坂本龍馬ゆかりの地(2010年2月)

高知県内の坂本龍馬ゆかりの地
龍馬の幼なじみで初恋の人と言われる平井加尾ですが、高知県立坂本龍馬記念館のオフィシャルサイトにこのような記述があります。
『加尾はのちに警視総監となる西山志澄と結婚し生涯を終えるが、晩年の「涙痕録」に龍馬と再会できなかった若き日のことを「女子一生の痛恨」と記し、龍馬と加尾の関係が単なる幼なじみでなかったことも印象づけている。』
加尾に「女子一生の痛恨」とまで言わせる龍馬とは、どれほど魅力的な人物だったのでしょう。
龍馬が生きていた時代の雰囲気が感じられる場所を中心に紹介します。坂本龍馬記念館のサイト内の「龍馬ゆかりの場所」などを参考に選びました。

坂本龍馬ゆかりの地・地図

桂浜・坂本龍馬像
桂浜・坂本龍馬像
高知市浦戸779番地
時間・8時30分〜18時(桂浜公園駐車場)
料金・400円
身障者用トイレ・あり
車イス用駐車場・2台
高知県在住の大学生が中心になって募金活動を行い建立した銅像です。高知市の市街地から車で30分ほどで、近くには高知県立坂本龍馬記念館や桂浜水族館、国民宿舎桂浜荘などがあります。駐車場から銅像や浜へ行くには写真のような結構な急坂を通ります。中央の写真は駐車場のトイレで、右は龍馬記念館です。
坂本龍馬像への急坂 桂浜・駐車場の身障者用トイレ 龍馬記念館


岩崎弥太郎生家
岩崎弥太郎生家
安芸市井ノ口甲
身障者用トイレ・簡易トイレ
車イス用駐車場・なし
現在も岩崎家の所有で、無料開放されています。私が訪れたときはボランティアのガイドさんがいて丁寧に解説してくれました。ガイドさんによると弥太郎の母、美和の父と兄弟二人は医者で、教育熱心な美和は弥太郎が幼い頃から習い事に通わせていたそうです。屋敷も藩政時代の典型的な中農の家ということで、決して食うや食わずの生活ということでは無かったようです。左は弥太郎が子供の頃日本列島をかたどって置いたと言われる庭石です。写真は日本列島を朝鮮半島の方向から写しています。中央は近くにある武家屋敷の町並み土居廓中(どいかちゅう)です。龍馬との直接の関係はありませんが、高知県内で城下町の雰囲気が一番感じられる場所だと思います。右は近くにある野良時計です。
岩崎弥太郎邸・庭石 土居廓中(どいかちゅう) 野良時計


田中良助邸
田中良助邸
高知市柴巻381
開館日・金、土、日曜日
身障者用トイレ・なし
車イス用駐車場・なし
案内板によると『龍馬の先祖が柴巻のかなり広い範囲の山林を所有していて、坂本山と呼ばれていた』『その管理を任されていたのが田中家で龍馬は子供の頃からたびたびこの家を訪れ良助と将棋を指したり兎狩りをしていた』『田中邸の背後には八畳岩と呼ばれる大岩があり良助と龍馬は岩の上にのぼり遠くを見ながら一緒に酒などを飲んでいた』というようなことが伝えられているそうです。また高知市のオフィシャルサイトによると『龍馬が当時足を運んだ建物で,現在も形として残っているのは,柴巻の田中良助旧邸だけ』だそうです。

道路から良助邸への入り口に左写真の案内板が立っています。中央の写真は屋敷前からの景色で、高知城と城下町、土佐湾から太平洋まで見渡すことが出来ます。入り口の前を通り過ぎ100メートルほど行くと八畳岩への入り口があり、右の写真のように道が広くなっています。車イスで八畳岩へ行くのは難しいでしょう。JR高知駅から田中邸までは約10キロで、車だと約30分ですが最後の2キロは1車線のカーブの多い道です。また近くに産廃の処分場があるようで大型のダンプが頻繁に通ります。
田中良助邸・案内板 田中良助邸前からの眺め 田中良助邸駐車場


旧立川番所書院
旧立川番所書院
長岡郡大豊町刈屋
開館日(内部の見学)・日曜、祝日
身障者用トイレ・なし
車イス用駐車場・なし
立川は、はるか昔より土佐から都へ出るときの中継地として重要な場所でした。もともと一般の通行人のための番所があり、1718年から参勤交代の経路となり藩主が泊まる本陣としても使われるようになったそうです。現在の建物は1800年ごろに建てられたもので国の重要文化財に指定されています。龍馬も江戸の行き帰りに何度となく通ったことと思われます。下の写真のとおり駐車場から書院まではかなりの急坂です。高知自動車道大豊ICから旧立川番所まで県道5号を通り約12キロ、20分弱です。

案内板が立っているだけですが、県道を700メートルほど上ると龍馬が水戸浪士と会見した荷宿跡があります。立川御殿保存会がこう記しています。『安政五年十一月、諸国の有志を訪問して歩いていた水戸藩士住谷寅之助らが立川まで来た。住谷は龍馬らを相手に時勢を論じたが、この時期の龍馬は未だ目覚めていなかった。住谷日記「龍馬誠実可也の人物、併せて撃剣家。事情迂闊、何も知らずとぞ」』。峠に向かって県道をさらに5キロほど行くと谷を見下ろす事ができる場所があり、この地の山深さを強く感じさせます。
旧立川番所書院への急坂 荷宿跡案内板 旧立川番所書院・峠


韮ヶ峠
韮ヶ峠
高岡郡梼原町井高
身障者用トイレ・なし
車イス用駐車場・なし
『文久二年(1862年)三月二十四日、高知を出奔し二十五日に梼原に到着、その夜梼原の勤王の志士那須俊平・信吾父子の家に泊まり、翌二十六日未明、俊平・信吾父子の道案内により、宮野々の番所を抜け、四万川茶や谷の松ヶ峠番所を抜けて予土県境・韮ヶ峠を超えて伊予の国に脱藩した。』現地案内板より

脱藩する時、龍馬が何を考え何を求めていたのか定かなことはわかりません。幕末の頃の土佐においては単に脱藩したからといって厳罰に処せられるということでもなかったようです。ですが許しが無ければ二度と土佐に帰って来ることは出来なかったわけで、峠を越える時、龍馬の胸には様々な思いが去来したのではないでしょうか。 梼原町の中心部から峠までは約20キロですがほぼ1車線のカーブの多い道です。写真のようなモニュメントはありますが、峠を公団幹線林道(こちらは2車線あり)が横切っていてあまり峠らしい雰囲気はありません。写真中央は掛橋和泉邸、右は維新の門と名づけられた銅像でどちらも町役場近くにあります。
韮ヶ峠・石碑 掛橋和泉邸 維新の門・銅像

和霊神社
和霊神社
高知市神田1540の南
身障者用トイレ・なし
車イス用駐車場・なし
神社へ上がるには石段しかないので車イスでは鳥居の手前までが精一杯ですが、龍馬にとっては特別な場所であり、一般の方にぜひ訪れていただきたいので紹介します。鳥居横の石碑によると、龍馬の4代前の先祖坂本直益が坂本家の屋敷神とするため宇和島市の和霊神社から勧請した神社で、龍馬が脱藩する際水杯で武運長久を祈願したと伝わっているそうです。坂本家の守り神であり、龍馬の生家からも徒歩30〜40分と近かったので龍馬もひんぱんに訪れたのではと思われます。ドラマのように龍馬と加尾が一緒に訪れたこともあったかもしれません。

神社は郊外の住宅地の路地を抜けた先の分かりづらい場所にあります。タクシーの利用をお勧めしますが、自家用車の場合は近くまで行き、あとは案内板があるのでそれを頼りに根気強く探してください。

中岡慎太郎館・生家
中岡慎太郎生家
高知県安芸郡北川村柏木140
身障者用トイレ・あり(記念館内)
車イス用駐車場・なし
中岡慎太郎は1838年北川村の大庄屋の家に生まれ、幼少の頃より秀才の誉れ高く文武両道に秀でていたそうです。幕末維新期に大きな役割を果たしますが、1867年京都近江屋で龍馬と共に暗殺されてしまいました。気さくで誠実な人柄は人望を集め、西郷隆盛や板垣退助ら多くの人がその功績を賞賛しています。

生家は1967年に復元されたものです。慎太郎館1階では子供の頃のエピソードや庄屋見習い時代の功績、幕末期の活躍ぶりなどが時代を追って展示、解説されています。2階では慎太郎の書や剣の展示のほかに企画展などが催されています。2階へは階段昇降機を使い移動します。

平尾道夫の海援隊始末記より慎太郎と龍馬が接触した場面を集めてみました。二人の関係はどんなものだったのでしょうか。(年月日は西暦に年齢は満年齢に変換してあります)
1861年9月、土佐勤王党が結成され龍馬は9番目、慎太郎は17番目に加盟。時期が近いので勤王党内で面識があったと思われます。
1862年4月22日、龍馬26歳で脱藩。 1863年10月17日、慎太郎24歳で脱藩。
1865年、慎太郎は長州で土方楠左衛門らと薩長連合を進めるため活動しており、下関での桂小五郎、西郷隆盛の面会を計画。下関を訪れこの計画を聞いた龍馬も協力することを決める。
1865年7月13日、慎太郎は西郷隆盛と佐賀関まで来たが、船は突然航路を変更し京に向かい計画は失敗。慎太郎だけが下関に現れる。龍馬は慎太郎とともに京へ向かい8月中旬ごろに到着。
1867年7月23日、京都三本木の料亭で薩・土両藩の首脳会談が開かれ、浪士代表として龍馬、慎太郎が出席した。この会談で薩土盟約が成立。
1867年11月5日、龍馬は洛外白川村の陸援隊本部に中岡慎太郎をたずねている。慎太郎は龍馬を迎えると、昂然として庭内の高張提灯、武器などをしめし「討幕の準備はこのとおりできた。もう時機をまつばかりだ」と告げる。
1867年12月10日、龍馬は前日よりかぜ気味で、近江屋の土蔵にある密室から母屋の2階に移っていた。夕方から陸援隊長の中岡慎太郎が、新撰組にとらえられていた土佐藩士宮川助五郎の身柄引取りについての相談もあって近江屋を訪問しており、また同藩士岡本健三郎、かねて出入りの書店菊屋の峰吉来合わせ、2階の奥、8畳で世間話をしていた。このあと2人は刺客に襲われ落命する。
中岡慎太郎館 中岡慎太郎館・身障者用トイレ 中岡慎太郎銅像

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