短歌ドリル公式記録簿 2004年7月号
 毎日のお題から即日UP!短歌のWeb練習会、公式記録です。
 Liveは万里子さんのHP<短歌ドリルBBS>で!
【ご連絡】短歌ドリルの年末年始休暇 : 12/27〜1/4     
Lesson 567  Theme:『末』 by 橘真知子 2004/7/30
年末に願いをこめた年なのに過ぎた時間は徒労の日々 : zenkyu
末っ子をバツと言ひをる山形弁初めて聴きしときの驚き : 橘真知子
 終焉は知れず 書棚にマルクスと末法思想ならべ置きたり : むつき
「末承諾」フィルターくぐり抜け届く迷惑メールのセコイやり方 : shell
巻末の真犯人を読んでから一冊を読む強制捜査 : 美作直哉
Lesson 566  Theme:『弓の入った漢字』 by shell 2004/7/29
上弦の月を仰いで橋の上終電の去る音に聴き入る : 橘真知子
弧を描き空の青さを切り裂ける飛行機雲のゆるびゆくさま  : 万里子
鰯雲見あげる時期は夏風を背中に受けて釣果気にする : zenkyu
強がりを言ってしまった君の前 自分で思う素直じゃないな : shell
沈黙の後に弾ける蝉時雨死に逝く孤独を負ひて歌わん : ドラゴンナイト
テレヴィに明石家さんまのひき笑ひ 弓ひくほどの覚悟はあらず : むつき
上弦の月の面積求めんと教師のロマンに付き合う五限目 : 美作直哉
Lesson 565  Theme:『ナイフ』 by むつき 2004/7/28
少年は声を荒げてナイフを出す もう羽撃かぬ蝶のかたちの : むつき
負け惜しみ箸を使うの下手だけどナイフとフォークは上手く使える : shell
こころには錆びたナイフを忍ばせて老いてゆく身体過ぎる時間 : zenkyu
説教は続くナイフも切れ味が良ければ元に戻れるものを : 美作直哉
ナイフならジェームス・コバーン早撃ちの男どもより心は踊る : 橘真知子
行き場なき我が心(み)を映す心象のナイフに閉じこむ自分の存在 : ドラゴンナイト
: 万里子
Lesson 564  Theme:『声』 by 美作直哉 2004/7/27
様々な夏に染まりし声援の高校球児と燃え尽きてゆく : ドラゴンナイト
罵声とも嬌声かとも聞えるは応援の声ゴールはないが : zenkyu
今人気眼光鋭く温和な声大河ドラマの山南敬助 : shell
レジに並び小銭のあると言ふときの呟きのままただいまと言ふ : 橘真知子
ああ声は風のかけはし若草の匂う丘から掌を振るきみの : むつき
覚えある声に返れど我一人佇む誰かの流れ滔々 : 美作直哉
Lesson 563  Theme:『丸いもの』 by zenkyu 2004/7/26
二年ぶり君の写真が増えたからCD-Rに追加したのよ : shell
ころころと転がるように遊んでる肉球柔く顔はまあるい : zenkyu
五分刈りはサッカーボールのおにぎりを頬張り仰ぐ打ち上げ花火 : 美作直哉
リクガメのこんもりまろき背中には見えぬ絆の結ばれてゐる : 橘真知子
復興に軍隊を出す 針山にまろき頭をもつ待ち針光る : むつき
早朝のひかりを浴びて公園でボール蹴り上げ夏は始まる : 万里子
Lesson 562  Theme:『地名』 by 万里子 2004/7/23
信濃川流れる水に浮く泡は雨とともに命を運んで : zenkyu
テーマパーク大阪らしいネーミング道頓堀極楽商店街 : shell
官民の荒んだ風に凜として「浦和レッズ」のシュプレヒコール : 美作直哉
レイトショー渋谷の片隅列なして今宵のゲストをひたすらに待つ : 橘真知子
ならふべき志などもたざれば朝ごと俯きて習志野を過ぐ : むつき
重慶の夜空揺るがすブーイング日出ずる国の若者強し : 万里子
Lesson 561  Theme:『ナッツ』 by shell 2004/7/22
夏服に歌う<なっち>の細腕を舞台に光るナッツとぞ見る  : むつき
コーヒーにチョコレートふたつ付いてくる今日はトリュフとペカンナッツの : 橘真知子
犬連れて弁当持って公園へピーナッツバターでいんげん和えて : shell
胡桃割りあたり鉢にてひいてみるそうめんの味定まらぬ夏 : zenkyu
新人の理論武装をかち割ればまだまだ青きピスタチオの夜 : 美作直哉
ピーナッツバターをはさむコッペパン給食の味とかすかに違う : 万里子
Lesson 560  Theme:『忘』 by 橘真知子 2004/7/21
思ひでも家族も捨てて忘却の河渡る人の哀しき自由 : 橘真知子
健忘は老化現象?憂えたら暑さのせいと君の慰め : shell
忘却を逃避にかえて生きてても神は許すが私には無理 : zenkyu
自らの齢忘れて幾年か 加藤ローサの笑顔にもまた : 美作直哉
暗がりの器に飯(いひ)を噛む音す 帰れるわれを犬は見上げず : むつき
青き花打ち捨てられし如く咲く都忘れも忘れな草も : 万里子
Lesson 559  Theme:『眼鏡』 by むつき 2004/7/20
二の腕に女は眠る 朝明けの光のなかに溺るる眼鏡 : むつき
君の良さしばらく接してわかったの眼鏡の奥の優しい瞳 : shell
究極のやさしさを皆見出せり眼鏡の奥のミニョンの瞳に : 橘真知子
レンズ拭き目を凝らせては筆を置く絵描きの卵何故か初老に : zenkyu
お決まりの自慢話に相槌は微塵も持てず 眼鏡を磨く : 美作直哉
暴投を責むるが如く光りをりキャッチャーマスクの奥の眼鏡は : 万里子
Lesson 558  Theme:『未来』 by 美作直哉 2004/7/16
争ひのなき世界へと連れゆけよ君の瞳に未来かがやく : 橘真知子
この星が生物あふれ緑濃く輪廻の中に人類はなく : zenkyu
密やかに君が描いた未来図に私の居場所ホントにあるの? : shell
君のゐる未来になほも溺るれば積乱雲下に翳る野あざみ : むつき
避けられぬ火曜の仕事を思い出す日曜の朝にいつものコーヒー : 美作直哉
あの頃の未来が今かときまじめな卒業アルバムぱらぱらめくる : 万里子
Lesson 557  Theme:『迎え火・送り火』 by zenkyu 2004/7/15
河を行く灯火おくり空仰ぎ故人思えば頬に雫が : zenkyu
五年間毎年初盆今年まだ訃報届かずホッとしている : shell
 故郷に下がる提灯 連綿とわれまで続く過ちを呼ぶ : むつき
信長も三成も空から眺む京の町並み五山の送り火 : 万里子
Lesson 556  Theme:『夏の風物詩』 by 万里子 2004/7/14
真っ青なシロップに立つかき氷目指して走れば真夏の少年 : 美作直哉
猛暑にてフラッペ食べに喫茶店強冷房でホットミルクティ : shell
幼子は指でさしつつ母に告ぐ入道雲の育ちゆくさま : 万里子
川べりに花火囲みて集ふ子ら別れ惜しみて手を繋ぎをり : 橘真知子
燭台の火影さゆらぐ夏の夜の稲川淳二を見てはゐられぬ : むつき
そよ風は海風運び焼けた肌優しく伝う海辺の宝 : zenkyu
Lesson 555  Theme:『前向きな歌』 by shell 2004/7/13
ぬかるみに足を入れても膝あげて靴拭えばまた歩けるはず : zenkyu
一年を泣いて過ごすも笑うのも同じ人生陽気に行こう : shell
人・車行き交ふさまを眺めをりカフェの椅子にて鋭気養ふ : 万里子
命まで取らぬと僕の年収の5倍の投資にGOサイン出る : 美作直哉
日々高く生い茂りゆく雑草の暑さに負けぬ緑の焔 : 橘真知子
Lesson 554  Theme:『報道』 by 美作直哉 2004/7/12
個人的意見ばかりのニュースより真実のみを放送してね : shell
何故かまう痛みわからぬわけじゃなし 傷つくこころ 飛び交う言葉 : zenkyu
どの局もどの選挙区もサーフェイス 演出ばかりの速報を消す : 美作直哉
投票に勇みて行ける父の背を見送りてのちを犬はあくびす : むつき
Lesson 553  Theme:『塵、埃、ゴミ』 by むつき 2004/7/9
砂塵舞う黄金の大地踏みしめて夜空見上げ星屑を探す : zenkyu
こないだまであんたはうちを塵ほども想っとらんとそんな気しとった : shell
わが部屋の電話に塵は積もりたり 君との間(あひ)の雪にあらずや : むつき
鶏は去りしこの世をわが世とぞ思ふ鴉の咆哮の朝 : 美作直哉
Lesson 552  Theme:『黒』 by 橘真知子 2004/7/8
納涼の露店にならぶ兜虫ライトの下のぬばたまの黒 : 橘真知子
潤んでる瞳かわいい子猫たち今は大きくまた子猫をと : zenkyu
愛用は豆乳ローション、黒豆茶、豆腐石鹸、プラダのバッグ : shell
ゴスロリの黒のフリルが呼び覚ます何かの気配 いや気のせいだ : 美作直哉
しろがねの音よ清しく鳴れよかし故郷の母を呼ぶ黒電話 : むつき
漆黒の夜を忘れし街に住み早苗田の蛍ひたすら恋し : 万里子
Lesson 551  Theme:『星』 by zenkyu 2004/7/7
牛車ゆく天の川辺の石ころを鳴らしてゆかん今宵のツアー : zenkyu
七夕ね君は私の彦星になってくれるのくれないの どっち? : shell
かささぎの翼に霜と置く月の光をわたる真夜の彦星 : むつき
目に見えぬ星屑すらも名はありき 俺は死んだらヒトデになるさ : 美作直哉
ピンク地に「ケーキ屋さんになりたい」と書かれた短冊揺れる保育所 : 万里子
Lesson 550  Theme:『食器』 by 万里子 2004/7/6
魚皿盛り付けるもの様々に今日は刺身で昨日は干物 : zenkyu
愛用のマグカップの絵柄はねあなたの好きなアフロ犬なの : shell
陶芸の体験工房たずねる度に値の張る皿が欲しくなる : 万里子
大皿に遠慮の塊ひとついてさっきの会議の第二ラウンド : 美作直哉
キッチンに欠けたる皿を輝かせ母よ幾ばくの夢捨てて来たるか : むつき
汗をかくグラスに牛乳また注ぎ独り暮らしの風呂上りは好し : 橘真知子
Lesson 549  Theme:『なべぶた』 by shell 2004/7/5
公園は横浜市立藤沢の遺跡の公園昔の城 : zenkyu
姿見て言葉交わさずそれだけでいいのよいいの ちょっぴり寂しい : shell
真夏日の錦市場の京野菜俳画の如き色を保てる : 万里子
夜も更けて熟れし月には薄き雲独りの部屋に熱帯魚となる : 橘真知子
 詩情など解さぬ市場原理にてハリーポッターばかりの図書館 : むつき
亡骸の如き財布を尻に刺し馬券を握る孤老にも夏 : 美作直哉
Lesson 548  Theme:『舞』 by 美作直哉 2004/7/2
なつかしい舞台中継その時代(とき)に心が戻る宝塚歌劇 : shell
きゅらきゅらとアジアの楽器のような音する風が舞う君が住む丘 : よさ
紫の花舞ひ散りて夏の庭ブーゲンビレア次はいつ咲く : 橘真知子
わが掌より逃れむとする紋白蝶(もんしろ)の羽を愛して針につらぬく : むつき
道に舞い街に舞うことやや多し変人の癖キッチンで踊り : zenkyu
匂い立つチュチュの一葉あの舞台虫ピンひとつで繋げ止めれず : 美作直哉
蝶のごと舞ひ蜂のごと刺すといはれしボクサーも今は父親 : 万里子
Lesson 547  Theme:『顔』 by 美作直哉 2004/7/1
目の洞にいろを湛へてモディリアニの画のひとびとは笑みも浮かべず : 橘真知子
ストーブの金属板に映りこみ焔のなかの顔はゆがみぬ : むつき
ヨン様が素敵と言ってもむくれないで 君が一番それは変わらず : shell
瞬きという名の隙を見せぬから愛せないのさC3-PO : 美作直哉
ゆっくりと首をかしげて覗き込むこの猫の顔は私に似ている : 万里子
朝顔にベランダ取られ物乾せず部屋乾し始め部屋は昼顔 : zenkyu