短歌ドリル公式記録簿 2007年7-12月号
 短歌のWeb練習会、公式記録です。
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Lesson 991 Theme:『風物詩』 by 美作直哉 2007/12/23
そよ風に舞い踊る神風の精嘆きの雲を光に変えて  : zenkyu
仕事場の窓を斜めに舞い落ちて赤き路上に雪積もりゆく  : でぶしの
大晦日香り求めしダイエーの雛段に並ぶ春 福袋 : 美作直哉
寝たきりで箱根駅伝見られずに正月気分味わえず終ゆ : 橘真知子
新しい家族のお披露目喪中でも賑やかだったこの正月は : shell
Lesson 990 Theme:『宴』 by 橘真知子 2007/12/16
カニを取りて箸にほぐす間笑い続け魔王飲み干すオフ会の我 : 橘真知子
この十年酒も飲めずカラオケも忘年会は無縁になった  : shell
寒空の居酒屋を出てもう一軒叫ぶ初老の悲しい笑顔 : 美作直哉
食卓にならんだ口は5個もある聖なる夜に異種の食欲 : zenkyu
Lesson 989 Theme:『声』 by 美作直哉 2007/12/2
囁きに耳を澄ませばあの声が公園の隅にアイドルは踊る  : zenkyu
「おじいさ〜ん」何度も叫ぶ返事なし深夜のテレビもらい泣きする  : shell
バラマキのサラ金ティッシュは聞こえない声と見えない利息を吸うよう : 美作直哉
意味をなさぬ甥の言葉をききをれば時早く過ぐ昼下がりの電話 : 橘真知子
Lesson 988 Theme:『月』 by zenkyu 2007/11/24
三日月を刃と胸に忍ばせて汝れに挑まむ女の我は : 橘真知子
円天を行き交う灯り瞬くも揺れぬ心は下弦の月と : zenkyu
お出かけに選んだ今日のブレスレット愛をもたらすムーンストーン  : shell
月の字を忘れるほどに師も走る 今年の漢字は「嘘」なんだろうに  : 美作直哉
Lesson 987 Theme:『魚』 by 美作直哉 2007/11/17
典雅なる川瀬の鷺は憎憎し思うは魚のことだけの癖に : David Lam
静寂を破る水音波紋だけ湖面に広がるライズの時 : zenkyu
鮟鱇も山女もエイも魚ならば人の善し悪し取るにも足らず : 美作直哉
わたくしがプレゼントしたウエア着て釣りに行く君 成果を祈る : shell
Lesson 986 Theme:『車』 by shell 2007/11/3
ドキドキよこんなところに車を止め話しててもいいのかな? : shell
マンションの玄関塞いで停まるのは中年男の無駄なエコカー : 美作直哉
ぷにょぷにょのボディに期待しないけど未来の車に酔い痴れる日 : zenkyu
タクシーに乗りて別れし六本木泣けば晴れるや明日のやうに : 橘真知子
自動車の列の途切れてグランドではしゃぐ子供の声聞こえきぬ : でぶしの
Lesson 985 Theme:『薬』 by 美作直哉 2007/10/27
十錠の薬で我に許される眠りは二時間もうどうにかして : 橘真知子
外出時薬忘れて不安だわ幸いにも痛みは起こらず  : shell
「効いてます」と同僚より囁かる昇降機の中彼を憎む : David Lam
豆粒の白い薬に頼るのも痛み生むのも灰色の脳 : 美作直哉
良薬と苦い薬を流し込む一時の安らぎそれだけのため : zenkyu
Lesson 984 Theme:『額』 by 橘真知子 2007/10/21
流木を用ひて作りし額に飾る夢二の絵葉書三人の娘 : 橘真知子
次の夢蒲生野に行って気分だけ額田王 野守はいない : shell
手の平にのせればさほど重みなきふたり登った山の石ころ : でぶしの
ベランダの猫の額の鉢植の朝顔のツルに物干し取られ : 美作直哉
亡き父のセピアの写真取り外し額の埃を払う冬の夜 : 星野捷宏
冷汗は背中を流れる濁流に額の汗に思う責任 : zenkyu
Lesson 983 Theme:『スポーツ』 by 美作直哉 2007/10/14
ラグビーの選手のような体格の近藤勇の腕の太さよ : 星野捷宏
水に生き水に生かされ去りゆきし美しきひとは天にも泳ぐか : 橘真知子
片付けができぬ祭りの大神輿 ハマスタハマスタ誰かための冬 : 美作直哉
微妙だわ野球の話題は避けている君の笑顔を見ていたいから : shell
一息で腕をたたんで懐に距離を詰めては腹に連打す  : zenkyu
Lesson 982 Theme:『石』 by よさのまき 2007/10/7
川原で父のない子と石を投げ明日の定めを占う日暮れ : 星野捷宏
「我は石」満員車内身を潜め右にも揺られ左に傾ぐ : zenkyu
離れてもいつのまにやらそばに居る君と私は磁石のようね  : shell
旧校舎の暖炉のなごり鉄の戸の中に小石と雀の骸 : 橘真知子
川面跳ね幾重の円を作れども最後は消ゆる僕も小石も : 美作直哉
手の平にのせればさほど重みなきふたり登った山の石ころ : でぶしの
石段をすべり落ちてく雲の影にげた子猫がじゃれついていて : よさのまき
Lesson 981 Theme:『顔』 by 美作直哉 2007/9/30
赦さるるとき来たりなばカフェに会ひ見たし眉間を解きし顔(かんばせ) : 橘真知子
スピーチと請われて君は壇上へ黄色い顔を後に残して : 星野捷宏
顔色が「黒くなった」と指摘され病気のせいと日焼けもちょっと : shell
人生を刻んだ顔にメスを入れるヒトは己を認めぬイキモノ : 美作直哉
Lesson 980 Theme:『野球』 by でぶしの 2007/9/23
空青きグランドの隅の草野球空振りすれば蝉時雨降る : 星野捷宏
虹の影うつした雨が野球帽かぶった君におちてくる朝 : よさのまき
テレビ前君のため息聞こえそうトラの優勝消えた瞬間 : shell
グラウンド蝉の遺骸も消えた頃リトルリーグの熱も冷め行く : zenkyu
父親の投げたボールの当たりたる腿さすりつつ笑顔の少年 : でぶしの
野球帽深くかぶった子どもらの心はいずこランニング過ぐ : 美作直哉
Lesson 979 Theme:『月』 by 美作直哉 2007/9/16
バス降りて夕餉の匂ふ我が町の名の月をみむ明日は分からじ : 星野捷宏
それぞれの頭の上にぼんやりと青白い月 ひざを抱えて : よさのまき
「好きでした」報告するは夜半の月二十余年もまへからいつも : 橘真知子
10月は君の誕生日 プレゼント準備万端あとは早起き : shell
夜道行く虚空の想いの足取りを呆れ顔した月は見つめる : zenkyu
灰色の雲の大地に月昇り空の記憶を辿る十五夜 : 美作直哉
せわしなく暮らしぬ月の明るさの変化を感じられない街に : でぶしの
Lesson 978 Theme:『痛』 by David Lam 2007/9/9
遠き日の腕の痛みに目の覚めて窓を開くれば星流れ落つ : 星野捷宏
右膝に水の溜まりて通院す道すがらさへ痛みて遠し : 橘真知子
このところ体調いいので油断してついつい食べ過ぎ胃痛で薬 : shell
腎の臓の石を産まんと呻きおる 子を生す痛み思わばこれしき、 : David Lam
思い出のように時々痛み出す転んで出来たひざの傷跡 : でぶしの
幼子が笑顔を見せる乳母車覗いて痛み忘れて歩き  : zenkyu
「笑えない」「辛い」「悲しい」その先の「痛い」のニーズか芸人ホウセイ : 美作直哉
Lesson 977 Theme:『アニメ』 by 美作直哉 2007/9/2
宇宙行く飛行士の見る果の果てアニメのやうに私は溶けたい : 星野捷宏
リミッター外した二重のアニメ顔舞うように降るセンター街を : 美作直哉
繰り返す過ち多い戦でも愛は時をも見せはしないか・・  : zenkyu
Lesson 976 Theme:『蝉時雨』 by 星野捷宏 2007/8/24
避暑客の帰りしあとの蝉時雨みやこ見たいと泣くや悲しき : 星野捷宏
石庭に降り注ぎたる蝉時雨 白き海原揺れるばかりに (京都、大徳寺にて) : ふなやままさし
蝉時雨“りら”の散歩に神社へと涼しいけれど話もできず : shell
壊れ耳発電機やら蝉時雨聞き分けられぬ 何の報いか : David Lam
退院し部屋に戻りて窓を開け街道の向かふ蝉の声聞く : 橘真知子
夏惜しむ夕日に思う蝉時雨盛夏の想い肌の傷跡 : zenkyu
揺すれども落ちぬバルサの飛行機を見上げ続けた果て 蝉時雨 : 美作直哉
Lesson 975 Theme:『文房具』 by 美作直哉 2007/8/17
老いたるや丸き笑顔の我が恩師三角定規の顔に見えしが : 星野捷宏
星座盤を見てもわからぬ星ばかり我が胸に未だかすかに音のす : 橘真知子
学生の頃に使いし物差しの目盛りいつしかくすんでおりぬ : でぶしの
着日順ネットショッピング便名もアナログでメモに書き出している : shell
切れ味は岩も砕くかボンナイフ悪魔の力の鉛筆削り  : zenkyu
試みに芯舐めてみる鉛筆のトンボのマアク 冒涜の味 : David Lam
見なくとも抽斗の中その場所で出番を待てり古びたハサミ  : ふなやままさし
暴走のPC諌めるボールペン げんこつ代わりのリセットボタン : 美作直哉
Lesson 974 Theme:『あつい』 by shell 2007/8/12
厚き本閉じて八月仕舞ひけりまたいつや遇ふチボーのジャック : 星野捷宏
病院の喫煙所には日影なく暑き敷地の中をさまよふ : 橘真知子
駅からは歩いて五分(もどかしく)あなたの小部屋 あの暑き夕 : David Lam
日陰から日陰を探す街頭でTVの背広が猛暑日と告ぐ : 美作直哉
暑い日々“りら”とリビングへ避難してエアコンつけて扇風機つけ  : shell
今日もまた熱い視線を感じてるご飯くれろと4つのおメメ  : zenkyu
Lesson 973 Theme:『夏休み』 by 美作直哉 2007/8/5
かき氷でシビレた頭押えつつ 家路を急ぐプールの帰り   : ふなやままさし
虫の音に追ひ立てられてキスをした明日は都會へ戻るとふ夜に : David Lam
髪を切る 我がために泣かぬとふ誓ひ破りし高校三年の夏 : 橘真知子
黒い顔並んだ電車の座席見て夏の子供の楽しさ想う : zenkyu
おしゃべりもとぎれとぎれに二人して揺らぐ炎に目を向けている : でぶしの
思い出のファミリーランドは今は無く別の街へと変貌してた : shell
体操が終われば空の夏休み 雲の流れをジャングルジムで : 美作直哉
Lesson 972 Theme:『小さく輝くもの』 by zenkyu 2007/7/28
星の夜に僅かな光の二つの目幼き猫の遊びは続く  : zenkyu
夕凪に影を伸ばして歩きなむサクラ貝落つる夏の砂浜 : 橘真知子
夏空の星がきらめく母の顔映したことなき瞳の中で : でぶしの
6年間君にとって小さくも輝く存在それが私 : shell
金剛砂その名と違う赤石が削るガラスの粉の名はなし : 美作直哉
Lesson 971 Theme:『箱』 by 美作直哉 2007/7/21
洪水も乗り越え命を繋いで 小箱の箱舟子猫救う : zenkyu
一心に引越すのだと決めゐたり段ボール箱いくつもありて : 橘真知子
うろうろと無駄に時間を費やしぬ規格はずれの箱を探して : でぶしの
重いものラクでいいけどダンボールゴミ出し大変ネットショッピング  : shell
玉石を窓付きの箱で振るうだけ傷だらけの27時間TV : 美作直哉
Lesson 970 Theme:『耳』 by 美作直哉 2007/7/14
パンの耳残して今日も持ってゆく 小鴨もいまは大きくなりて : zenkyu
たれからか小耳に挟みし戯れ言を僕と左へ受け流さうよ : 橘真知子
耳落とし狂気の色に込めたるは人恋ふゴッホの魂なりや : 星野捷宏
耳の穴ふさぐと思しき軟骨を中指の先でいくどいくども  : 美作直哉
寝そべって“りら”は耳だけ動かして私の声に無視を決め込む : shell
Lesson 969 Theme:『見頃の花』 by 橘真知子 2007/7/7
紫陽花の雨に人待つ影法師わが若き日の悔いまた新た : 星野捷宏
今咲くやターシャの庭のタチアオイうす紅の夕雲の色 : 橘真知子
白き夢甘い香りを身に纏い彷徨う人を梔子は誘う : zenkyu
セミの声にぎやかな朝歩く道暑くなれよと咲いてる向日葵 : shell
プライドの高きサルビア打ち濡れど天に向かいてすっくと立てり : 美作直哉
Lesson 968 Theme:『願い』 by 美作直哉 2007/7/1
電車待つつかのま君の肌恋し吾の願ひの果かなかりけり : 星野捷宏
最強の戦士の願いは救え美女!アンドロメダの鎖断ち切れ : zenkyu
善き人は最前線にて死にたまふ何が善きかを示せよ神よ : 橘真知子
アフロ犬マグカップには「虹もかかる 願いは叶える為にある」って : shell
会えるならあらまほしきはあの頃の幼き頃の二人のままで : 美作直哉