高知県四万十市から徳島県徳島市まで四国山地を縦断するように走っている国道439号線(通称ヨサク)。国道とは名ばかりで、カーブの連続する一車線の峠道が多く天下に酷道として名高いのですが、この酷道439号線全線走破1泊2日の旅に出かけてきました。
四万十市・国道439号始点:10時40分━0キロ |
|
|
|
|
国道439号の起点は四万十市の中心部にある交通量の多い交差点です。右上の写真、奥に向かって国道439号が走っています。右下写真は交差点横にある道の駅様施設サンリバー四万十です。レストラン、物産館、身障者用トイレ、車イス用駐車場などがあり、敷地の一角には四万十市観光協会もあります。市街地を抜け郊外に出ると田園風景が広がっていて、その中に左の写真の安並水車の里公園があります。フジテレビのドラマ「遅咲きのひまわり」でよく登場した場所で、国道からすぐです。地図では漏れていますがここにも身障者用トイレがあります。
サンリバー四万十
高知県四万十市右山383−7
TEL:0880−34−5551
|
道の駅四万十大正:12時40分 |
|
|
|
|
杓子峠を下ると道は四万十川に行き当たり、川にかかる橋を渡ると右手に道の駅四万十大正(右上写真)があります。439は国道381号と兼用になり、少しだけ四万十川沿いを走ったあとすぐに梼原川沿いに北上する酷道に戻ります。ここからは津野町で国道197号と合流するまで長い長い狭隘路となります。右下は下津井にあるめがね橋で、かつての森林鉄道跡です。今も歩いて渡ることが出来ます。流域では明治44年に中津川・大奈路間に初めて軌道が敷設され、その後も順次路線は延伸されていき、昭和41年頃まで列車による木材搬出が行われていました。
439にかぎらず高知の山道で特に離合が困難な場所には左写真のような電光掲示板が設置されています。高知工科大学と高知県が共同で開発した中山間道路走行支援システムです。とてもよく出来ており、この案内に従えば対向車と離合するために延々バックするような羽目に陥らずに済みます。たまに表示を無視して突っ込んでくる車もあるのでご注意を。
道の駅四万十大正
高知県高岡郡四万十町大正17-1
TEL:0880−27−0113
|
シェ・ムア:14時00分 |
|
|
|
|
国道439号を走るドライバーやライダーにとってオアシスのような場所です。ホントに辺ぴな場所にあるのですが天然酵母を使ったしっかりしたパンからデニッシュやドーナツなどの甘いパン、食事にもなるサンドイッチなど焼き立てのパンが種類豊富に並んでいます。奥にはイートインコーナーもあり、入れたてのコーヒーと美味しいパンでほっと一息つくことが出来ます。店を出て1キロほど行くと八百とどろ橋があり、橋の上から八百とどろの景色(右下写真)を見ることができます。奇岩に挟まれた急流で、岸辺にはトサシモツケが群生し白い可憐な花を咲かせています。
シェ・ムア
高知県高岡郡梼原町松原401番地
0889−40−2727
定休日:毎週月曜日&第5日曜日
|
津野町・天狗荘:16時00分━112.7キロ |
|
|
|
|
この宿があったから今回の旅が実現したと言っても過言ではありません。身障者室のある宿が439沿いの、そろそろ泊まりたいなという場所にあり本当に良かったです。元は国民宿舎だった公共の宿なので料金はリーズナブル、部屋はゆとりがありベッドとベッドの間で車イスが回せるほどです。洗面台が客室内にあるという珍しい作りなのですがトイレと洗面を2人が同時に行え具合が良かったです。ベッドは電動で浴室用のシャワーチェアも借りることが出来ました。掃除は隅々まで行き届き、サービスも気持ちよく、山菜と川魚中心の料理も美味しかったです。写真は三種類の中で一番安いコースで、これにご飯とお吸い物(料亭の味!)がつきます。天狗荘は439から県道48号に入り約10キロ、20分の距離にあります。県道は一車線でカーブの多い道です。
天狗荘
高知県高岡郡津野町芳生野乙4921−22
TEL:0889−62−3188
|
ドライブイン引地橋:9時00分 |
|
|
|
|
矢筈トンネルまで上って来た道沿いを流れる北川も、今下っている道沿いの長者川もきれいな川です。その清流沿いを走る439は改良工事が進行中で、二車線から一車線また二車線と道路の状況はめまぐるしく変化します。旧仁淀村の集落を抜けると国道33号と合流するのですが、合流後4キロ強ほどで左手にドライブイン引地橋があります。ここには駐車場の一角に右写真の公衆トイレがあります。
ドライブイン引地橋
高知県吾川郡仁淀川町引地62
|
三好市・東祖谷歴史民族資料館:12時40分━271.3キロ |
|
|
|
|
京柱峠から東祖谷への下りは439が最も酷道らしい表情を見せる区間です。道幅は広めでカーブもゆるめなんだけど路面が荒れていて穴ぼこが多くカーブミラーが少ないため走行にはかなり気を使います。歴史民族資料館はトイレを借りるだけのつもりだったのですが、入館料を払いしっかり見学してきました。平家の落人である阿佐家に伝わる平家の赤旗(レプリカ)などが展示されています。ここで次に寄る落合集落のことや周囲の観光スポット、道路情報などを教えてもらいました。寄って良かった。
東祖谷歴史民族資料館
徳島県三好市東祖谷京上
TEL:0883−88−2286
|
酷道と言われるだけあって道幅は狭くカーブの連続で運転には気を使います。でも走っている車の前をカワセミが横切ったりして大自然の中を走る爽快感を味わうことができるコースです。ゴールした時は達成感よりも、やっと終ったというヤレヤレ感の方が強かったのですが、徐々にまた走りたいという気持が湧いてきました。
「東野・岡村の旅猿」という番組でも取り上げられたことがある酷道439号ですが全線走破は大変です。完全走破にこだわらないなら徳島自動車道の脇町ICから国道492号経由で439に入り、剣山見ノ越と京柱峠を越え高知自動車道の大豊ICまで走るというコースがお勧めです。439の醍醐味が手軽に味わえるでしょう。
事故に巻き込まれたくないので蛇足ですが最後に走るときの注意を。
・一車線の区間では昼間でもライトを点けブラインドコーナーの手前ではクラクションを鳴らす。
・クラクションが聞こえ対向車の接近に気づいたら広い場所で待ち離合する。
・対向車が待っていてくれたり、バックしてくれた時はお礼の合図を!
・峠道では大抵のバイク(下りでは自転車も)は車より速く走れます。追いつかれたら先を譲りましょう。
これらを実践すれば事故に遭う確立がかなり減ります。
酷道439号があなたを待っています。是非楽しんできて下さい。
|