、そんな彼女と対立する宰相プロフィオン(ジェレミー・アイアンズ)はそんな女王の手から実権を奪おうと暗躍していた。
 女王は宰相と対決に備え、最強のレッドドラゴンを操る「サブリールの杖」を手に入れようとするが、その杖の存在を知ったプロフィオンは先んじて杖を手に入れようとする。そんな陰謀に巻き込まれてしまったコソ泥の若者リドリー(ジャスティン・ワリン)と相棒のスネイルズ(マーロン・ウェイアンズ)、見習い魔法使いのマリーナ(ゾー・マクラーレン)たち。彼らは衝突を繰り返しながらも、杖を探す旅に出るのだったが……。


    *    *    *


 DVDにて鑑賞。
 えーっとですね。ネタ的に「ロード・オブ・ザ・リング」公開中だけに、タイムリーと言えばタイムリーな作品でした。てゆうか、それだけに分が悪い感じでもあるんですけどね(笑)
 というか、相当ヘタレです、この作品(笑) 例によってツッコミレビューでもやろうかと思ったんですが、疲れるので止めました(笑)
 邦題が微妙に違ってしまっているのがアレですが、本作はテーブルトークRPGの名作「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の映画化であります。タイトルが違うのは商標絡みなんでしょうかね……?
 まあ、剣と魔法、ダンジョンとドラゴンが存分に堪能できる一作……というのは分かるんですが、他にどの辺りが「ダンジョンズ&ドラゴンズ」なのか、どうにもこうにもはっきりしないような気がします(爆)
 さすがに映像に関しては、それなりにお金はかかってるみたいで、いかにもファンタジーっぽい雰囲気は存分に堪能できます。というか、RPGっぽい雰囲気、ですよねぇ。他にそれ以上何かウリがあったのかというと、ちと頭を抱えざるをえないような内容でした(笑)
 まあ、なんと言いますか……シナリオ自体ありがちというか、かなりツッコミどころ満載なんですけどね(笑) それを敢えてツッコまないとしても、演出が微妙に退屈な感じです。上映時間は100分くらいしかありませんでしたが、これがかなり長く感じられました……にも関わらず、ストーリー自体はところどころはしょられているような印象が強く、繋がりが分かりにくかったり、唐突だったりするような気がしました。ただでさえ退屈なのに、ストーリーが把握しづらいので余計に退屈になったりして……(爆)
 ううむ、ではキャラクタはどうかと言いますと、無名の役者さんが割と凡庸な演技を見せてくれまして、デキの悪いシナリオを漫然となぞっているだけなんだろうなぁ、と見ていて気の毒になってくるような感じでした(爆) 悪役を演じているジェレミー・アイアンズ、本作では唯一ネームバリューのある役者さんですが、彼が演じる悪役もめっちゃつまんないキャラでした(笑)
 ……えーっと、えーっと、それで一体どこを誉めればいいんでしょうか?(爆)
 あ、そうそう、CGはさすがにすごい頑張ってましたね。冒頭でドラゴンの血が湖に落ちて、炎になって燃え広がっていくシーンなどは結構カッコよかったですし、何と言ってもラストのドラゴン大戦争(笑)はCG的にはめちゃくちゃすごいシーンでした(CG的には、ですけど……(笑))
 ただなぁ……CGで作り込んだ背景を空撮でなめるようなショットがありますが、「スターウォーズ・エピソード1」にソックリな感じがしました(笑) あ、それを言えばストーリーもそのエピソード1になんとなく似ていたような……(笑)
 ……とツッコんでいけばキリがないんですけどね。



 こう言ってしまってはナンですがこの映画、「ロード・オブ・ザ・リング」がいかに内容的に成功しているのか、を逆説的に証明したような作品だったな、と思いました(爆)
 確かにこの作品、どこを切っても「ファンタジー」な一作だったと思いますが、そのイメージは思いっきり貧困だったように思います(爆)
 こういう、あんまり豊かとは言えないファンタジー像って……要するに、ホントはもっと豊かで奥深いものだったはずなのに、こういうゲームを通じて陳腐化されてしまった姿なのではないでしょうか。アニメやゲームにおいて繰り返し描かれ、いつかとてもとても陳腐なものになってしまった「ファンタジー」……本作は残念ながら、そういうトホホなイメージを実に忠実に再現していたと思います。
 なんつうか……監督やスタッフからして、ファンタジーってこういうツマンナイものなんだ、と固く信じているからこそ、こういうものが出来ちゃったんでしょうね、やっぱ。
 そんなわけで、「ロード・オブ・ザ・リング」に感動した人は見ちゃダメです、この作品だけは絶対に!(笑)


オススメ度:☆(取り敢えずCGだけは良)




2002.5.18 わざわざここに書くほどのものでは

「6デイズ・7ナイツ」

監督:アイバン・ライトマン
主演:ハリソン・フォード、アン・ヘッシュ、デビッド・シュワイマー、他

鑑賞日:2002.4.2


 多忙な日々を抜け出して南の楽園マカテア島にやってきた、雑誌編集者のロビン(アン・ヘッシュ)。恋人フランク(デビッド・シュワイマー)と二人っきり、一週間のバカンスを過ごすつもりが、急な仕事が入って島を一日だけ離れることに。
 だが、彼女を乗せたセスナ機は突然の荒天に見舞われ、無人島に墜落してしまう。ロビンはパイロットのクイン(ハリソン・フォード)とたった二人でのサバイバルを余儀なくされてしまう。挙句の果てに、助けを求めた船は海賊船だった。果たして二人は、この島を脱出できるのか……。


    *    *    *


 DVDにて鑑賞。
 てゆうか、特に感想らしい感想ってのも無いんですけどね(笑)
 あらすじに一応海賊がどうのこうのと書きましたが、実際には彼らの出番はあんまり無かったりします。そもそも名前もない連中ですし(爆)
 そういう追っかけっこアクションにちょびっと期待してたんですが、実際にはサバイバルやロマンスの方に焦点が当たっているのですなぁ。そのサバイバルっつうのも……シチュエーションから何とはなしにトム・ハンクスの「キャスト・アウェイ」を連想してしまうのですが、あちらの過酷さと比べるのもどうか、つうくらいにヌル過ぎます。まあコメディなんでそこに気合が入ってても困るんですけどね(笑)
 ええと、あと何か書くことあったかな……?



オススメ度:☆(まあ特にオススメするほどのものでも(爆))




2002.5.18 こっちを観たかった……

「ヴァンパイアハンターD」(日本語版)

監督:川尻喜昭
声の出演:田中秀幸、永井一郎、久川綾、林原めぐみ、屋良有作、他
アニメーション制作:マッドハウス

鑑賞日:2002.4.1


 劇場公開は英語オンリーだった本作ですが、ビデオにて日本語吹替版がリリースされましたので、そちらを鑑賞してみました。
 っていうか、パッケージには「オリジナル日本語版」って書いてあるんですけど……ううむ、だったら英語しか入ってないこれのDVDって一体……(爆)
 前回の感想はこちらを参照して下さいませ。



 で、どうだったかと言いますと……確かに日本語で見た方が自然な感じがします。音響製作自体はアメリカのスタッフが手掛けてますんで、効果音とのバランスとかも含めれば、英語版の方がいいはず……なのですがね(笑)
 やはり、英語と日本語では、音として捉えたときのリズム感が全然違うんですよねぇ。特に川尻監督作品の場合、画づくりとして「静」と「動」の緩急のつけ方が非常に極端で、そういうリズム感を重視した演出なのではないか、と思われますので、言語の違いっつうのが大変大きく感じられました。
 ……そんなこんなで、最初からこいつを劇場公開してくれりゃいいのに! つうのが結論であります。はっきり言って評価がガラリと変わってしまいましたよ(笑)
 しかし、DVDに日本語音声が未収録というのは、やっぱり問題なような気が……。ビデオは当然ながらドルビーサラウンド収録だったのですが、サラウンド感、迫力ともに結構イイ線いってました。2ch収録でも良かったので、ここは何とかして欲しかったかなぁ……と思わざるを得ません。うーむ、残念。



オススメ度:☆☆☆☆
DVDがっかり度:☆☆☆☆☆


 


鑑賞順リストへトップページに戻る