『初夏のヨモギ掬い採集』  
2004/06/13 (十勝管内東部 気温25度)






「ケマダラカミキリ」を狙って採集に行ってきたのだが、そのきっかけはFMさんからの情報でした。

ちょうど札幌に出張中に電話を頂き、採集話しの中で、「ケマダラカミキリは採った?」と聞かれたんだけど、ビギナーな私は採った事は勿論、その名前さえ初めて聞いた状態で、頭の中にはマダラ模様の毛がモジャっと生えた品のない姿のカミキリを想像する始末でありました。(笑)

話しを聞くとこのカミキリは、北海道のみに棲息している希少種で、年々少なくなってきているらしい。

ヨモギを根気良く掬っていけば採れるので、今のうちに採っておいた方がいいとの事。

ちょうど、この週末は採集に出撃すると決めてはいたが、どこに行こうか決め予ねていた所だったので、教えて頂いたポイントにケマダラ採集に行く事に決定しました。




■ さて、そうと決まると、出張中の身でありながら研修中も頭の中は
  「ケマダラ、けまだら…早く採りに行きたい…ブツブツ…」(笑)

札幌から帰宅後、早速図鑑を開いて見てみると、スレンダー&シックなカミキリです。

決して毛モジャではなく(笑)、FMさんが言う通り、中々かっこいい。

そして、いよいよ日曜日!9時に自宅を出発。

ひゃ〜、晴天であります。

昨日とは打って変わって気温も25度。

1時からはTBFのボランティア作業が入っているので、正味2時間程の採集であります。

途中コンビニに寄って、緑茶のペットボトルと弁当を仕入れる。

何だか、遠足に行く子供のような気分で楽しい。

しばらく走り、グィ〜ンと山道を登るとポイントとうちゃく〜。

ヨモギをセッセと掬えば数頭は入るとの事だが、道の両脇はどこまで行ってもヨモギが一杯。(汗)

一体どこから手を付ければいいものか…

ここは蝶屋さんのメッカでもあり、大きな網を持った幾人かのおじさん達が蝶を探して歩いている。

そのグループをやり過ごし、更に上に向かって走り、適当な場所に車を停め、いよいよヨモギを掬ってみる事にしました。

「バサ、バサ!」手当たり次第に網を振る。

中を覗いてみると、小さな虫が一杯入っています。ほとんどがハエやハチ、コガネムシ、名も知らぬ小さな甲虫。それにクモや毛虫などのゲテも一杯。





去年までは、このゲテがいやで花を掬うのも躊躇していたのだが、今年の私は違う!(笑)

ゲテにひるんでいてはカミキリは採れない!バンバン掬いまくる所存であります。

比較的、大きな甲虫が入っていたので見てみると、「ヨツボシヒラタシデムシ」でした。

逝ってよし。

引き続き網を振る。「バサバサ」…覗く。

「バサ、バッサ」…覗く。

目指すケマダラはさっぱり入りません。




このセミはどうしちゃったんだろう?

羽化中?







しかし、暑い。

汗ばんだ、手に蝶が飛んで来て、口吻を伸ばしてます。

車を移動し、2ヶ所目の場所で再び掬いまくる。

「ばさ、バサバサ」フゥ〜〜…「バサバサ」

かれこれ30〜40分はヨモギと格闘している。

もう半分ヤケになってる自分がいるんだけど、もう半分の自分は「まだ始まったばかりじゃないか。そんなに簡単じゃないのは覚悟の上だ。」と頭の中で囁いている。

しかし、掬っているうちに段々とヤケになってる自分が優勢になってくる。

次の場所で、採れなかったらもう諦めよう。

そう決めて、100mほど離れた3ヶ所目の場所に移動。

道路脇に車を止めヨモギの茂みに寄ってみました。

すると1本のヨモギの茎をスルスルっと登って行く細長いシルエットの虫をみつけました。

「えっ、なに。もしかして…や、やった。やった〜!

以外に動きが速い。

写真など撮ってはいられない。

下に落さぬように包み込むように葉っぱごと掴む。

目に焼き付けてきた図鑑の写真のカミキリです。

「とうとう採れたよ〜、よかった。」

遠めに見ると、黒っぽくしか見えないが、間近で見るとマダラ模様が繊細で美しいカミキリだなぁ。

『♪探すのをやめたとき〜、みつかる事もよくある話しで♪ by井上陽水』なんて歌があるけど、半分諦めて、フっと力が抜けた途端、みつかるのだから皮肉なものだ。

すっかり気を良くして、再び掬ってみたり、丁寧にルッキングしてみたり。

しかし、とうとう追加を得る事はできませんでした。

山の神様がいるのなら、ヘッポコ虫屋の熱意に免じて1頭だけプレゼントしてくれたのかもしれません。



■ FMさんに電話し、採れた事を報告。
  その時「天気がいいから土場も行ったらいいよ。」と言う事で、場所を教えて頂く。

それらしい林道があったので、突入!

なるほど、言ってた通り狭くて心細くなるような道が続いている。

しばらく走ると、ありました〜。

しかし、積んであるのは針葉樹がほとんど。

丁寧に教えてもらったのに、入る林道を間違えたのかな。

とりあえず、材の周りを丁寧にルッキングしてみる。

細かい虫がたくさん飛び交ってはいるが、カミキリはみつけられない。










積んである材の上によじ登ってみると、およよ、何だこの虫は…。

光沢のある体はアルキデスのように幅広い。

おまけに小さなアゴまであって、クワガタみたいであります。

これは「オオヒラタエンマムシ」と言って、他の小昆虫、腐敗物などを食べ、糞にも集まるそうです。

名前の通り、横から見ると、薄っぺらです。









カミキリもいました。

「マルクビヒラタカミキリ」です。







この辺で空腹感もおぼえてきたのでお昼を取る事にしました。

エアコンの利いた車内は涼しく、気持ちが良い。

途中で結構飲んでしまって、1/3程残っているペットボトルのお茶をグっと飲み干す。

冷たい事もあるけど、目標の虫を採ったと言う達成感も相まってホントに美味しい。

一人の採集は気楽でいいけれど、こんな時、話相手がいれば余計楽しいだろうなと思ってしまいました。



■ 林道脇に「ミズキ」の花が咲いていたので、掬ってみました。








網を手一杯伸ばして、数メートル先の花を順番に掬ってみました。

まだまだ虫の数は少ない印象です。

北海道はやはり来月あたりがピークでしょう。







このカメムシが網に入ったおかげで、その場の空気の臭いこと…










「ハイイロヒョウタンゾウムシ」
雄なしで増える単為生殖型と、雌雄の交尾で増える両性生殖個体群の二つのパターンがあるらしい。






あとはマルガタハナカミキリとヤツボシハナカミキリが入りました。

ヤツボシには逃げられたけど、既採集種なので、未練はなし。


さて、この辺でTBFの作業の時間が迫ってきました。




ケマダラカミキリ
Agapanthia daurica



ハイイロヒョウタンゾウムシ
Catapionus gracilicornis



マルガタハナカミキリ
Judolia cometes 】

マルクビヒラタカミキリ
Asemum amurense



■ 坂道を登り降りしたり網を掬ったり、かなり疲れたけど、
  手中のケース内にいるカミキリを見ると、疲労感も感じません。

ケマダラに関しては、7月中まで発生していて、これからもう少し個体数も増えるのかもしれません。

チャンスがあれば、またチャレンジしてみようかな。

そんな事を思いながら、気持ちも軽く山を下りました。

MDからは井上陽水の甘い歌声が流れていました。


最後に情報を提供して頂いた、FMさんに感謝します。



■ 記載日 2004.06.16




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