短歌ドリル公式記録簿 2007年1-6月号
 短歌のWeb練習会、公式記録です。
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Lesson 967 Theme:『歌』 by shell 2007/6/24
通勤の合間の車窓に物思う三十一文字の浮かぶ一時  : zenkyu
教室より唱歌ながれて木犀の香れる山辺の校庭なりき : 星野捷宏
飲み過ぎて崩れ落ちたる車中にて 眼だけ動かしみそひとを練る : ふなやままさし
窓開けて潮の匂いに包まれる車内は青春サザンの歌に : やご
あなたへのラブレターなの私の歌 そこのところはわかってくれる? : shell
サビだけをバランスボールと唇に乗せて Let's Go Round Again  : 美作直哉
Lesson 966 Theme:『犬』 by 美作直哉 2007/6/17
愛犬を抱く散歩の帰り道聞かれる言葉「あら疲れたの?」  : zenkyu
わんちゃんに餌やる吾子のはなしぶり妻の小言の口ぶりまねて : 星野捷宏
3週間実家に居たらストレスで“りら”も私もふくよかになる  : shell
いたずらを叱るつもりで睨んでも 「何を怒るの?」 問う目に負ける : ふなやままさし
ため息の横で尾を振る愛犬は全身全霊「遊んで♡」攻撃 : やご
今キミの胸に抱かれる犬にまで負けて路傍の一人となりぬ : 美作直哉
Lesson 965 Theme:『鞄の中のもの』 by やご 2007/6/10
一時間一便だから路線バス時刻表って必需品です : shell
折りたたみ鞄のなかに忍ばせ大きな傘と二天一流  : zenkyu
社会保険事務所はかつてなきひとで熱気起こりて扇子取り出す : 橘真知子
書き込みのまばらな手帳に秘めたもの編集魂今も燻る  : やご
突然の雨に取り出す傘の中 君と肩寄す55センチ : ふなやままさし
黒革の手帳取り出すママの手にオーストリッチのバッグ似合ひて : 星野捷宏
終電にラインダンスの幕上がる 席から携帯 一糸乱れず : 美作直哉
Lesson 964 Theme:『石』 by 美作直哉 2007/6/3
刑事とは組織の固き石なれば歪なる石の合田といふ名 : 橘真知子
岩となれ!教えのことは儚くて道端の石見つめて流転 : zenkyu
石野原茂るはずなき真ん中の子は天に召し何を語るや : やご
四十年御国の為に仕へしも石もて追はる財団理事長 : 星野捷宏
ヨセミテのハーフドームと比ぶれば 吾は石ころオケラの子 : ふなやままさし
結局は他山の石を磨き上げ セールスNへ陽よまた昇れ : 美作直哉
宝塚「瞳の中の宝石」の歌が流れる30年振り  : shell
Lesson 963 Theme:『方言』 by ふなやままさし 2007/5/27
湯上りに耳に優しき会津弁 おろしつゆそば食べてきなんしょ〜 : ふなやままさし
ごみ投げるしばれる夜は手袋をはいて外出るこわい冬の日 : 星野捷宏
懐かしき言葉に触れる酒の席「このだらが!」とは誰のことかな? : やご
訪へばどうぞ上がってけらっしゃい孫を忘れて祖母は言ひけり : 橘真知子
まあようけ持っていくにも困るでしょうくそてくそぅて参ってまうがぁ 
: よさのまき
道聞けば異国の言葉に聞えて五条三条「上がりしゃんして」  : zenkyu
発音の悪しき「ちゃうちゃう」渋滞の雨の車に幾匹棲まむ  : 美作直哉
「誕生日 おめでとうさん」やっと言う「覚えとったんか?」微笑んだ君   : shell
Lesson 962 Theme:『糸偏の漢字』 by 美作直哉 2007/5/20
診察の日には床より起きられず電話ひとつの連絡もせず  : 橘真知子
果てしなく祖母の繰言聞くごとくやせた砂地に雨降り注ぐ : 星野捷宏
初夏の陽に葉を一杯に押し拡げ 毛細血管ドクドク騒ぐ : ふなやままさし
夏を待つ幼子たちの我侭に繰り返す言葉「まだはやいよ」  : zenkyu
自分から出たものだけが戻り来る 巡る試練も我が発する  : やご
不織布で木目のビニルに落つ大豆ハンバーグのタレ拭う25時  : 美作直哉
Lesson 961 Theme:『愛』 by zenkyu 2007/5/13
歌詠みて愛の渇きを癒さんと「療養短歌」広く流行れり : 星野捷宏
のどかなる川べりにゐて通りゆくベビーカーの子愛されてをり : 橘真知子
寄り添いて寛ぐ犬たち公園で愛の形知らしめてをり  : zenkyu
銀色のリング交わした我が友よ呆れるほどの青空があり : よさのまき
絵の中に微笑む母が子を懐きふくよかな手が愛を導く  : やご
失うを恐るることが愛ならば愛してゐたと言へなくも無い  : David Lam
3枚に割愛された.ppt推敲された歌とはならず  : 美作直哉
愛なんて疎ましいぞとうそぶきつ 手もちぶさたにケータイを見る  : ふなやままさし
悲しさに耐えられたのは君からのホワイトデーに貰ったケーキ  : shell
Lesson 960 Theme:『海の生き物』 by 美作直哉 2007/5/6
また一つ流れのままに泳いでくアミの暮らしに憧れる我  : zenkyu
くるぶしを越す波嫌ふ我がために白イルカを観に誘ひくるる人 : 橘真知子
抱き合った水面に踊る夜光虫泣きたくなるよ 君が愛しい : やご
この世には一千万の種あらむ ベントス、ネクトン、プランクトン : 星野捷宏
川を出で海に彷徨い帰り来る鰻の不思議、しかと味わう。  : David Lam
ぶつ森で遊びすぎたか鯛を見て3000ベルと言ってしまってる  : shell
ウニクラゲ共に馴染んで飯の上 夫婦というのもひとつの形 : 美作直哉
Lesson 959 Theme:『何か怖いもの、不気味なもの』 by 星野捷宏 2007/4/29
月隠し雲の形は亡父(ちち)に似て狐居ませり伊豆の山には  : 星野捷宏
公園の少女の天敵合唱す池の周りウシガエル鳴く  : zenkyu
夢に棲む鬼はわらひてささやきて我を追ひ立て眠りゆるさず  : 橘真知子
言の葉も散らせぬ幼がまたひとり我の背後の誰かに笑う  : 美作直哉
正月に家族写真を撮りたいと珍しいことを言う父の予感  : shell
その儘の肌ではあるが時といふきみに憑きゐた鬼を吾は見き  : David Lam
Lesson 958 Theme:『眠』 by 美作直哉 2007/4/22
もし神が願い叶えてくれるなら眠りについた彼に会いたい  : よさのまき
今もなほ安眠(あみん)の窓にシナモンの枝にて書かむとかの名の浮かぶ  : 橘真知子
曇り空眺めて思う気だるさが疲れた身体を眠りに誘う : zenkyu
眠れずも眠りたくなし春の夜遠き日をなほ恨みけるかも  : 星野捷宏
ソファの上ゲームの音は鳴り続け「眠り王子」の横顔に春  : やご
疲れ果て湯船の中でこっくりと枕が欲しいってふと思う  : shell
目覚ましが響く網戸で眠ってる蛾を爪弾いて火曜日の朝  : 美作直哉
Lesson 957 Theme:『赤いもの』 by まき 2007/4/15
缶詰の桜桃食むか食まざるか幼きときは悩まざりきを  : 橘真知子
火龍果を喰へばソグドに日は落ちぬキルギス人の妻をぞ愛する  : 星野捷宏
言の葉に運命感じて赤い糸宴の主賓華やぐ会話 : zenkyu
太陽がそっと沈んでいく前に尾行の成果おしえてあげる  : よさのまき
政治色国旗に染まる感情の面積比率をふと思い出す  : 美作直哉
Lesson 956 Theme:『光』 by 美作直哉 2007/4/8
遠き日を母校の跡に歌ひけり『光みなぎる都の風に』と  : 橘真知子
名残り花 散らす雨粒キラキラと 光を放つ遊歩道かな  : ふなやままさし
光から逃げ出すように背を向けてローカル線に揺られるふたり  : よさのまき
旅先でガスの中毒帰国後はインフルエンザ我に光を  : 星野捷宏
光さす子の未来とは裏腹に闇に向って我が道は行く  : やご
まぶた越し眩さ沁みて眼を覚ます窓辺の光に家族の寝顔 : zenkyu
両の手でかざす氷を貫いて言の葉のような光に くらり  : 美作直哉
Lesson 955 Theme:『桜』 by 美作直哉 2007/4/1
もう起きちゃいかがと歌う夜桜にあしたの二日酔いを知られる  : よさのまき
花筏まにまに桜咲きながら散りゆくさまを映す水の面  : 橘真知子
花に酔い風に思考を止めてみる舞い散るものが幼子包む  : zenkyu
みちのくに生まれし君の桜花待ち侘ぶ日々を共に過ごさん  : 星野捷宏
幼き日ひとり見上げたこの桜今年小さな手をひき愛でる : やご
思うより白き花びら桜舞え我の指を擦り抜けてこそ  : 美作直哉
Lesson 954 Theme:『勝』 by 橘真知子 2007/3/25
勝負事人生賭けたものなれど腰が引ける公園のベンチ : zenkyu
勝鶏の爪傷つきてなほ猛く鬨の声あげ鶏冠(とさか)を立てぬ  : 星野捷宏
縁のない一文字「勝」にくづきの肉付きよりも「力」が憎し  : 美作直哉
勝ち誇る自信に満ちた横顔に心が叫ぶ「勝ち負けじゃない!」  : やご
満開の霞か雲か見上ぐれば春は桜に勝る花なし  : 橘真知子
Lesson 953 Theme:『流』 by 美作直哉 2007/3/18
川底をさらふ船あり目黒川は白く濁りて流れゆるやか  : 橘真知子
ウエットスーツ背伸びして干す君の脚光流れて浜は賑はし  : 星野捷宏
自己流の短歌に首を傾げつつ「こんな感じ?」と書き込んでみる  : やご
覚えては忘れてしまう学問を年月流れ思い出す日々 : zenkyu
強き青流水濁らず美しく左一閃俊輔凱旋 : 美作直哉
Lesson 952 Theme:『森』 by shell 2007/3/11
一日の終はりはネットで友と会ふサーヴァの森の果てのまた果て  : 星野捷宏
仰ぎ見る大樹の先は蒼天に 消ゆると見えりセコイアの森 : ふなやままさし
不器用と己がこといふ男ほど狡きものなり 孤独な森よ  : 橘真知子
黒き海シュバルツシルトの森の中 大宇宙の大穴の名に : zenkyu
惑乱に暗き森にて縋りしひと吾を置き去りゆく弥生(いやおい) : David Lam
OGはその名の通り森三中巣立つ娘の卒業証書  : 美作直哉
季節感なくなっていく地球だけど ゲームの森は四季を感じる  : shell
Lesson 951 Theme:『紙』 by 美作直哉 2007/3/4
折り紙も塗り絵も覚えぬ我が娘 デジカメに興じる妻に添う : zenkyu
路地裏の紙の館で夜を過ごし独り祝へる紀元節かも  : 星野捷宏
言葉より確かなりとて紙に書く「返します」の「ま」右に曲がりゐる  : 橘真知子
もう駄目と諦めた壁さらさらと紙飛行機は気にせずに飛ぶ  : よさのまき
買ったのにバースデーカード見つからず あれから5ヶ月まだ出てこない   : shell
紙一重昨日と今日のことなんて明日に比べりゃまだ紙一重  : 美作直哉
Lesson 950 Theme:『呼吸』 by David Lam 2007/2/25
春の夜の小高き丘に登り来て闇の呼吸に肌合はせけり  : 星野捷宏
真夜中に小さな呼吸確かめて幼いわが子の愛しさを知る : やご
呼吸して我が命まだあるのだと点滴を見る無色透明 : よさのまき
過呼吸の苦しみ耐えて吾子は生き 制服の袖もて余す春 : David Lam
夕暮れの美術館のカフェテーブルに重ねた呼吸読みかけの本 : 橘真知子
一呼吸午後の晴れ間に空見上げ 快晴の天幕蒼の絨毯 : zenkyu
幼虫の面影残る蝶の腹呼吸の度に優しく撓む  : 美作直哉
手術後は呼吸するのも辛かった深くしているわけでもないのに  : shell
Lesson 949 Theme:『走』 by 美作直哉 2007/2/18
狩野川のほとりに長き遊歩道幼のごとく駆け抜けるかも  : 星野捷宏
消えてゆく景色に想い募らせて揺れるままに今日も通勤す : zenkyu
走り去る人々の背をながめおる吾のみぞ知る霜冷の春 : David Lam
花をさらふ冷たき風に晒されて三万人の走る 東京  : 橘真知子
一年で小走りできるそれくらい元気になれてホッとしている  : shell
小雨降る道埋め尽くす観衆にゴールで応える今日ラストラン  : やご
止まらないことはいいのか止まらずに走り続けることはいいのか  : よさのまき
静寂に忘れた何かを思い出す クラッシュのままリッジレーサー  : 美作直哉
Lesson 948 Theme:『眠気』 by zenkyu 2007/2/11
日曜のまどろみに白き帳からやさしき光幾筋もさす  : 橘真知子
眠られぬ夜は黙示録読みてみむ塚本邦雄の歌集なければ  : 星野捷宏
呑みすぎて白川夜船でバス一周 乗車駅にてあわてて下車す : ふなやままさし
いつの日かまた眼を開けて生きようと セパゾン醸す半睡の日々 : David Lam
バレンタインチョコを渡しに早朝に終ってホッと眠気が襲う : shell
アラームに「あともう5分」と言い訳し眠気を疎む校了日前  : やご
気が付けば脇に2匹の子猫いて午後の睡魔に5匹の添い寝  : zenkyu
渋滞のバスの窓から注がれる冬の陽 僕は ボクは もうダメ  : 美作直哉
Lesson 947 Theme:『小動物』 by 美作直哉 2007/2/4
箱の中ドライフードと子猫たち捨てられたこと 今はわからず : zenkyu
泣き伏して古き布団は懐かしやつかのま夢をやもりが喰はん  : 星野捷宏
手のひらに乗せし命の愛しさよセキセイインコのピッチは逝けり  : 橘真知子
ピカチュウという名のキミのハムスター僕の手の上かすかに震え  : 美作直哉
病む日々はあの籠の中カナリアの鮮やかを見し朝より続く  : David Lam
カメムシよ手の中にいる心境をみそひともじで答えておくれ  : よさのまき
愛犬の鼻の短さ目のデカさ血統書の赤何をかいわんや  : やご
朝弱い犬が起きるの待ちながら化粧している私も眠い : shell
Lesson 946 Theme:『花の名前』 by 星野捷宏 2007/1/28
タンポポは踏まれぬやうに咲きゐたり横須賀線の踏み切りのなか  : 橘真知子
アルバムの奥にひそかに咲いているスパイダーリリーは夏の恋かも  : 星野捷宏
新郎の横ではにかむ鈴蘭の毒を知りつつ笑顔で祝福  : やご
窓際のデンドロビュウム色褪せて通り道の恋過ぎ行く時  : zenkyu
聖域は犯されたのか青い薔薇老婆の胸に抱かれて行く  : 美作直哉
恋バナという名の花があるのかと四十路四ツ目の誤解笑えよ  : David Lam
薔薇の花自信に満ちたあの人に相応しいって思えてしまう  : shell
Lesson 945 Theme:『ひらがなのオノマトペ』 by 美作直哉 2007/1/21
子らこららこららこらこら子ら帰り かなかなかなかかなかなばかり  : 星野捷宏
しんしんと化石の上に降り積もる博物館の夜の沈黙  : 橘真知子
「君が好き」冗談や嘘じゃないから 胸のどきどき聞こえてるでしょ  : shell
けへけへと咳込む土曜夕暮のひかり惜しみつハイライト喫えば  : David Lam
とくとくと説教をする右の手が掲げたままの猪口には注がず : 美作直哉
てくてくとひょうげた童とうとうと帰り道ゆく小川の土手を : zenkyu
どぎまぎとドキドキしても言わなくちゃ逃げてしまうよ恋の女神は
: ふなやままさし
Lesson 944 Theme:『色』 by よさのまき 2007/1/14
紅の空に輝く星一つアテナの微笑み届け月に  : zenkyu
キャンパスの芝生に二人座りたり栓抜きし群青の古風なラムネ  : 星野捷宏
「召し上がれ」葉の皿に盛るアカマンマ30年後は「早く食べてよ」  : やご
錆び色の弁当作るあの人の妻はどうしてあの人の妻  : よさのまき
病室のカーテンの碧南洋の珊瑚礁未だ我が知らぬ色 : 橘真知子
低き雲六甲の嶺押し潰し 神戸の街を黒く包みぬ  : ふなやままさし
白に黒黒に白でも醜さは何も変わらぬモニターの文字 : 美作直哉
長いめの茶色の髪を見るたびに元気にしてる?君を想って  : shell
Lesson 943 Theme:『ゲーム』 by 美作直哉 2007/1/7
かの王の求めし護り果たせしも果て無き修羅のゲームの世なりや : 星野捷宏
どせいさんに逢ふたび心癒された十年前の中古のスーファミ : 橘真知子
汗が眼に沁みて視界を閉ざしてもボールをフィード サッカー小僧 : zenkyu
サンタから貰ったWiiと思う子の母の気持ちを思うこの夜 : よさのまき
せがまれて真剣勝負の一ゲーム親の威厳も影を潜める : やご
球だけはピーターパンのピンボール 霞か霧か湯煙の中 : 美作直哉
DSで“アンジェリーク”のファンになりプレステ2も買ってしまった : shell
Lesson 942 Theme:『七』 by 美作直哉 2007/1/1
元朝の土産物屋で出遭ひしは七福神の笑顔なりけり : 星野捷宏
幾年も通う社は七里塚 江戸の方位を守る古所 : zenkyu
裸足(はだかあし)濡らした浜をあの海を 吾がカレンダア七月のまゝ : David Lam
3ヶ月逢いたい気持ちを押し殺し“林あまり”の「夜桜お七」 : shell
玉さまが髪振り乱しカンカンと 半鐘鳴らすお七やあやし : ふなやままさし
七曲り生温き水武蔵野の粘土の上に井は辿り着く : 美作直哉
夕焼けの風車カラカラ穏やかに七つ地蔵を眠りに誘う : よさのまき