-cinema diary-

2002年8月の映画日記


 

2002.8.4 ボールは友達

「少林サッカー」

監督:チャウ・シンチー、リー・リクチー
主演:チャウ・シンチー、ビッキー・チャオ、他

鑑賞日:2002.6.1


 かつてサッカーの名選手だったファン。今は足を負傷し、トレーナーとしてかつて現役時代の後輩だったハンにあごでこき使われる日々だった。そのハンは、今は連勝を続けるチーム「デビル」のオーナーとしてサッカー界に君臨していた。
 屈辱の日々を送るファンは、ふとした事から少林寺拳法の普及を目指す若者シン(チャウ・シンチー)と出会い、その強烈なキックに目をつける。シンと共にかつて少林拳を修行した兄弟達が再び集い、「少林チーム」が結成されるが、ハンはそんな彼らを卑劣な手段で待ち構えていた……。


    *    *    *


 えー、本作はタイトル通りサッカーをネタにした作品でありますが、スポーツとしてのサッカーの魅力とか、あるいはスポーツを題材にした事によるドラマ的な魅力とか、そういうのは多分期待してはいけないのだと思います。つうか誰も期待していないと思いますけど(笑)
 つうか、何もこの作品、ワールドカップの開会式と同じ日に封切りにしなくてもいいんじゃないかと思うんですけどね……その初日に見てきたASDもASDですが、結構なお客さんの入り具合で、そこに集まっていた皆様も皆様である、という気もしないでもないです……いや別に他意はございませんが(笑)



 で、内容ですが……まぁ期待どおりのおバカ映画でありました(笑)
 いかにも香港映画らしく、ギャグが少々コテコテにくどすぎるのがやや気になりますが、クンフーの奥義を駆使した妙技の連続には爆笑必至でございます。
 というか……えーっとですね、これって途中からあきらかにサッカーじゃなくなってますよね(笑) 主人公チームが「少林チーム」ゆえにクンフーを駆使するのはいいのですが、なんか予選の段階から、敵チームもワイヤーワークで空を飛んでたりして、かなり早い段階から勝負に関してはサッカー的に決着づける事を放棄している模様です。決勝戦なんか、点数勝負よりもいかに相手選手を潰して、人数不足で試合続行不可能に追い込むか、つうのを狙ってますからねぇ……もはやサッカーじゃないよ!(笑)
 あと、完全にお馬鹿コメディというわけではなしに、それなりに真面目なドラマも一応展開されている様子ですが……ギャグがこてこて過ぎてあんまり感動したりはしませんでした(笑) 特にヒロインの顔があまりにもイジられ過ぎで、ロマンスもへったくれもあったものではございませんしぃ……(笑)
 まぁ何と言いますか、いろんな意味ですげぇ映画だったなぁ、とは思います(笑)



 ちなみに監督・主演のチャウ・シンチー氏いわく、この作品の着想は「キャプテン翼」のアニメをみて思いついたんだそうです。うーむ、それってこんなお馬鹿な漫画でしたっけ?(笑)



オススメ度:☆☆☆☆




2002.8.4 現実とフィクション

「ビューティフル・マインド」

監督:ロン・ハワード
主演:ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、エド・ハリス、他

鑑賞日:2002.5.31


 ジョン・ナッシュ(ラッセル・クロウ)は数学者としては超一流の天才だったが、変わり者で他人とのコミュニケーションも苦手だった。やがて彼は革新的な理論を発見し、大学を卒業して政府の研究機関で働くことになるが、彼の才能を発揮するような局面は希だった。
 ある日彼は政府の諜報機関から、暗号解読の極秘任務への参加を求められる。任務に熱中しのめり込んでいくうちに、ナッシュは精神を病んでいくのだった……。


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 本年度アカデミー賞受賞作です。数学者ジョン・ナッシュが、分裂病と戦いながらもやがてノーベル賞を受賞するまでの半生を綴った映画です。
 けど……えー、何だかビミョーにコメントに苦しい作品でしたね(笑) 一応自伝映画風ですが、詳しく話すとネタバレになるような要素もありますし……そういうドンデン返し?的な部分は充分に堪能出来るものになってたと思いますし、主人公ジョン・ナッシュと、彼を長年支えた妻との関係とか、そういう部分でも何げに感動を呼ぶ作品でしたが……どうなんでしょ。面白いとは思うんですけど、やっぱりコメントに困ります(笑)
 ASD的にはやはりドンデン返しがかなりツボにはまった感じだったのですが……それだけに感動モノとしてソツのないラストを迎えたのはちょっと拍子抜けだったかも知れません。



 ……あと、一応明記しておきますが、ノーベル数学賞を受賞したジョン・ナッシュというのは実在の人物で、彼が分裂症と戦っていたのも確かに事実ですが、彼のキャラクタとか、妻との関係とか、あんまり事実を正確に踏まえているわけではないそうです。「事実に基づくフィクション」どころか、かなりフィクションなのだそうで(笑)
 ただそういう意味では、ジョン・ナッシュ本人も分裂病に蝕まれ、彼自身みずからの周辺の状況を正確に認識していたわけではありません。そういう彼自身の混乱、混同を、映画では見事に表現しておりましたが……結果的に、そういう「現実」と「虚構」の関係をこの映画は何らかの形で示唆しているのではないか……というような意見をネット上でチラホラ見かけましたが、さすがにそれはちょっと飛躍し過ぎでは(笑)
 ASD的に面白かったのは、彼が数学的ひらめきを得るくだりの描写ですかねぇ。現実の風景の中に数学的な記号が鮮やかに浮かび上がる描写は視覚的に面白いのですが、結局彼のその数学的才能は、ある意味では分裂症がもたらした幻覚的な産物だったのかも知れません。そのあたりから、間接的に天才の苦悩ってやつが垣間見えていたのかも知れません……知れません?
 あー、何だかパッとしない感想文だ!(なら堂々とのっけるなよ)



オススメ度:☆☆☆




2002.8.4 こんなお父さん

「ミート・ザ・ペアレンツ」

監督:ジェイ・ローチ
主演:ベン・ステイラー、ロバート・デ・ニーロ、オーウェン・ウィルソン、他

鑑賞日:2002.5.28

公式サイト:http://www.uipjapan.com/mtp/


 恋人パムへのプロポーズを決意した看護士のグレッグ(ベン・ステイラー)。だが彼女の父親ジャック(ロバート・デ・ニーロ)は、娘に近づく男には大変に厳しい人物だった。グレッグはジャックに何とか気に入られようと努力するが、些細な失敗を繰り返すうちにやがてとんでもない事態に……。


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 DVDにて鑑賞。「コメディは苦手」と「隣のヒットマン」の時に書いたのに、またしてもコメディ見てます……。デ・ニーロさんが目当てだったんですけどね。元CIAというとんでもない経歴を持つ、とんでもない手厳しいオヤジを実に楽しそうに演じるデニーロさん、が何げに素敵でした……そうですよ、「ザ・スコア」なんかに出てる場合じゃないですよ!(笑)
 監督は「オースティン・パワーズ」シリーズのジェイ・ローチ。あのシリーズは日本人にはイマイチ理解し難いギャグが多いのか、微妙にしらけた局面の多い作品でしたが……。
 その認識が、この作品を見て少しだけ変わりました。外し気味のギャグですけど、これってもしかしたら意図的にやっている事なのかも知れません。
 何せこの作品、恋人の父親に会いに行くという男性ならばものすごく気まずいシチュエーションを描いた作品で、実際の本編でもそういう気まずい局面が多数描かれているのですよ。
 このさむーい感じが微妙に笑え、次第に爆笑に変わっていくという、一歩間違えるとものすごく大変な作風のように感じられました(笑)
 てゆうか、事態の成り行きを見るに笑うに笑えない事になってしまっているような気も……(爆)



おすすめ度:☆☆☆(デ・ニーロさんの悪ノリに+1)




2002.8.4 軽い杖

「ライト・スタッフ」

監督:フィリップ・カウフマン
主演:サム・シェパード、デニス・クエイド、エド・ハリス、スコット・グレン、ランス・ヘンリクセン、他

鑑賞日:2002.5.27


 人類初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功したソ連。その後ガガーリンが人類初の有人宇宙飛行を達成するなど、アメリカは宇宙開発においてソ連に大きく水を開けられていた。挽回のために「マーキュリー計画」を立ち上げた合衆国政府は、宇宙飛行士の選抜のために国中から優秀なパイロットを集める。
 アメリカ空軍、エドワーズ基地ではパイロット達が音速の壁を越えるべく挑戦を続けていた。チャック・イエガー(サム・シェパード)もその一人だったが、同僚たちは宇宙飛行士の選抜テストに挑戦し、クーガー(デニス・クエイド)らが抜擢される。
 アラン・シェパード(スコット・グレン)、ジョン・グレン(エド・ハリス)らが有人宇宙飛行に成功し、やがて国中が宇宙開発に湧く中、イエガーは誰にも見向きされなくなってもなお、地上での飛行記録に挑戦し続けるのだった……。


    *    *    *


 まったくどうでもいい話。
 伝説的パイロット、チャック・イエガーを演じたのはサム・シェパード。
 宇宙飛行士アラン・シェパードを演じたのはスコット・グレン。
 宇宙飛行士ジョン・グレンを演じたのはエド・ハリス。
 ううむ、ややこしいですね……(笑)



 ええと、この作品いつものようにレンタルDVDにて鑑賞したのですが……プレイヤーが悪いのかディスクの不良なのか、冒頭15分あたりから10分以上に渡って、映像が乱れに乱れておりました。な、なんだこれはー!
 まあいつものように100円レンタルでしたし、こんな具合でも最後まで堪能したのも事実ですからいいんですけどね。むしろ物珍しい事態を目の当たりに出来て、ある意味面白かったですし(笑)
 しかし何が原因だったのだか……。
 ま、夜中に眠い目こすって鑑賞していた事もあって、かなり斜め見?してます。そんなんでもわざわざ感想書いてるASDさんですが(笑)
 1983年のアカデミー賞受賞作と言いますからそこそこ古い作品でございます。NASA初の宇宙開発計画である「マーキュリー計画」を、これに参加した宇宙飛行士達のドラマをメインに据えて描き出した、実話ものです。
 多分、事実にはそれなりに忠実と思われますので、これ一本見ればマーキュリー計画の事に結構詳しくなれるんじゃないでしょうか。
 ちなみに先日見た「カプリコン1」繋がりで鑑賞した、というのはここだけの話です(笑) この他に宇宙開発ものといえば「アポロ13」という作品もありますが……あれはタイトル通りアポロ13号の事故を映画化したものですので……あんまり景気のいい作品が少ないよなぁ(笑) ああ、この作品との繋がりで、という事になればクリント・イーストウッドの「スペース・カウボーイ」もハズせないかも知れません。上に挙げたような作品を先に見ていたので、どうしても見ている間に脳裏を過らざるを得ない部分も多々あったんですけどね(笑)
 個人的には、このマーキュリー計画と並行して描かれるチャック・イエガーのエピソードの描写がちょっと淡白かなぁ、という気もしないでもないのですが……まぁ3時間超もある映画ですので、これ以上何かを付け加えてもらうと大変な事になるんですけどね(笑)
 あと、政府関係者が「ソ連なんかに負けていられるか!」などとハナ息荒くしながら会議しているシーンが、ほとんどギャグにしか見えないってのがどうも……(笑) 何げに繰り返しギャグも出てきますし、どこまで真面目な映画なのか、やや疑わしかったです(笑)
 この映画をみると、それ以後のジェミニ計画やアポロ計画の事がちょっと気になってみたり……ううむ、じゃ次は「アポロ13」ですかね(ちょっと飛び過ぎ)



オススメ度:☆☆☆



 


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