短歌ドリル公式記録簿 2003年3月号
 毎日のお題から即日UP!短歌のWeb練習会、公式記録です。
 Liveは万里子さんのHP<短歌ドリルBBS>で!
【ご連絡】2/17〜2/20まで不在のためUPが滞ります。
Lesson 201  Theme:『ぶ』 by よさ 2003/3/31
ブサイクな子猫と目が合い動けずにペットショップの待ち合わせヤダ : よさ
無愛想知らぬ顔して物渡す開いて見ればサービス券あり : zenkyu
ブロックの塀に並べた春の花25坪の楽しきわが家 : 万里子
無精ひげ 雲を見上げて剃っている その横顔にときめくココロ : とまと
野暮なことな聞きそ無聊を慰めん野に出て草を摘み遊び和(な)ぐ : ゑつ子
不の二乗マイナス掛けたらプラスですブが持つ意味の分が良い話し : 下町古娘
ブラバンの練習背にして河川敷桜並木を一人行進 : 直哉
人前で「久しぶりやな」「御無沙汰ね」もっと話がしたいグッと押さえて : shell
豚の仔をモモと名付けた。泣きながら精肉所まで引きずっていった。 : おやなぎ
長いものに巻かれていれば無難だとわかっているのに不器用なひと :
ブルースを聞きながら呑むバーボンに酔うて候 告白します :
無愛想な返事を顔に叩きつけあれから他人の夜が始まる : 美雨
Lesson 200  Theme:『開』 by 美作直哉 2003/3/29
開幕戦3対7で負けましたドームの春はオレンジの風 : 下町古娘
呪縛から開放されたくつろぎにフラッシュバックがふいに襲える : ゑつ子
ひたすらに咲いて匂えど沈丁花見る人帰らぬ春は哀しき : 美雨
春風が運んで来ては喜びを見上げて思う開花宣言 : zenkyu
優しさは例えば「開」のボタン押すエレベータでの一期一会も :
ボルドーの赤色にじむコルク栓フランスの秋の微かな香り : 万里子
手術した医師に変わって主治医決まり寂しいけれど一安心 : shell
あめつちの開けし時ゆむらぎもの心つくして恋は止まざり :
泡風呂とアヒルのおもちゃに憧れたセサミストリートも米国にあり : 直哉
彼の部屋 勝手に開ける冷蔵庫 所定の位置が分かる喜び : とまと
そしてけふも、わたし疎まれてをりました。開演前のしはぶきのやうに。 : おやなぎ
着古した開襟シャツにサヨナラを告げた3月31日 : よさ
Lesson 199  Theme:『ポスター』 by コダマ 2003/3/28
文化祭ポスターカラーで模造紙に文字や絵を描き帰宅は深夜 : shell
ジャズの街ニューオリンズの剥げた壁ポスターだけが色鮮やか : 下町古娘
街中に笑顔氾濫改選は確かになりぬ候補者ポスター :
幼き日友と書き上げ喜びを分かちあったは学級ポスター : zenkyu
縁日で運勢暦と並んでるザ・ビートルズのモノクロポスター : 万里子
「米消費」ポスターの山盛りご飯 子らおしなべて描いてはいるが : ゑつ子
ポスターで埋まった壁が吐き出した二酸化炭素でめまいをおこす : よさ
故郷を美化した駅のポスターに背を向け今日も快速を待つ : 直哉
物陰の剥がし忘れたポスターに自死のアイドルかげりなく笑む :
Lesson 198  Theme:『ウソ』 by とまと 2003/3/27
つかの間のたとえ嘘でもときめくは優しいメールを読み返す時 : zenkyu
天秤の右と左に乗せてみる嘘の重さと真の重さ : 下町古娘
欲しいのはお金じゃなくてハートなの オヤジの連れするリカは嘘つき : 直哉
「嘘だよね」「冗談だよね」ぼうぜんと母の喪服で母を見送る : 万里子
電話口「泣いているの?」と尋ねられ 「何でもないの」とわざと強がり : とまと
「寂しいな」私の素直な気持ちなのそれを「嘘!」とは傷ついちゃうわ : shell
ろうそくを背に隠してもシルエット見えてる だけど黙ってあげよう : ゑつ子
狼が来るぞと嘘をつくようでメール送信なかなかできず : よさ
嘘ならばあっけらかんと他愛なく ホラという名の大嘘がいい :
真実を知らず衰えゆく父に「またね」と告げて受話器を置きぬ :
制限を守ったごとく記載する食事ノートに合わぬ体重 :
Lesson 197  Theme:『タタカ』 by ゑつ子エツコ 2003/3/26
よもすがら絶ゆることなき猫の声恋のいくさはかくも切実 : 万里子
幾たびも修羅場を踏んだ沈黙を読み取らんとして春の日は過ぐ : ゑつ子
暖かい部屋でアイスを食べながら 「戦争反対」批判は安易 : とまと
キー叩きて目指す目標陥落を目指し戦う恋の侵略 : zenkyu
日暮れ時杖にすがりて歩む母遠き眼差し老いは戦い : 下町古娘
苦戦だわ今日のお題難しい頭が休憩何も浮かばず : shell
命まで奪われかねぬ不況下の企業戦士の兵糧攻防 : 直哉
「ほらあれ」とまた名前が出ず減って行く脳細胞の必死の戦い :
満州に行ってみたいと父は言う癌転移せし身体になって :
Lesson 196  Theme:『サクラ○』 by sachi 2003/3/25
おおらかなwebの住人わたくしは「桜時計」を未だ使わず : 万里子
待ちわびるあの公園に求めるは はらはらと舞う桜街道 : zenkyu
ギヤマンの器に並び死してなお色香にほいて桜餅 : 下町古娘
春の風吹くに違はずフィクションに妬みもしたっけ桜中学 : 直哉
萩焼きの底にゆらめく八重の弁 妖気ただようまでの桜湯 : ゑつ子
南北朝「青葉茂れる桜井の」正成、正行父子の別れ : shell
事務的に桜並木を掃除する毛の抜け落ちた老婆の姿 : よさ
マジックのように人波消え果てて夕べ並木に桜蘂降る :
「桜坂」キミが歌いしこの歌が 今では私の十八番となりぬ : sachi
Lesson 195  Theme:『くさかんむり』 by shell 2003/3/24
ほんのりと苦くて甘い好物はあなたに似てるプリンかな : ★あゆ
ぷっくりと蕾ふくらむ草の花工場跡の土塊(つちくれ)の上 : 万里子
良薬は口に苦しと言うけれど 甘い薬ね あなたのキスは : とまと
芳香を運んでくる風南風沈丁花かとあたり見回す : zenkyu
春うららリアルタイムの戦争の画面の奥の苦悩の真実 : 下町古娘
芽吹きそむタラあと二日待つことの楽しみ得たり目を転ずれば : ゑつ子
信じてよあなたに夢中なんだから写真はCD-Rに保存したのよ : shell
誰がために白詰草の冠を編む空軍基地の横の公園 : 直哉
せめて花揺らめいて夜乱れ舞い掻き消す術は天ぞ知りたまふ : 鏡の精 せり
花韮や野辺に落ちたる昼の星 陽射しに揺れる薄紫に :
ただ蒼い空は頑固にただ蒼く死んだばかりのサカナの目にも : よさ
若鳥の巣立ちし洞を埋むべく茜の空より舞ひ下りよ鷲 :
Lesson 194  Theme:『オト』 by 美作ミマサカ直哉ナオヤ 2003/3/23
夢に名を母の声音のなつかしく黄泉路(よみじ)にあれど裡(うち)に息づく : ゑつ子
血潮逆流する音の聴こえるまでに疾走す 甲子園 春 : 万里子
聴こえても意味すら解らずただあやす母御はなんだミルクかと言う : zenkyu
パンパンと夏の夜中に仁王立ち父の眼は宙を睨んで : 直哉
ことのねのながれしなみまにただよいておもひはじきてかなたへとどけ : 鏡の精 せり
カリポリと鼻に皺寄せ食べる猫 長生きしてね、そっとつぶやく : とまと
何年か振りで見た君ドキドキよイメージ変わり素敵になって : shell
 冬銀河わが身を燃やす音すべて闇に吸わせて遠ざかり行く :
片思いひとつなくした冬の日に椿はぽとり赤いまま落つ :
Lesson 193  Theme:『時計トケイ』 by コミチ 2003/3/22
同じ時刻めるように見守れよ第二の人生門出の記念 : 直哉
わたくしもアラブの国のおみなごも同じ時計を身のうちに持つ : 万里子
掌(て)から発ち遠ざかるのを柔らかに送りひさびさ10時間寝る : ゑつ子
時告げる壁の時計は守り神庵を見守る第2の主 : zenkyu
それぞれの時計を持って集う居間 長針短針揃う瞬間 :
自動巻き私の手首に合わせたよ今日は一緒に出かけようね : shell
背伸びして柱時計のねじ巻いて兄さん今日のお手伝い終える :
地球に時が奏でる交響曲戦争と平和運命の曲 : 下町古娘
わがおもひとめどとまらぬときすざくけすにけせないくれなゐはこぶ : 鏡の精 せり
Lesson 192  Theme:『曜日ヨウビ・月』 by 万里子マリコ 2003/3/21
日々旅と思えば五月の街の色シルクのゆれに風の見えたリ : 下町古娘
咲き乱れ花舞い散るを眺めるは卯月の憩い肌に染み入る : zenkyu
土曜日は悪魔が住んでいる日だわ 逢うこともなく約束もない : 万里子
コーヒーシュガー溶けきれぬまま飲み終わる今日は休みの金曜なのに :
晴れ渡る弥生の空を透かし見ん 御目文字したや君ぞ白文字 :
日が登る雲になろうと朝露は僕を五月蝿く包んで空へ : 直哉
きさらぎからやよいへとはなさきてきみがてにまくみだれまいなり : 鏡の精 せり
はじまりを告げた金曜日の昼は「あ行」のどよめきピッチに満ちる : よさ
もうひとつHN考えた「葉月」にしようかと思ったけど : shell
八月のめくるめく日に祈れども凪ぐべくもなし荒ぶ心の :
Lesson 191  Theme:『ケン・チケット』 by ★あゆ 2003/3/20
あてのないもう一枚のチケットが電話の理由 それだけのこと : ゑつ子
良い旅の切符は自分で選ぶ物途中下車あり一生の旅 : 下町古娘
駆け足で駅に向かいてコインいれ駆け込む電車切符確認 : zenkyu
チケットの席番号を確かめる開演時間はもう近いのに : 万里子
「ヒマ人ね」冷たい視線あびながら宝塚のチケット買った : shell
君行きの片道切符買ったから 迎えに来てよ迷わぬように :
チケットの払い戻しをせかされた号外の日も変わらぬ夕日 : よさ
帰り際、黙って渡す高速券 「またおいでよ」の招待券ね : とまと
期限付き優待券をもてあます買うあてのないオーディオカタログ :
ひと駅分の切符にぎって飛び乗って降りたところが目的地の旅 :
寂しさを忘れるチケット胸にして小走り開演まであと5分 : 直哉
Lesson 190  Theme:『ハコ』 by shell 2003/3/19
箱ティッシュひとつカラにして(今度こそカロリーハーフな恋をするんだ) : よさ
入院中することないので空箱で引き出し整理 家でもこうなら : shell
帰宅してスイッチ入れて落ち着ける不思議な箱はいまや謎なし : zenkyu
箱庭の砂場の隅に井戸を掘るわが魂を埋(うず)めんが為 : 万里子
ささくれに効く軟膏は使いきり薬箱には消毒薬のみ : ゑつ子
ベランダに箱で作った子供の家狭いながらも夢の空間 : 下町古娘
封印し小箱沈める水の底 さり気なく待つ朽ち果てるまで :
箱の底残ったはずのひとかけらそれさえ見えぬパンドラの箱 : 直哉
千代紙を貼った空箱宝箱なくした日からわたしは乙女 :
擦り傷の消毒薬と絆創膏救急箱も少年時代 :
ライターを忘れてもらった店マッチ 誤解を招く箱根の宿名 : とまと
Lesson 189  Theme:『』 by shell 2003/3/18
筆をとり手紙書き出し筆を止め言葉巧みに自画自賛する : zenkyu
やった自摸(ツモ)やっときたきた待ちかねた目当ての牌が四暗刻よ : shell
自ずから水の香ふくむ氷塊を沈めし水を飲みほす夜更け : 万里子
自分なら自分を自分と認めつつ 自分の中の自分になれよ : ★あゆ
「自ら」を読み間違えて恥をかき ついたあだ名は「じら」と言うなり : とまと
賃金を手にし自活を表わせば夫の暴言ぴたりとやみぬ : ゑつ子
気が着けば自分の中に居る他人他人の中にゆだねる私 : 下町古娘
狙い撃ち君は狩人ぼく獲物 ハート打ち抜け自慢の弓で :
赤信号待つ群れの中反逆を起こした自分へ続く大衆 : 直哉
不自然な野生の王国見に行こう スケッチブックとクレヨン持って : よさ
自づから癒ゆる日を待つ山奥のけもののごとく抱きゐる恋 :
Lesson 188  Theme:『ぼけ』 by リュウ 2003/3/17
オレンジのドレスを纏い木瓜(ぼけ)揺れる 春を着飾る色は暖か :
お湯沸かし寝ぼけ眼で朝飯を食べながら見る昨日のニュース : zenkyu
関西人あなたと私漫才のボケとツッコミ迷コンビだね : shell
「あほっ・ぼけっ」と芸人仲間に言えるのは島田紳介だけかもしれず : 万里子
ボケてると言われつづけて数十年 開き直ればチャームポイント : ★あゆ
おとぼけも会得してきた婦人会2年の任期がようやく終わる : ゑつ子
紅さして風に吹かれし黒髪よ遠くの山にボケの花色 : 下町古娘
呆けるのが救いと思えることもあり病や孤独な老人にとって :
昼飯をよこせよこせと床へ就くフェイドアウトのリフレインのよう : 直哉
昼寝なぞしんほうがええ誰の名を口走ってまうか分からんで : よさ
Lesson 187  Theme:『チカラ』 by 美作ミマサカ直哉ナオヤ 2003/3/16
継続は続けることに意義があるなすべきことは想像力と : zenkyu
大地から力たくさんもらったよ 弾ける思い空に向かって :
どこまでも自分がかわいい国々の力関係どちらへ動くや :
彼の魅力?ぶっきらぼうで、やさしくて 長所も短所も全部好きなの : shell
阿か吽か好きな男を決めかねる南大門の金剛力士 : 万里子
「がんばれよ!」何て事ない一言で 無限の力与えてくれる : とまと
良かれとし力まかせに軌道変えのちのおもいは較ぶべくもなし : ゑつ子
自らを汚さず力を数値化し画像のバトルを嗜む子供 : 直哉
Lesson 186  Theme:『シロ』 by ゑつ子エツコ 2003/3/15
昨日みた夢の続きはもう見れず思い出せるは白い鳥だけ : zenkyu
白秋の科を誘いし人妻になりたきゆうべ春愁の中 : 万里子
しろこそでかえしてまちしぬばたのよるはふけなむ見しかとおもひて : 鏡の精 せり
白蓮が「百千の敵は嬉しき」の焔(ほむら)のかけらだにえ持たざる : ゑつ子
純白の機械はメタルの手足持ち食事の如く我の歯削る : 直哉
クリオネは光の海の白天使生きてくための淫獣の顔 : 下町古娘
スーパーでどれにしようかと約五分結局いつもの西京味噌を : shell
襟の糊硬く感じる月曜のロッカールームは卸したての白衣 :
白い朝 息継ぎすらももどかしい シーツの海で波に抱かれて : とまと
にぎやかに団欒過ごす窓越しに仰ぎ見る月白く光れり :
Lesson 185  Theme:『うめ』 by sachi 2003/3/14
大阪市梅が枝町は消えた町母が育った思い出の町 : 万里子
一人目を出産すれば「二人目は?」 一体何人産めばいいのよ : とまと
梅の花紅色ににほひたるその夜に絶ゆることなく咲きわたるべし : 鏡の精 せり
訪ね来てかろうじて待つ梅の花春の日陰に吾のみの花 : 下町古娘
梅いじり漬けて眺めて眠らせる誰が飲むのか下戸の楽しみ : ゑつ子
焼酎にひとつ落としたくずれ梅 箸でつついて身の上話 : 直哉
梅に似てだけどやっぱり梅じゃない 羊の国にこんな花咲く :
バスで行こう 小梅をカリリと口に入れカーブのたびに君に身を預け : よさ
ターミナル梅田が好きよ宝塚、神戸、京都につづいてる : shell
吾子たちよ許しておくれ まずかったかなかつお梅のサンドイッチは :
胸の中 この空白を 埋めるため キミとの時を 反芻す : sachi
青梅を琥珀に変じおほすまで刻ゆるやかに壷中に過ぎよ :
学び舎に埋めたカプセル今ごろは誰かが見つけ笑い転げる : zenkyu
Lesson 184  Theme:『卒業』 by 響 2003/3/13
この春の卒業生を最後とす 母校は過去の伝説となる :
卒業はしたつもりとは思えども未だに変えぬ我が性分は : zenkyu
才能に打ちのめされて憧れて尾崎豊の『卒業』を聴く : 万里子
番組を降ろされるのに「卒業」か・・。綺麗事だよ 芸能界は : とまと
卒業の閉まる扉に背を向けて何処までも続く新生の道 : 下町古娘
卒業式同級生へ群れる記者横目に僕は我が道を行く : 直哉
それからの道のりを知るはずもなく微笑んでおり卒業写真 : ゑつ子
運命のいたずらなのねあなたから卒業しようと思ってたのに : shell
あなたから卒業する日来るのかな 春の陽射しに陽炎(かげろう)揺れて :
舞いの師は芸には欲をかけと言う卒業なき道果てしなきああ :
たくさんの卒業式を見守った校舎にひびくハンマーの音 : よさ
母親の役目卒業した夜を言葉少なき夫と向きあう :
Lesson 183  Theme:『たけかんむり』 by shell 2003/3/12
考えすぎ心配ないよ笑っちゃう彼が私を好きなはずない : shell
季節まで簡素になるは都会かな着飾る言葉簪一つ : zenkyu
海近き河川敷まで季の兆し土筆を探しに行く晴れた朝 : 万里子
修善寺の竹林に聞く横笛の音の間近に心ざわめく : 下町古娘
よちよちと仔猫のかくれた土管から連れて帰ってはや5年すぎ : ゑつ子
e-mail確かに速く便利でも たまには欲しい便箋の手紙 : とまと
墨の香のほのかに立ちて朝の部屋同じ姿で父は筆持つ :
筑前煮味が決まらず 子機握り義母に助けを求める日曜 : よさ
囚われて手枷足枷籠の鳥 されど羽ばたく翼は胸に :
アスファルト破ってパイロン年度末道路工事は雨後の筍 : 直哉
Lesson 182  Theme:『ムスブ』 by コミチ 2003/3/11
七文字の結句が浮かばず悩む日は植物図鑑をパラパラめくる : 万里子
心には言いたいことがあふれてる結局いつも何も言えなくて : shell
溜め込んだ新聞かたし結い上げる今日は資源日そそくさ出そう : zenkyu
結論を出さずに時をもてあそぶこれが賢いやり方と知る : ゑつ子
人ごとに折りかざしつつ詠む歌も我が標結ひし枝にあらめや : 鏡の精 せり
元結をキリリと締めて花簪17島田の襟足白く : 下町古娘
国むすぶ厳しきドラマをくり返す豆満江を訪れてみたし :
先生のむすんでひらいて目を剥いて合わせる老いの命の花よ : 直哉
店員は結城つむぎの反物を売りたいらしい 私そんな年? : よさ
常の日の顔して結婚記念日となるべき日が来る夜が明ければ来る :
「結婚はしたくないの」と言いながら ホントはもっとそばにいたくて : とまと
Lesson 181  Theme:『モノ』 by zenkyu 2003/3/10
お財布はいつも底なし使いすぎこころを砕く夢の切望 : zenkyu
リュックにはデジタルカメラと地図がある 見慣れた街で私は旅人 : 万里子
わたくしを君は縁(よすが)としたとして強く引くなよ溺れてしまう : ゑつ子
持ち物で一番硬い物なあに?何時まで経っても変わらぬ脳味噌 : 下町古娘
小さくてもネットもメールもできるのよPDAをバッグにお出かけしよう : shell
さむきかぜはるとおからじといえどもふゆののこりがコートはなせず : 鏡の精 せり
とりあえず耳栓代わりのCDで掻き消してみる僕の溜息 : 直哉
バッグには、いつも必ず忍ばせる あなたの好きなタバコをひとつ。 : とまと
持ち物を次から次へと放り出し軽くなりたいこの身と心 :
贈られた指輪をそっと嵌めてみる ガラスの心音立てる夜 :
銀色の指輪をしてるほうの手が君に小さくバイバイってする : よさ
ドライブにいつもお供のタオルにはラビットくんのまんまるおめめ :
Lesson 180  Theme:『オオきさ』 by ★あゆ 2003/3/9
大きくて厚い胸板太い首 逞しい腕 私のゆりかご : とまと
山行けばもみじの枝に赤々と小さき新芽そっとなでやる :
真実は見えぬものだと天道の使いの虫には真昼の星座 : 直哉
虫めがね持ち出しアリの行列を見てるガリバー気分の5歳児 : よさ
なにもそう張ることないよ虚勢など とおの昔にばれているのに : ゑつ子
童話なんて終わりにしてさ これからは大河小説二人で作ろっ : shell
世界より蜘蛛の巣の波打ち寄せて等身大の僕は寝不足 : 万里子
八本の足踏ん張って花びらに止まっている虫およそ三mm :
星星の流れる銀河測るため釈迦の手のひら現地調査す : zenkyu
Lesson 179  Theme:『東西トウザイ南北ナンボク』 by 万里子マリコ 2003/3/8
東風黄砂を運んで西に行き北極の星南都にふると : zenkyu
飛行機に初めて乗って行った先日本語通じた東南アジア : shell
真夏日の動物園の白熊は氷柱を抱き北極を恋う : 万里子
心なき雨にもあるか小袖濡れあかねの西空そこしうらめし : 鏡の精 せり
八重山の 南風(ぱいかじ)感じ 今日も行く 胸に太陽 目には青空 : sachi
雪溶けてまた降り積もりまた溶けていつ来るのやら北国の春 : ★あゆ
縁日の太鼓を聞くと思い出す 西瓜の味の短いキスを : とまと
風に乗る関西訛りにホッとして見れば一団電車に向かう : ゑつ子
雨過ぎて東の太陽見上げれば光のシャワーのまぶしき洗礼 :
故郷に帰りたき日のバスターミナル北行きチケット我が手にはなし :
青春を埋め来し街東京の木立古りたる山王界隈 :
ネガティブな夕日が沈む西の空 点滴うける祖母はためいき : よさ
閉鎖までカウントダウン本当の偽りの夜空東池袋 : 直哉
Lesson 178  Theme:『透明トウメイ』 by 下町シタマチフルムスメ 2003/3/7
この家に来るといつでも歌いたいピンクレディの『透明人間』 : 万里子
ちょっとだけ透明人間なってみたい あなたのそばにそっといたいの : shell
まんまるい金魚模様の風鈴に地団駄ふんで遺伝子騒ぐ : ゑつ子
通勤の道で出会うは急ぎ足歩く少女は清んだ瞳を : zenkyu
気がつかずCDケースを踏み潰し(私のじゃなくて良かったかも・・・) : よさ
春めきて背中がちょっとムヅガユイ透明な羽根飛んでみなよと : 下町古娘
透明なこころ装う若者の赤きセーター叫びだしそうな :
夏祭り小さな僕の欲しいものラムネのビーダマ天空の花 : 直哉
カーテンの隙間に揺れる陽を受けて みとれていたい寝入る横顔  : とまと
ふるへつつ真夏の闇へ広げゆくつかの間せみの羽透きとほる :
沢水の底に沈めり落葉は山椒魚の棲み処でありぬ :
Lesson 177  Theme:『気象・天候』 by 美作ミマサカ直哉ナオヤ 2003/3/6
春疾風白き三日月黄に染めてミモザの花の揺れいし生家 : 万里子
花吹雪苛み忘れ雨を行く身体を濡らすは雨に非ず : zenkyu
春雨や菜の花摘みて帰り道水面にふえる水玉模様 : 下町古娘
ワイパーにはじかれてゆく雨粒の 合間でにじむ街はうすべに : とまと
霜燻べこんもり茂る畝の間に人影のあり八女(やめ)の夕暮れ : ゑつ子
寒戻り泣き出しそうな空の下靴のない子は桜見上げて : 直哉
儚さを水に映して陽炎(かげろう)の ゆらめくごとき春は爛漫 :
虫たちにやさしい雨をお願いねおいそこの空聞いているのか : マイ
小雨降る二人で歩いた公園があなたの最後の桜だったね : shell
顔洗う猫の真似してあしたこそ当たるはずさと気象予報士 : よさ
黄砂降るシルクロードのまぼろしの王女のかんばせけぶらして降る :
Lesson 176  Theme:『ときめき』 by とまと 2003/3/5
何気ないあなたのしぐさに心臓が トクンとひとつ大きく揺れる : とまと
身体老い錆び付くこころ油さしときめき求め詩を詠まんか : zenkyu
春風の愛撫に心嬉しくて花の子供はときめき運ぶ : 下町古娘
「ときめきのアジアの休日」華やかなパンフレットに疲労見抜かれ : よさ
コーヒーは君を待つ間の飾り物マクドナルドの土曜日の朝 : 万里子
春雪にかじかむ九重をシャクナゲの話などしつ足跡を踏む : ゑつ子
ときめきはいつからなのか聞きたいな答えてくれる人じゃないけど : shell
赤くって微炭酸でラムベースロングにしてね 行きつけのバー : 直哉
突然のあなたのメールうれしくて 隠せなかったときめく心 :
その日まで残る七日を指折りて短し長しと居立ちてをりぬ :
TVから流れる声に耳だけを 彼には言えぬこのときめきよ : ★あゆ
Lesson 175  Theme:『シロハナ』 by 万里子マリコ 2003/3/4
セピア色カサブランカの思い出は瞳輝く大輪の花 : 下町古娘
夕闇に泰山木の花白し街灯のごとく二人を照らす : 万里子
紫という白き花あり根は薬 紫色で染料になり : shell
八重咲きのシュウメイギクならこっそりとやってみたいな「スキ・キライ・スキ」 : よさ
地の精を噴き上げて咲く雪柳 ジャングルジムの額縁の中 : 直哉
世間などとおに気にせず仙人草 こんな髭でも生やしてみるか :
たまゆらの白輝かす月下美人闇深ければ香ぞいや高き :
山百合を見つけに入る裏山に木々を渡るはモモンガと見る : zenkyu
ウェディングブーケに持った白いカラー もう記念日にもらえないのね : とまと
泣き顔を堪えて空を見上げれば弥生の風にこぶしは白く :
Lesson 174  Theme:『さけ』 by ゑつ子エツコ 2003/3/3
こたつから出す甘酒と紙風船・富山の薬・行李のにおい : ゑつ子
遡上する鮭の魚影のうごめきを飽かず眺めた冬の宮古よ :
「酒類は飲んでもいいよ」と主治医言う「じゃあ一緒に」とは口が裂けても : shell
ほどほどの酒がいいのと言いながら飲まれてみたい春の宵には : 下町古娘
咲く花の青きシートにはそれぞれに見上げて花見ず祝い酒飲む : zenkyu
叫びたい大海原の彼方には幸いあると誰も言わぬが : 直哉
岩塩で竜舌蘭の酒飲みしあの夏の日の汗がいとしい : 万里子
お互いに知らぬことない仲だけど口が裂けても言えぬこともあり : よさ
マイペース掻き乱されて梯子酒 顔をつないで心は冷めて :
蘭咲けば狭き家ぬち香の満ちて春引き寄するよすがとなりぬ :
酔ったから。そんな言い訳したけれど、ホントは酔った事にしたくて : とまと
春の夜に誰れか浮かべし酒坏に(さかづきに)梅を招きつつ楽しき飲まめ : 鏡の精 せり
Lesson 173  Theme:『ひとりじめ』 by よさ 2003/3/2
夕焼けの空を見ながら露天風呂ひとりじめしてやっとひといき : よさ
流星の群ひとりじめ青臭き大地に1人手足広げて : 下町古娘
歌うたい思いの丈をひとりじめ 伝える術も磨かず吼える :
この部屋も独り占めしてうれしいわ だけどなんだか少し広いね : 万里子
乳を飲む我が子が噛むと痛むけど 感触ママの独り占め : ★あゆ
背も胸も腕も瞳も独り占め だけどできない心の占拠 : とまと
ひとりじめしたい夜あり星空にあなたをさがし過ごせるならば : 鏡の精 せり
犬猫は吾を独り占めしたいらし人であるならいかに嬉しき : ゑつ子
ひとりじめできないんだね土曜日の動物園で先生見たよ : 直哉
わかってるせめて今だけひとりじめ あなたの立場も変わったことだし : shell
雨の午後アスファルトける夜道にはアスティアいない独り占め道 : zenkyu
水槽を独り占めせしエンゼルフィッシュ梅散る春に死して浮く朝 :
ひとりじめできない恋なら捨てちゃおう拾ってみせるわまだいくつでも :
Lesson 172  Theme:『アカ』 by sachi 2003/3/1
流れては紅くたなびく星となるほうき星の子空に花咲く : zenkyu
時期はずれ?ハナをかみ過ぎこすり過ぎ真っ赤な鼻のトナカイみたい : ★あゆ
その昔 赤と呼ばれた叔父のいて仲間はずれがいま名士とか : ゑつ子
紅の印を迎えて泣き濡れる 女に生まれて来たと言うのに : とまと
いのち火をただ赤々と燃やす君願い抱きしめ術なく和顔施(えがお) : 鏡の精 せり
梅雨明けのベランダに実るプチトマトあゝ太陽はこんなに赤い : 万里子
しんしんと音する気配目覚めたり街燈の下赤い雪降る : 下町古娘
ばれる嘘「泣いてなんかいないよ」と口を結んで真っ赤な目をして : shell
黄金の夢惑わせる大陸に 花は一輪真紅に燃えて :
赤潮の海を見ながら退屈なドライブだってセリフしまいこむ : よさ
地獄絵の如く夕陽は海を染む 蛇苺咥へ腰を下さば : 直哉
山頂に寄り添いて立つ君とわが総身赤々染めて日は入る :
継続は力というが書けぬ日の叱咤激励赤いアイコン :
渋谷にて 人込みの中 振返る 君のと同じ 赤いスタジャン : sachi