1/144(多分) ズゴック&ザク

我々が来たときにすでに遅かった・・・
ベルマン軍曹のザクはすでに湖底の砂に埋もれ、破壊されていた。

これは、『水深100メートル、オキシゲンデストロイヤー争奪競争』の予期せぬ事故の記録である。
・・・いや、ザクがこの作戦に参加したという時点で、この悲劇に気がつくべきだったのかもしれない。

急遽サルベージ隊が結成されたが、おりしも我が帝国の収穫祭のため、ほとんどのモビルスーツが、王子様の待つ舞踏会へ出払っていた。
そして、その事が二次災害とつながっていってしまったのだ。
ただ一機、ハンガーに残っていたズゴックを盗み・・・いや徴発してサンピン特務曹長が単身、軍曹の救出に向かったのである。
我々王子様に招待されなかったブ男達は、グルムッソ少佐の招きで阪神優勝前祝のビールかけに参戦せざるをえなかったのだ。
我々は、特務曹長にすべてを託し、少佐の待つ第7コロニーに波動エンジンを積んだ宇宙戦艦で旅立ってしまったのだ。
このとき、我々はこの悲劇に気が付くべきだったのかもしれない。
特務曹長は酸素欠乏症ですでに己の名前さえ分からないという事実を・・・・。

そして我々が、架空の勝利を祝ったあと、我が官舎に帰ると短波通信機に何通かのメッセージが入っていた。
そういえば、特務曹長の姿が見えない・・・
いやな予感がしつつ、我々はそのメッセージの解読作業に取り掛かったのだ。
最重要機密なのか、最初のメッセージには5重の暗号がかけられていたのだ。
程なく解読が終わり、そのメッセージを聞いた全員が死を予感した。。
その百戦錬磨のつわもの達に死の恐怖を与えたメッセージとは、
『わたしリカちゃん。 お電話ありがとう。』だった。
その恐怖に固唾を飲んむ我々に更なる恐怖が・・・。
『・・・康子さんや、ご飯はまだかいのう・・・。』
・・・特務曹長の声だった。
我々は特務曹長の危機をしり、舞踏会から戻ったゴッグを変移抜刀霞切りで奪い取ると、特務曹長救出作戦を敢行したのである。
ここで気が付くべきだったのかもしれない、このメッセージが2ヶ月前のものであるということを・・・。

さらに我々の目の前に絶望が襲った。
上の記録写真の赤い円の部分を直視していただきたい。
巨大な魚・・・獰猛なコリドラスが我々の前を横切ったのである。
この自然の脅威である魚は、人肉を糧としているのだ。
その魚は、このモビルスーツの敵ではないのだが、写真をよく見て欲しい、砂に足をとられて身動き取れない状態なのだ。
ここの砂は一度金属と融合してしまうと固まって、ズゴックの馬力ではどうしようもなくなってしまうのだ。
コレでは乗員は単身で水中に脱出するしかない。
だが、獰猛なコリドラスがいる水中。 外に出ればひとたまりも無いだろう。
すでに軍曹も特務曹長の姿も無く、エネルギーも切れ、機体にはコケも張り付いてしまっている。

我々は軍曹と特務曹長の尊い犠牲を無駄にすることなく、作戦を遂行しなければならない。
そう、連邦とのプラモ戦争を・・・。

ちなみにコレが遠景。
写真がピンぼけでもうしわけない(^^;

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