短歌ドリル公式記録簿 2004年8月号
 毎日のお題から即日UP!短歌のWeb練習会、公式記録です。
 Liveは万里子さんのHP<短歌ドリルBBS>で!
【ご連絡】短歌ドリルの年末年始休暇 : 12/27〜1/4     
Lesson 585  Theme:『野菜』 by shell 2004/8/31
白菜がお湯に泳ぐ鍋恋し間もなくお芋が美味しくなる : zenkyu
墓参り直売所にてなすを買う疲れてたけど揚げ煮作った : shell
「石鹸の匂いがするね」白菜の葉の一枚を剥きながら聞く : むつき
キャベツ食む青虫ケールの上に乗せ年金払えと向日葵が言う : 美作直哉
Lesson 584  Theme:『風』 by zenkyu 2004/8/30
そよ風に波間は和み海の家日陰は貴重西瓜は美味い : zenkyu
意外だわ古風な面もあるんだね風貌からは想像できず : shell
どす黒き斥候の雲ビルの間に低く漂う台風近し : 美作直哉
半袖の腕を通ひて吹く風のさやかに寒き那須に来にけり : むつき
夏の終りのけだるさを吹き飛ばし窓のガラスに吹き付ける雨 : 万里子
Lesson 583  Theme:『機械』 by むつき 2004/8/27
鉄郎は機械の体を得むがためためらはず乗る銀河鉄道 : 橘真知子
むかう道機械の街に続くのか国道沿いは車の列が : zenkyu
機械的受け答えしかしない医師言っても無駄と話を止める : shell
マジシャンの如き指もて靴紐を結んでくれし機械科の君 : 万里子
人類の産みし物ゆえ機械にも探してしまう目と鼻と口 : 美作直哉
Lesson 582  Theme:『台風』 by 万里子 2004/8/26
みんなみの海に生まれし渦のあり天気予報の画面の端に : 万里子
台風の過ぎゆくごとに肩先に感じる風は秋を装ふ : 橘真知子
風纏い雨を従え長旅を始めてやがて晴れ間をのこし : zenkyu
昼寝して起きたらコース変わってておばちゃんパワーに台風逃げた? : shell
台風の如き銀河の暴風域ぎりぎりの星の七夕は雨 : 美作直哉
街灯に光りて波の寄る河を横ざまに飛ぶ万の白露 : むつき
Lesson 581  Theme:『受』 by 美作直哉 2004/8/25
「受信中」画面見ながらちょっぴりの期待むなしく広告メール : shell
受取人払いのウイルス差出はゆみ・あや・さやか台風にも似る : 美作直哉
受精とは受難のはじめ 胎内の卵こまやかに分かれゆくなり : むつき
軸受けに命を与え組み込めば音は静かに動き滑らか : zenkyu
Lesson 580  Theme:『読書』 by 橘真知子 2004/8/24
何事もうまくゆかぬ日寝転びて北原亞以子を読み直さうか : 橘真知子
通勤時揺れながら見る文字の森迷い込んでは駅を乗り越し : zenkyu
本を買い読むスピードが追いつかず部屋中埋もれて片付かないよ : shell
Lesson 579  Theme:『泣く』 by shell 2004/8/23
鳴き声が物悲しいと見あげてはカナカナという泣き声感じ : zenkyu
「My Memory」いつも聴いてる歌なのに日本語歌詞に涙が出たの : shell
まなじりに冷たきものの気配あれ先に泣きたる君を慰む : むつき
傘閉じて天の涙を受け止める 誰かの情けを僕も求めて : 美作直哉
Lesson 578  Theme:『夏祭り』 by zenkyu 2004/8/20
親友がたこ焼きいっぱい買って来て「売ってる兄ちゃんイケメンやった」 : shell
カルメ焼きアセチレンガス焚きこんで露天の前には少女の顔 : zenkyu
年ごとに夜店のメニュー変わりゆき微かに驚く夏祭りの夜 : 万里子
担がれてリアカーに乗る夏神輿絶滅危惧種の子供らのため : 美作直哉
Lesson 577  Theme:『ターニングポイント』 by shell 2004/8/19
サッカーといふスポーツを知りしのち世界の国に思ひ広がる : 万里子
気がつけば四十路迎えて振り返る人生半ばで後半想う : zenkyu
あなたと出逢えたことそれだけは後悔してないこれはホントよ : shell
喘息と裁決下す医師の目にそっとマルボロごみ箱へ行く : 美作直哉
ターニング・ポイント今日もひき延ばし酒肆の父らの笑ひは寒し : むつき
Lesson 576  Theme:『呪い』 by むつき 2004/8/18
どのように執念深く祈っても人を呪わば我が身に返る : shell
降りかかる言葉の嵐かいくぐり呪われし技背負い投げかけ : zenkyu
遺伝子に呪いの塩基がある如く二世議員の毒舌は続く : 美作直哉
百万の呪詛の言葉を秘めながら吊りけむ首か ながく伸びゐし : むつき
Lesson 575  Theme:『さんずいの漢字』 by 万里子 2004/8/17
流星の夜空見上げて寝転べば広がるロマン膨らむこころ : zenkyu
眼鏡取りリラックスした君もステキ 見つめられると溶けてしまうわ : shell
汗ひとつ鼻をなぞって新聞へ落ちる間に読む天声人語 : 美作直哉
便箋に金釘流で綴られし愛のうちなるこころ小さし : むつき
Lesson 574  Theme:『夏の食べ物』 by 美作直哉 2004/8/10
頬張りてその想いを伝えよう紅き美味しさ西瓜は冷たく : zenkyu
物産展今度は君と食べたいな北海道のソフトクリーム : shell
カナンにはひと房二十キロといふ記録のこれりおほきなる葡萄 : 橘真知子
出逢はねば別れもあらね冷麺の酸すきすきと舌に刺さりぬ : むつき
捨てられしパンダの氷かき器には巣立ちし子らの思ひ出こもる : 万里子
焼きもろこし焦げた醤油にかぶりつくおばあの縁側六人の孫 : 美作直哉
Lesson 573  Theme:『終』 by 橘真知子 2004/8/9
死が人を貪り食らふも語り継げ終はりの見えぬ醜き戦 : 橘真知子
終わり無き運命(さだめ)の法(みち)今日もなお遺伝子の中戦いの記憶 : zenkyu
宝塚開演前に起立して黙祷捧げた終戦記念日 : shell
思い出を含ませ寝てる子供らを列車は夏の終点(おわり)へ運び : ドラゴンナイト
この駅は僕にとっては終点で君にはただの乗り換え そんな日 : 美作直哉
モンローの肌に滲める血の如し夏の終りのアメリカデイゴ : 万里子
石塀に身をうちながら飛ぶ蝉の終ひの飛翔をしばし見守りつ : むつき
Lesson 572  Theme:『公』 by shell 2004/8/6
大学へ進み「もう読まないから」とおねえさんくれき小公女読む : 橘真知子
公園の木陰を見つめ夏の日は行きたき想い仕事にぶつけ : zenkyu
公立の病院行って迷子になり案内所へとSOSを : shell
黒板に公民教師が書き殴る「人権」の字は掠れてゐたり : むつき
青き実の房なす公孫樹の並木道人も犬もうだりて歩めり : 万里子
涙拭く高校球児も声援を送る僕らも夏の主人公 : 美作直哉
Lesson 571  Theme:『ガソリン』 by むつき 2004/8/5
散歩中ガソリンスタンド通りかかりもう立ち寄ることはないところ  : shell
キヨスクにガソリン求め向き直り今日も戦士はドアくぐり行く : zenkyu
夕陽受け虹色に染まるペルシャ湾悲哀の白鳥映像の嘘  : 万里子
もろともにガソリンをかけ火をつけむ或いは子供を一人殺めむ : 橘真知子
組み敷きてわが髪を梳く恋人の鋭き指に臭ふガソリン : むつき
Lesson 570  Theme:『秋』 by zenkyu 2004/8/4
八月に年の差広がり十月にまた近づいてあなたと私 : shell
八月の終りはセミも子供らも静かになりて夾竹桃咲く : 万里子
全開の夏巻き取らんと台風は嫉み混じりの雲を広げる : 美作直哉
空にあり地上にありしはなの名は秋桜(コスモス)という旅告げの花 : zenkyu
飴色の羽を揺らしてかそけくも歩道の蝉に秋風ぞ吹く : むつき
Lesson 569  Theme:『呼吸』 by 美作直哉 2004/8/3
汗かけぬ犬が吐息を巻く如くティッシュ配りのロン毛さまよう : 美作直哉
堂々と私の前で欠伸する 気を許してるそう思っていい? : shell
指先を呼吸のごとく絡めあふ フリーダ・カーロを見るとしもなく : むつき
隣から吐息にも似た呼吸音満員電車事故で止まれば : zenkyu
水槽の中の出目金ぷくぷくと頬ふくらませひらひら泳ぐ : 万里子
Lesson 568  Theme:『祭り』 by 万里子 2004/8/2
聞えるは祭り囃子と下駄の音五穀豊穣願いは今も : zenkyu
学祭で茶店の模擬店手作りの饅頭、団子、ぜんざい、冷やしあめ : shell
スーパーの「まぐろ祭り」に神あらず冷えた切り身は客の手に手に : 美作直哉
おまつりの軽き笛の音きこえ来る恵比寿駅前やぐらの上より : 橘真知子
八月の市民祭りに生蛸の脚が平和のごとく光りぬ : むつき
『六番目の小夜子』読み終へ学園祭準備の日々の我に会ひたし  : 万里子