-cinema diary-

2002年4月の映画日記


 

2002.4.10

「WASABI」

製作・脚本:リュック・ベッソン
監督:ジェラール・クラヴジック
出演:ジャン・レノ、広末涼子、ミシェル・ミュラー、他

鑑賞日:2002.3.8

公式サイト:http://www.wasabimovie.com/


 フランス警察の刑事ユベール(ジャン・レノ)は、19年前日本に滞在していた時に愛した女性ミコの葬儀に参列するために日本を訪れる。そんな彼の前に現れたのは、ミコの娘・ユミ(広末涼子)だった。
 そんなミコの死には不審な点があり、ユミも何者かに狙われるようになる。ユベールはユミを守りながら、かつての相棒モモ(ミシェル・ミュラー)とともに、真相を探り始める。


    *    *    *


 どちらかと言いますと、映画ファンの興味よりも世間一般の芸能ゴシップ欄を賑わせていた感のある一作でございます(笑)
 ジャン・レノ主演、リュック・ベッソン脚本&プロデュースという事で、ついつい「レオン」のようなスタイリッシュなアクション映画を連想してしまいますが……。
 実際のところリュック・ベッソンって、自分の監督作以外は割とどうでもいい作品が多いんですよね(爆)
 つうか、彼自身の監督作にもガチンコモードのシリアス大作ってのは確かにあるんですが(「ジャンヌ・ダルク」とか)、その一方で「フィフス・エレメント」みたいなおバカSFアクションも撮ってたりして、つまる所この人は基本的におバカでくだらない映画が大好きなんだと思います(笑) 「グランブルー」とか「レオン」のシリアスでオシャレなイメージに騙されている人は結構多いかも……(笑)
 近年の彼は「TAXi」シリーズとか、本作「WASABI」とか、自分で書いた脚本をプロデュースに徹して他の監督に任せる、というパターンが多いのですが……それらの作品の完成度とか、どれだけ本気モードになっているかとかを振り返ってみるに……なんかこう、単なる思いつきのような、明らかにどうでもよさそうな企画ばっかり他人任せにしているような、そんな気がするんですけどもねぇ……(爆)



 さて、日本に大々的にロケを敢行した本作、監督は前作「TAXi2」で勘違いニッポン人を見事に描いてくれたジェラール・クラヴジックその人であります!
 おいおい、そんなやつに日本を舞台にした映画なんか撮らせてどうするんだよ!
 ……と最初は思いましたが、まあさすがに日本にロケにまで来てますんで、その危惧は最小限で済んだと思いたいところです(笑) さすがにセット撮りのシーンは勘違い爆発といったところですけど……(笑)
 まあ細かい事を言っててもしょうがないです。基本的にこの作品、コメディですからね(笑) この監督、前作「TAXi2」もカーアクションを差しおいてくだらないギャグをこれでもかと展開してましたし。
 というか、アクション・コメディという事にでもしておかないとジャン・レノが繁華街の真ん中ででっかい拳銃を振り回してぶっぱなしている事に説明が付けられないような気もしますし……おいおい、ここは日本だぞー!(笑) 



 えー、あとですね、別に触れなくてもいいような気もしますが(笑)広末涼子に関して。
 ジャン・レノと共演ってそれどうなのよ?と危惧していた方々も多いような気がしますが(爆)、フランス語のセリフが多いという事もあって日本人が鑑賞する分には違和感はないと思います。あんな役柄ですから、繊細で微妙な役づくりとも、細やかな内面表現とも無縁っぽいですしね……(笑)



 あともうひとつどうでもいい事ですが、本作のジャン・レノは大のゴルフ好きという設定です。もしやと思いましたが、やっぱり出てきましたね、ゴルフ練習場が(笑)
 リドリー・スコット監督の「ブラックレイン」でも、舞台は大阪でしたがヤクザの親分との対面シーンがやっぱりゴルフ練習場でありました。外国の人にはアレはよっぽど奇妙なしろものに見えるらしいですな。
 どうでもいいんですけど、「TAXi」シリーズではあんだけフランスバンザイ!とプジョー車を持ち上げてドイツ車を悪役にしてたのに、今回のジャン・レノはなんとVWゴルフに乗ってさっそうと登場するんですよ(笑)
 なんで?と思いましたが……ゴルフ好きゆえに愛車がゴルフ、というとてもくだらないギャグであるという事に気付いたのはこの感想を書いている頃合でありました。くだらねー(笑)



おすすめ度:☆☆☆(フランス人って一体……(笑))




2002.4.10 カッコ良すぎます(笑)

「夕陽のガンマン」

監督:セルジオ・レオーネ
出演:クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、ジャン・マリア・ボロンテ、他

鑑賞日:2002.3.5


 「賞金稼ぎ」が商売として成立していた西部開拓時代。刑務所に収監されていた悪党インディオ(ジャン・マリア・ボロンテ)は仲間の手を借りて脱獄を果たす。
 そんな彼に懸けられた賞金1万ドルを狙ってやってきたのが、若き賞金稼ぎモンコ(クリント・イーストウッド)と老練なガンマン・モーティマー大佐(リー・ヴァン・クリーフ)。2人はお互い出し抜き合いながらも、共闘してインディオ一味を倒そうとする。

    *    *    *


 DVDにて鑑賞。
 クリント・イーストウッド主演、彼を一躍有名にした、一連のマカロニウェスタン作品の一つです。まあ、有名と言えば有名ですよね。
 しかしイーストウッド、若いです! 実に若いです!
 何せ1965年製作と言いますから、今から37年も前の映画なんですよねー。えーっと、イーストウッドって今いくつでしたっけ(笑) ともあれ、昨今のすっかり老けた姿を見慣れている目にはかなり新鮮に映りました。
 まあ、製作年代を考えればいかにアクションスターとはいえ肉体をさほど酷使しているわけでもないのですが……アクションもそんなにハデでもないですし(何せ殴り合いのシーンがはっきり寸止めと分かるシロモノでしたし(笑))。それでもガンさばきはカッコいいですし、何と言っても黙ってタバコふかしてるだけで充分にカッコいいのですよ!
 相棒?のリー・ヴァン・クリーフも負けず劣らず渋いです。この映画に出るまでは引退状態で電気代も払えないようなわびしい生活をしていたとかいう話らしいですが(爆)、イーストウッドがかすんで見えるくらいに貫禄バリバリに見えます(笑)
 アメリカの西部開拓地が舞台のはずなのに、なんか違う別世界のように見えるのはさすがマカロニウェスタンと言ったところでしょうか(笑) 
 何せ古い映画ですし、全体的にどこかのんびりした印象は否めませんが……独特な雰囲気はまずまずだったかと思います。
 どうでもいいんですけど……髭もじゃの汗くさい野郎どもが大挙して登場する、大変むさくるしい映画でありました……(爆)



オススメ度:☆☆☆(イーストウッドのカッチョよさにしびれて下さい(笑))




2002.4.10 オープン・ユア・アイズ

「バニラ・スカイ」

監督・脚本:キャメロン・クロウ
出演:トム・クルーズ、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、カート・ラッセル、他

鑑賞日:2002.3.1

公式サイト:http://www.uipjapan.com/vanillasky/


 出版社の若きオーナー・デヴィッド(トム・クルーズ)は若くてハンサムでリッチな青年。ある日ソフィア(ペネロペ・クルス)と運命的な出会いを果たし、本物の恋に落ちる。
 だがそんな彼に、かつて袖にした女友達のジュリー(キャメロン・ディアス)が執拗に付きまとってくるようになり、やがて彼女のせいで交通事故に巻き込まれてしまい、顔に大怪我を負ってしまって……それをきっかけにデヴィッドの人生は一変してしまう。
 それから数ヶ月後。殺人容疑で逮捕された彼は、その間のいきさつを精神科医マッケイヴ(カート・ラッセル)に語り始める。一体彼の身に何が起こったのか……。


    *    *    * 


 むー、こいつは一筋縄ではいかない映画ですね。
 若くてハンサムで金持ちの青年が、事故で顔に怪我を負ってしまった事から人生が一変して……というお話なんですけども、別に彼の立ち直りを描いた人間ドラマでもないですし、そんな立ち直りを支えた女性との恋愛模様を描く恋愛映画でもありません。
 というか、そういう側面は確かにありますし、むしろそういう映画のように強調してはいると思うんですけどね。しかしながらそれと並行して、物語は殺人犯として投獄された主人公と精神科医との対話による回想という形式をとっているわけで……そういったミステリ的な興味も、かなり堂々と追求されております。そんでもって、最終的なオチは……ある意味、先の全く読めない映画でありました。
 ネタバレになるので詳細には触れませんが、驚天動地のオチを目の当たりにする頃には、もはや唖然とするより他にありません。うわー、一体何なんだこの映画!(笑)



 元々この作品は、アレハンドロ・アメナバール監督によるスペイン映画「オープン・ユア・アイズ」のリメイクであります。
 トム・クルーズはこの作品に惚れ込んで自分主演でリメイクしたばかりではなく、このアメナバール監督のハリウッド進出作品「アザーズ」をニコール・キッドマン主演で自らプロデュースしているという熱の入れようであります。
 まあ、オリジナルを見ていませんので比較してどうこうという事は言えませんが……どうなんでしょうね。ハリウッド映画らしい、やたらポジティブなメッセージに落ち着いてしまったような気がしましたが、ラストのアレが本当にナニでアレだったという保証は無いわけで……ブツブツ。
 まあ、シナリオにはツッコミどころもかなりありますし、そういう意味では賛否両論ありそうな感じですが……それにしてもとんでもない映画でした(笑)



 しかし……あのトム・クルーズが、自分のプロデュース作品で不細工な顔キズ男になってしまったのにはちょっとビックリしましたね(笑) これはアレですか、前作「M:I−2」があまりにもオレ映画になってしまった事の反省なんでしょうかね?(笑)



おすすめ度:☆☆☆☆



 


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