メジカの新子を食べに行こう(2025年10月)
メジカの直販船

メジカとは
サバ科の魚ソウダガツオにはマルソウダとヒラソウダの二種があり、このうちマルソウダのことをメジカと呼ぶ。足摺岬の沖合がソウダガツオの産卵場になっており、土佐清水市で水揚げされたマルソウダは宗田節や「姫がつお」に加工されることが多い。中土佐町や須崎市では、それを刺身で食べる。

メジカ

メジカの新子とは
マルソウダの孵化後1年未満の幼魚を「メジカの新子」と呼び、同じく釣りたてのものを刺身にし、すりおろしたブシュカンの皮と果汁、醤油をかけて食べる料理のことを「メジカの新子」と呼ぶ。この料理の命はグミのような食感で、鮮度が落ちるとこの食感が失われるため、いかに新鮮な状態で提供するかが重要。

高知市内の居酒屋などが提供している「メジカの新子」は食感が失われているため、産地で食べるものとは別物とされている。近年では土佐清水市や四万十市、黒潮町でも提供する店が現れているが、本場は中土佐町と須崎市。

食べられる時期が非常に短く、メジカの新子が獲れだす8月中旬ごろに始まり、ブシュカンの果皮が黄色く色づく10月中旬ごろに終了する。

なかとさ観光協会ではシーズン中、リアルタイムでオフィシャルサイトを更新し、メジカの新子が食べられる店舗についての情報を提供している。
なかとさ観光協会オフィシャルサイト

ぶしゅかん

ブシュカンについて
一般的なブシュカンには仏手柑の漢字が当てられ、その字の通り人の手のような歪な形をしている。高知で栽培され、メジカの新子に使われるブシュカンは別品種の柑橘。正式名称は餅柚(もちゆ)といい、果皮の爽やかな香りとおだやかな酸味が特徴。


メジカ横丁

メジカの新子小屋

小さな小屋のような店舗が久礼大正町市場内の空きスペースに数軒出ている。

メジカを捌く

漁師の女将さん達が旦那が釣ってきた魚を捌いて販売しているので、鮮度は間違いなし。価格も安め。漁や魚の事をを聞くと気安く教えてくれるので旅情も感じられる。ただし行列に並ばないといけない。休日などは2時間3時間待ちはザラ。10月に入ると客足が落ち着く。

町の休憩施設ぜよぴあ

ご飯は別の女将さんが近くで売っているので、それを購入し市場隣の町の休憩施設『ぜよぴあ』で食べる。

まずは添えられたブシュカンをギュッと絞りメジカの新子にたっぷりかける。酢によって色が変わると食べ頃。新子を食べ終わった後の汁は、ご飯にかけて食べる。これが地元流。もちろん食べ方はお好みでどうぞ。

久礼大正町市場のメジカの新子

車は『中土佐町観光拠点施設「ぜよぴあ」駐車場』に一台だけ身障者用があり、そこに停めるのがベスト。そこが塞がっていたら、そのまま海方面に向かって『ふるさと海岸 無料駐車場』へ。
久礼大正町市場オフィシャルサイト『大正町市場でメジカを食べる方法』


いか船頭

いか船頭

道の駅 なかとさメイン棟の入り口を入って左手にある。ここが良いのはページャーを渡されるので行列に並ばなくて済むこと。2025年8月下旬に訪れた際は、渡されてから40分後に鳴り、帰る頃には60分待ちの案内が出ていた。

道の駅 なかとさ

セルフサービスなのでページャーが鳴ったら自分で取りに行き、道の駅の広場のテーブルに運んで食べる。ご飯は無いが、冷たい麦茶がついている。

道の駅 なかとさのメジカの新子


須崎のサカナ本舗

須崎のさかな本舗

須崎の魚を売り出す拠点施設として、まちの中心部に整備された須崎のサカナ本舗。110年前に建てられた郵便局をリノベーションしたお洒落な空間で魚料理を楽しむことができる。

須崎のさかな本舗店内

須崎は、ほとんどの店が要予約。私が調べた限りでは観光客がフラッと行って食べられるのは『須崎のサカナ本舗』だけ。2025年9月に訪れた際は、メジカの新子の命である食感はもちろん、鰹節のような香ばしい風味、ブシュカンの鮮烈な香り、盛り付け、全てが100点だった。

須崎のさかな本舗のメジカの新子

添えられた穴の開いた野菜はリュウキュウ。シャクシャクとした食感が特徴で、メジカの新子のツマはリュウキュウに限るという人も多い。

須崎のさかな本舗の調理する板さん

ここは穴場で、平日なら待ち時間なく食べられることもある。ただし修行を積んだ板前が一匹一匹丁寧に捌いていくのでオーダーが溜まると待ち時間が長くなりがち。
須崎のサカナ本舗オフィシャルサイト

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