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夏。今年は寒いですね。皆さんいかがお過ごしですか?
うだつの上がらないサラリーマンをやっている私も、ありがたいことに
世間様並に夏休みを頂いております。
そんな中、今年は木曽路を旅してきました。年甲斐もなく(?)
中仙道の宿場跡(奈良井宿・妻籠宿)を訪ねて、蕎麦を食べて、五平餅を食べて、
開田高原でブルーベリ−狩りをして、東名のSAを各駅(?)停車して、
釜揚げシラス丼を食べて、メロンパンを食べて...。
はい、食べてばかりの旅でした。恥ずかしながら。
その中のメインは「ブルーベリー狩り」。国内旅行のパンフレットを
捲っていたら偶然出会ったこの言葉。居ても立ってもいられなくなりました。
思い起こせば、高校生の頃に彗星の如く登場したロッテ・ブルーベリーガム。
これはあまりに衝撃的な味でした。もし街頭インタビューで
「あなたにとって青春の味は?」
って聞かれたら、間違いなく
「ブルーベリー味!」
って答えていることでしょう。「ガム」以外味気のない青春でしたから...。
さてそういうわけで、僕の心に深く刻まれたブルーベリー「ガム」。
その後の出会いは、ジャムにケーキにヨーグルト。依然、本物には出会えぬまま。
「ブルーベリー...あなたはオードリー・ヘップバーンなのか...。」
そんな人生を歩んできた私の目の前に
「ブルーベリー狩り」という現実。心の中で何かが崩れ去りました。
こうなったら「毒を食らわば皿まで」。行ってやろうじゃないかブルーベリー狩り!
当日。開田高原。山間の農園。
初めて知った本当のブルーベリーの色・形・味・香り。どれも驚きでした。
想像以上に非現実的な実の紫色。種を感じさせない親指大の実。
思っていたほど酸っぱくなく、また、甘くなく、ガムよりもパンチが少ない香り。
「なるほどなぁ...なるほどねぇ...悪くないじゃん...おいしいかも...」
そう偉そうに呟きながら、50粒ほどを口に放り込みました。
理想が崩れることも悪くはないでしょう。
少年が思い描く大人の女性と、現実の差みたいなもので、
いつかは知らなければなりませんし、逆に想像以上の喜びだってあるでしょう。
そういう意味で本当のブルーベリー、良い意味で堪能させていただきました。
またひとつ大人(?)になった気がしました。
農園を後にしようとした時、ふと気がつきました。
人の背丈程のブルーベリーの木。そこに実る100粒ほどの実。
農園全体で木は1600本程。減農薬、有機栽培...おかしいっ!
ゴム長靴に麦藁帽子のお姉ちゃんに、訪ねてみました。
「すみません。ちょっと伺いたいのですが、
鳥ってブルーベリーの実は食べないんですか。
なんで鳥よけのネットを張らないんですか。」
「鳥は食べに来ますよ。ムクドリの大群なんか来たときは
開園できないようなときもあります。
でもねぇ...いやなんですよ...。
折角の開田高原の自然じゃないですか。
風が吹いて、空が青くって、
その中でおいしいブルーベリーを食べていただく。
できるだけ自然に近い姿で。
それがいいんですよね。
ネット張ったら、なんかおかしいですよ。
気持ち良くないじゃないですか。」
僕はジャムをもう一瓶買い、「開田」の遺伝子に敬意を表しました。
そして、このジャムを食べることで、
「この遺伝子が自らの細胞に少しでも入ってくれれば」
と願いました。
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