短歌ドリル公式記録簿 2004年2月号
 毎日のお題から即日UP!短歌のWeb練習会、公式記録です。
 Liveは万里子さんのHP<短歌ドリルBBS>で!
【ご連絡】短歌ドリルの年末年始休暇 : 12/27〜1/4     
Lesson 460  Theme:『朝日』 by zenkyu 2004/2/27
舞台裏昨日の夕日脱ぎ捨てて新たな光まといて舞台へ登場 : 佳肴
ひさかたの朝日新聞勧誘員ドア蹴飛ばして帰りゆきたり : むつき
朝の色を纏う心地でカーテンをジャッと開けたら今日は快晴 : ゆーきあやか
どれにする販売機前思案して 朝日?産経? 読売にしよう : shell
春近し朝の光を浴びている飼い猫の背に白髪一本 : 万里子
ブラウスを開き朝日を招き入る太古我らは女神であった : おやなぎ
気がつけば陽は昇りおりコンビニのおにぎり寝間着をむしり取られて : 美作直哉
紅き陽にパンをかじりて飲み干すは乳粥にしたき白の血潮か : zenkyu
西空に残りの月を溶け込ませ早春の日はぷちぷち昇る :
Lesson 459  Theme:『かなしみ』 by 佳肴 2004/2/26
哀しみのピエロは虹の衣装着てか細い綱を渡り始める : 佳肴
口先で「病は気から」そんなこと知らないくせに気軽に言うな : shell
全身を震わせ喉も詰まらせて母を求めて幼子は泣く : 万里子
きみ去りてわが身の鬱のふかぶかとベッドにしづむ肉(しし)の重たさ : むつき
出来過ぎた作り話と判っても掛け蕎麦一杯ホームで啜る : 美作直哉
長姉ゆゑ甘ゆる技をつひに得ず春の疾風にただ立ち尽くす :
ほほえみをたたえたままでうつむいて涙の落ちる先を睨んだ : ゆーきあやか
肉恋しただこのために生まれりと啜り泣きつつ我が身さぐりぬ : おやなぎ
悲しみは手には入らぬ星明り「あれは希望」と君呟けり : 橘真知子
愛しさは哀しみつれて待ちぼうけ悲しみ誘うは無縁のもの : zenkyu
Lesson 458  Theme:『老』 by 美作直哉 2004/2/25
思い出の話は尽きず昼食のメニュー決まらぬ白髪のカップル : 美作直哉
いることは覚えられずそれなのにどうでもいいこと忘れていない : shell
みづ満ちる赤子の頬に風ふきて砂に還らむ日まで<われ>かも : むつき
ドアのキーまわす指先母に似て劣化コピーの如き我なる : 万里子
客観といふ非情のもの幾たびも孫抱く写真見直してをり :
日溜まりを背負いて座り母の云うあの老猫は去年(こぞ)に逝けりと : おやなぎ
老いせまり額の汗を喜びて拭うタオルに思いをのせる : zenkyu
Lesson 457  Theme:『闇』 by むつき 2004/2/24
いへびとの寝息しづけし洗ひ場のたらひの底に闇しづむまで : むつき
闇に生き闇に住まうは定めとか蝙蝠の声はまじかに聞ゆ : zenkyu
旅先の漆黒の闇に驚きぬ21世紀の日本人我は : 万里子
ほの青き光は闇に輝きぬ真昼の夢を壊さぬように : ゆーきあやか
心の闇君と気軽に話す人憎く思ってそんな自分が嫌 : shell
闇の中白き力を解き放ちポテトの卵は夏を迎えに : 美作直哉
手探れど夢のかけらに触れもせず闇深かりし二十歳のわれの :
砂嵐ちらちら闇はたじたじと戦きおりぬうたた寝の後 : おやなぎ
Lesson 456  Theme:『野菜(山菜なども含)』 by 万里子 2004/2/23
山蕗のほろ苦き香の部屋に満つ春の愁いは郷愁に似る : 万里子
浅葱のうかぶウドンに恋してもお蕎麦が美味い春はまほろば : zenkyu
まなかひは白く霞みて春菊のみどりぞ香る夜半の牡蠣鍋 : むつき
テレビみて焼いたじゃがいも美味しそうバターをのせてああ食べたいな  : shell
ブロッコリー・ラディッシュ・キャベツのスプラウト モー娘。のごとくサラダ弾けて : 美作直哉
悩みては心崩るるぐじぐじと痩大根を卸すがごとく : おやなぎ
親元のありがたみなど味わいつカゴメのお世話になっております : ゆーきあやか
Lesson 455  Theme:『競争』 by 径 2004/2/21
スタートは銃の音にて戦争のごとく始まる徒競走かな : むつき
リタイヤで初めてわかる本当に欲したものはなんだったのか : ゆーきあやか
山手線隣に快速追いつけど鼻で笑って次は原宿 : 美作直哉
あなたなら私が遅れてしまっても励ましながら待っててくれそう : shell
兄貴から順に逝けよと二番目の叔父は嘆きぬ我が叔母の通夜 : おやなぎ
氷上に着地の後に腕広げ勝負師の顔で艶然と笑む : 万里子
信じ得ぬ値となりゆくオークション「ひまわり」はただ遠き空見る :
食べ始めまるで息堰きってゆく子供たちには時間ないもの : zenkyu
Lesson 454  Theme:『食べ物』 by 美作直哉 2004/2/20
飽食の身に付く脂肪搾り取り飢えと寒さを温し明かりに : 佳肴
パンのみに生きるにあらず葡萄酒をあおる我が身に干物はやさし : zenkyu
愚痴つづく夜のうたげに冷めきってあぶら滲めるフライドポテト : むつき
かりかりと焼きし鯨のベーコンの赤き縁取りあの時代の色 :
スーパーの前の屋台で買ってみる鯛焼きを焼く匂いにひかれて : 万里子
五分粥と刻んだおかずで満腹にあの食欲はどこへいったの? : shell
ウイルスの飛び交うネットで高値付く怪しい薬とレトルト牛丼 : 美作直哉
Lesson 453  Theme:『春の風景』 by zenkyu 2004/2/19
松の庭紅白梅の競いけり静から動へ季節の流れ : 佳肴
その瞳クリクリしてて思わずもなでてしまうは子犬のラッシュ : zenkyu
苦役はや健やかに来むランドセル背(せな)ぬらぬらと売場にならび : むつき
庭先の蕾はじけて沈丁花春待つ香りただよひはじむ : 橘真知子
花曇りの前兆の如き淡き白空を覆える今日は如月 : 万里子
黒々と鋤返されし畝間より朝影至れば立つ水煙 :
ピカピカの我が物顔のランドセル嘴の如きマスクの叱咤 : 美作直哉
Lesson 452  Theme:『擬声語・擬態語』 by 美作直哉 2004/2/18
ゆらゆらとゆれる単線つり革につかまってみてもゆらゆらゆらら : 美作直哉
ひたひたと期待の血潮満ちるときワールドカップの予選始まる : 万里子
ざりざりと事故の現場を踏み越えてバックミラーで事故処理ながむ : 佳肴
しづしづと死者はペダルを漕ぎゐつつあらむ夕べの放置自転車 : むつき
ざあざあとふって欲しいと願うもの星屑ばかり 思い出は雪 : zenkyu
溢れんとする瀬戸際にとどまりて涙ふるふる胸に揺れゐる :
Lesson 451  Theme:『流』 by 美作直哉 2004/2/17
流体のやうに眠らな 暗がりの肌のぬくみにありと知りつつ : むつき
裏町のネオンが流れ暗闇に瘡蓋の様に覆い隠して : 佳肴
川の水の行方を知らずエコロジーなる語も知らざり雛流し : 万里子
極北の雪原離れ流氷のうち重なりて鳴くオホーツク :
流るるは星の定めと知りつつも流れる先に夢をいだくか! : zenkyu
耳塞ぎ鼓膜に流るる血の音を聞く 罵詈雑言の居酒屋の中 : 美作直哉
Lesson 450  Theme:『紫』 by むつき 2004/2/16
あかねさす紫の舌ひるがへる ありし二人の恋を汚して : むつき
紫陽花の根元に伸びる若き芽の数多くして初夏待ち遠し : 万里子
紫に染まる外壁摩天楼黄色くけぶる都会は砂塵 : zenkyu
紫と黄色のYに休日を絡み取られて黄昏サザエ : 美作直哉
在りし日の祖父大喝すごとくなり 春一番に紫煙千切らる : おやなぎ
天頂に茜及ばずぬばたまの闇来るまでの淡き紫 :
Lesson 449  Theme:『曜日』 by 万里子 2004/2/13
ベランダにサッカーボール飛び込んでチャイムで起きる土曜日の朝 : 万里子
家族らの数の菓子買ふ男らの群れ 金曜の顎鬚父(beard papa)に : むつき
決戦はこの日とばかり買い物に金曜日にはレジは戦場 : zenkyu
今週の仕事に嘔吐く歯磨きの日曜の夜月曜の朝 : 美作直哉
日曜の夜の嬉しも明日はまたあなたの背を見て胸ときめかす :
Lesson 448  Theme:『立てる・立つ』『建てる・建つ』 by 径 2004/2/12
をさなごの積み木に建つる城のごと平手打ちにて崩されし恋 : むつき
涼やかな緑の杜に守られて護国神社に忠魂碑建つ : 万里子
亡国は歴史に埋もれて幾年も資料だけが立国の証し : zenkyu
再建の成りし御堂の反り屋根に鳴き交はしつつ遊ぶ雀ら :
角の立つ評論家までも手のひらで捻り潰せるTVのリモコン : 美作直哉
Lesson 447  Theme:『昆虫』 by 美作直哉 2004/2/10
運ぶには大きさ重さ違いすぎ100倍あいてに列は続く : zenkyu
殺意とは匂ひたつ風 ぴこぴこと触角を振りゴキブリ走る : むつき
古寺に千年伝ふる玉虫の心長さよ羽色変へざる :
自らの針を抜かんと身を捩る蜜蜂の腹引き裂かれて夏 : 美作直哉
生け垣の夕暮れ時の糸トンボ思い出の中に細く浮かべり : 万里子
Lesson 446  Theme:『焼く etc.』 by zenkyu 2004/2/9
温度しるタイミング覚えのぞみでるころもをかぶせた海老は踊る : zenkyu
カウンター越しに焼き飯宙を舞う巨人の一発そ知らぬ顔で : 美作直哉
鉄鍋にあぶら泡立つ 喝采の湧くテレヴィに国旗振られて : むつき
焼きたての餃子を抱えて乗り込めば満員電車の居心地悪し : 万里子
Lesson 445  Theme:『コンビニ』 by むつき 2004/2/7
変心を嘆く夜更けのコンビニにぬめぬめ光るエヴィアンの瓶 : むつき
いつまでも絶えぬお客とレジ打ちに寝不足なのか声に張りなし : zenkyu
深夜二時白き息はきコンビニへ独り言にも飽きし夜なれば : 橘真知子
コンビニでしばし漫画を掻い摘み母の迎えを待つNバッグ : 美作直哉
昼休み4軒並んだコンビニにビジネスバッグは迷わず入る : 万里子
思い立ち飛び出してゆくドライブのまず調達すドリンクとガム :
Lesson 444  Theme:『月偏』 by 佳肴 2004/2/6
遠吠えは小さな叫び咆哮を月に向けるか朧な空に : zenkyu
老境の腹の底から笑う事沢山持てる日のための今 : 佳肴
鶏肋のやうな女と明かす夜をひそとかたぶく暗き月影 : むつき
膨張を続ける宇宙の片隅の机上に理論組み立てる人 :
満腹のアゲハの幼虫立ち上がり蝶になろうと反抗期U : 美作直哉
もう少し語学に励めば良かったと少し悔いてる電脳空間 : 万里子
Lesson 443  Theme:『糸偏』 by 美作直哉 2004/2/5
砂浜に吾の残した足跡は波が消し去り続かぬままに : 佳肴
血の滲む指に縺れを解かんとす汝が赤縄のGordian knot : むつき
終わりなき命ありとぞ 小春日の風の行方を仰ぎ見て知る : おやなぎ
草原の国の人なる横綱は異国の土俵で「君が代」歌う : 万里子
歳月を経て気付くこと多ければ今を思ふため心配らむ : 橘真知子
どこまでも続く線路の果てを見る 桜木町の駅は閉ざされ : 美作直哉
日輪を求め流離う草花は雨の降る道線路にポツリ : zenkyu
Lesson 442  Theme:『変り目』 by 径 2004/2/4
目くるめくその形にはまるで月満ち欠けするは子猫の瞳 : zenkyu
春の夜に別れはきざす まぐはひの唇に匂へる紅の香の差異 : むつき
汗だくのシャツを脱ぐよに今日までの厄介な僕と闘っている : おやなぎ
点滅す歩行者信号足元の横断歩道に蟻が彷徨う : 美作直哉
夢の被膜うすく剥がしてうつつへの境まさぐる春の夜の果て :
雨に濡れ紅色に光る枝先の梅の蕾もゆるむ立春  : 万里子
Lesson 441  Theme:『春の花・植物』 by 万里子 2004/2/3
裸木の並木を通り抜ける時去年の桜の季の我に遭う : 万里子
枯れ枝の下に花咲く蒲公英のかすかに笑まひ去りし君はも : むつき
紅白に咲きそろう花つぶらなる鶯は思う春の虫を : zenkyu
宵闇ににほひ際立つ白梅は星の咲きこぼるるごとくあり : 橘真知子
諦めぬ諦めぬとて大犬の陰嚢(ふぐり)踏み付け歩む我あり : おやなぎ
陽の光花弁となりし菜の花の一面の丘 缶ビール煽る : 美作直哉
Lesson 440  Theme:『きらめき』 by 美作直哉 2004/2/2
昼ひなか塵のきらめき ベランダに恋人の掌はガラスを磨く : むつき
通学路姉妹で歩くその後をパパは送るきらめきはまなこ : zenkyu
路地裏にぽつんとひとつ飲み屋あり提灯が言う「こっちにおいで」 : よさ
空色に染まるシュプール振り仰ぐ男の肌はきらめいており : おやなぎ
透きとほる音階の粒漂へり『アメージング・グレイス』流れる部屋は : 万里子
波はわが舟押し上げて春浅き日の斑遊べる入江を渡る :
金髪の笑顔のアバター添付してメールは一言「結婚します」 : 美作直哉