短歌ドリル公式記録簿 2005年2月号
 毎日のお題から即日UP!短歌のWeb練習会、公式記録です。
 Liveは万里子さんのHP<短歌ドリルBBS>で!
【ご連絡】短歌ドリルの年末年始休暇 : 12/27〜1/4     
Lesson 698  Theme:『青』  by  美作直哉 2005/2/28
四肢を開ききみの重みを運びゆく まぶたに映る海原のいろ : おやなぎ
入院中歌のヒントを仰向けでメモに書いてる青のボールペン : shell
自然死を高度医療に阻まれて抜け殻のままの寝台特急 : 美作直哉
Lesson 697  Theme:『白』  by  万里子 2005/2/25
飲む薬ソフトカプセル一錠と白いの二錠白いの二包 : shell
長血にはあらねど師(ラビ)の真白なるツィツィト握りき「おんな」を病みて : おやなぎ
ふと起きて白いメモ帳汚しつつ心の答え書いてみる夜 : いちみ
生きるため誰かの命を金で買う水に流そう白紙とともに : 美作直哉
よろこびもかなしみも君と半分こジョリィは駆ける早春の原 : 橘真知子
頬濡らす冷たきものをてのひらに白き結晶しみじみと見る : 万里子
Lesson 696  Theme:『食器』  by  美作直哉 2005/2/24
朝8時ディスクトップの君の写真お気に入りマグ片手に見てる : shell
絵皿には春の一品盛り付けて箸を添えては顔をうかがう : zenkyu
古伊万里に似たり我が身や透かし見て骨の白さと血の赤きゆえ : いちみ
ティーポット蓋の突起をつまみてし思う三十路のカラダの温度 : おやなぎ
ボーンチャイナもどきの皿を購へる百円ショップの若きカップル : 万里子
丼の底に描かる占いに踊らされてもスープ飲み干す : 美作直哉
Lesson 695  Theme:『職業』  by  おやなぎ 2005/2/23
休日明け初診の人が多い日に私にホッとしてる主治医 : shell
居残りてふつと子宮の潤みたる心地す男女の部署間電話 : おやなぎ
字に変えて心の有り様綴りて 我を忘れて机の人に : zenkyu
ファミレスのすべての香りを駆逐するカレーを運ぶバイトの視線 : 美作直哉
果物屋・肉屋・魚屋賑はへり駄菓子屋だけが今はもうない : 万里子
Lesson 694  Theme:『寝顔』  by  zenkyu 2005/2/22
ほっぺたを一指し指でつんつんと午前5時の親子の会話は : zenkyu
このひとを知らぬと気づく三度目の愛撫の果てし午睡の顔に : おやなぎ
もう少し眠ってて君がどのように起こしてくれるか知りたかったよ : shell
無礼講遠慮を告げし後輩のイビキが響く六畳一間 : 美作直哉
春一番に水面を揺らす川沿いの桜並木の目覚めは近い : 万里子
Lesson 693  Theme:『救急車』  by  橘真知子 2005/2/21
就前薬飲めば気付かぬ真夜中の救急車ゆくサイレンの音 : 橘真知子
街の灯を引き裂いてゆく救急車神輿担ぎの子らを見送りながら : ドラゴンナイト
寒さ増し行き交う車着膨れ縫うように行くサイレンの車 : zenkyu
雨の日に初めて搬送されてからこんなに長く通院するとは : shell
サイレンのピタリと止みし救急車烏群がるコンビニの横 : 美作直哉
消防車・救急車・パトカーの響きをBGMにミステリー読む夜 : 万里子
死も不死も知らず幼き日のわれはドップラーなど口真似をして : おやなぎ
Lesson 692  Theme:『ひ』  by  shell 2005/2/18
王妃とは呼ばず国王夫人とす 民の心に生きるダイアナ : 橘真知子
「二人で」と言はれ緋色の洋傘のうちに並びぬ 時、近づきぬ : おやなぎ
目立ち過ぎ君も私も秘めやかに相手を見つめることはできない : shell
不意打ちの雨は冷たく春遠し珈琲カップで手を温める : 万里子
非情なるこの世の兎地を跳ねて天を仰げど乱世は続く : いちみ
期末試験控えし娘が我に問う一次関数日曜の午後 : 美作直哉
日の下に生まれて育ち幾年いまさらわかる己のちいささ : zenkyu
Lesson 691  Theme:『連絡』  by  いちみ 2005/2/17
緊張の漂う朝葛藤の余地なき異動のメール一通 : 美作直哉
秒針は呟いている「黄泉からの連絡船の到着を待て」 : おやなぎ
GOOD TIMINGで君が来てくれたあれは偶然なんかじゃなかった : shell
春雨の夕に届くや君が文結びかしこと今も変わらず : いちみ
Lesson 690  Theme:『感情』  by  美作直哉 2005/2/16
よかったわ嫌いで冷たくされたんじゃないことを知りホッとしてるの : shell
 声高で断片的な独り言シャワーのフィルター我は関せず : 美作直哉
あくびひとつ置き去りにして爪とぎをしている君は何を告げたい : 万里子
吸はれてし奴隷の印の赤々とにじむ肌こそ嬉しからまし : おやなぎ
出来るなら消しゴム一個鉛筆と消してまた書く心の模様 : いちみ
Lesson 689  Theme:『冬らしい食べ物』  by  万里子 2005/2/15
絶食で新年迎えそのうちに白味噌買ってお雑煮食べよう : shell
甘酒の鍋に沈めし若き日の母の想いの苦きを知りぬ : おやなぎ
湯気白く眼鏡を覆う鋤焼きの残り食べつつ吉牛の記事 : 美作直哉
風物詩というにはあまりに強烈なおでんのにおいのコンビニを出る : 万里子
切り身にて鮟鱇並ぶ店先でふと湯気などを思ふ夕暮れ : いちみ
Lesson 688  Theme:『バレンタインデー』  by  美作直哉 2005/2/14
「ありがとう美味しかったよ」それだけでホワイトデーはなくてもいいの : shell
湯煎したチョコの娘を形どる銀のホイルは親父にあらず : 美作直哉
パンプスの音も高らかにチョコレート売り場を過ぎる ナメんじゃねえよ : おやなぎ
チョコレート指先揺れて選び居る色とりどりの女性(ひと)の群れかな : いちみ
Lesson 687  Theme:『しん』  by  shell 2005/2/10
駅前の鍼灸院のなんとなく居心地の良き狭さを好む : 橘真知子
神の御手待ちわびる者年老いて愛をかたりて信心を魅せ : zenkyu
新しい風の吹くかと問うてみて今朝一番に窓を開くるや : いちみ
腐葉土と化す歌びとのこころかなさいはひ蟲に侵蝕されて : おやなぎ
口あけて国歌うたはず信仰の芯より深く死臭はにほひ : むつき
尊敬はしてないけれど信頼はしているからね それじゃ不満? : shell
心配を潰しに休みは街をゆく 己の商品並んでいるかや  : 美作直哉
体重のすべてをゆだねて寝る猫の重さに耐えて信頼を得る : 万里子
Lesson 686  Theme:『無』  by  美作直哉 2005/2/9
彼方には己の姿が映ってる有限のゼロ無限の数字 : zenkyu
無視された時はとっても悲しくて後で言い訳しに来たあなた : shell
不自然な透明の中に悟りあり 般若心経無の字が続く : 美作直哉
我が裡の無気力を探る焦燥と過剰な期待入り混じりをり  : 橘真知子
春雨の降り居る下で傘も無き人や交差の街を行き交う : いちみ
Lesson 685  Theme:『触』  by  美作直哉 2005/2/8
触診と触れる指先ドキリとし憧れ女医に女神を感じ : zenkyu
頭上にて迷った君の手が止まりゆっくり下りて帽子に触れた : shell
手のひらに花びらの如く雪が落つ 溶ける刹那にあなたを想ふ : 美作直哉
陽だまりに憩ふ子猫の毛づくろひする親猫も共に眼を閉づ : 万里子
うたた寝す彼女の髪に触れながら目的地まで電車揺れつつ : いちみ
Lesson 684  Theme:『オノマトペ』  by  万里子 2005/2/7
ふうわりととんでゆきますたんぽぽのおさなのてからにげまどいつつ : ドラゴンナイト
ちとちとと子犬の走るドッグラン見守る主人幼稚園だな : zenkyu
返答のかわりこつりと下腹を突つくものあり共寝の目覚め : おやなぎ
カシャカシャとデジカメ撮ってるひとときの君の瞳は私だけのもの : shell
ぢりぢりと電子レンジは肉片の端の脂を先ずは目覚ます : 美作直哉
ぴしぴしとトングの先で反り返る海老を受け止め湯は煮えたぎる : 万里子
寒時雨肌に冷たき滴りのぽとりぽとりと軒先より落つる : いちみ
Lesson 683  Theme:『春』  by  いちみ 2005/2/4
君という春が待っててくれるから厳しい冬も耐えられるのよ : shell
春節を祝ふ獅子舞軽やかな南京町は人をいざなふ : 万里子
冬牡丹梅ほころびて鎌倉におだやかな空広がる立春 : 橘真知子
一束で買い求むるや花屋にてパステル色の早咲きの春 : いちみ
春を手にバレンタインを迎ふるはNのバッグを背負いし少女 : 美作直哉
春風を強き風にと願えども梅の小枝を揺らすにとどめ : zenkyu
Lesson 682  Theme:『節分』  by  zenkyu 2005/2/3
魔を払い鰯の頭と柊で春の吉事を家族で祝う : zenkyu
病院食はお粥だから売店でケースの中の巻き寿司見るだけ : shell
雪開けて寒さ和むや季の堺豆蒔く声の聞えそうな夜 : いちみ
鬼やらひの児らの撒く豆浴びながら闇へ闇へと遁るる父は : むつき
年の数物足りなかりし煎り豆ももう食べ飽きて鬼の面捨つ : 美作直哉
残り福と名づけた豆ごはん炊く香り漂ふ春分の朝 : 万里子
Lesson 681  Theme:『凍る』  by  いちみ 2005/2/2
凍てついた地面を歩む者達は生きる辛さを楽しみに変えて : zenkyu
雪積もり言葉も凍る寒い日に向かいの軒につららが見える : shell
 金魚鉢凍った金魚を溶かすようフリーズドライの味噌汁を溶く : 美作直哉
声さえも凍てつきそうな帰り道月の冴えつつ後追いするや : いちみ
Lesson 680  Theme:『テレビ』  by  shell 2005/2/1
子の不始末襲名前に影おとす親の苦悩をテレビは映す : shell
おしゃべりをテレビに任せ料理する子犬の寝顔ご馳走になり : zenkyu
二画面で二局の占い見比べて何処かの星のもう一人の僕 : 美作直哉
ふと見ればテレビドラマのワンシーン冬の海辺にカップル見えて : いちみ