車イスのメンテナンスと工夫(2011年7月)

車イスのメンテナンス
自転車のメンテナンスだと、乗るたびにチェーンの汚れを落として注油してと大変なのですが、車イスの場合は汚れさえ落とせば良いので簡単です。きれいな車イスに乗るのは気持がいいし、掃除をしていてボルトやネジの緩みを見つけることもあるので是非やってください。
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大きなブラシで掃除 必要な道具はブラシとウエスぐらいで、どこの家庭にもあるようなもので間に合います。まず毛足の長いブラシで奥のゴミやホコリを掻き出します。
小さなブラシで掃除 ブレーキ周りの細かい部分をきれいにするには古歯ブラシが一番です。作業は上から下へ、細かい部分から大きな部分へと進めると良いでしょう。
ウエスで拭く ウエスには、普通の布を化学ぞうきんにするスプレーをかけています。化学ぞうきんを使うと汚れが落ちやすくツヤも出ます。乾いたウエスでもかまいませんが、水で濡らしたものは使わないで下さい。車イスに使われる塗装したアルミやチタンは錆びにくい素材ですが、ボルトやナットなどは鉄系の材料の物が使われることが多く、これらは水分を与えると錆び易くなるからです。
注油禁止 ハブの回転部などに油を差したくなるかもしれませんが絶対にやってはいけません。回転部にはベアリングという金属の玉が入っていてグリスという粘度の高い油で潤滑させています。例えばKURE5−56のような油を差すと中のグリスが溶け出してしまいます。グリスの切れた状態で乗り続けるとベアリングに傷がつき、異音が発生したり回転が重くなったりします。汚れをふき取る程度にしてください。
背もたれ取り外し 年に1度ぐらいですが、背もたれや取り外せるカバー類は取り外して洗濯しています。自分の車イスの部品が洗濯出来るかどうかはメーカーに問い合わせてください。
洗濯の注意 この車イスは、マジックテープの張りで背もたれの硬さが調節できるようになっています。洗濯後に取り付けたときフイット感が変わらないように、針と糸で目印をつけてから外すようにしています。
小物の取り外し 小物類は外してネットに入れます。背もたれ本体もネットに入れたほうが絡んだりせず扱いやすくなります。
洗濯法 色落ちが嫌ならおしゃれ着用の洗剤を使い、汚れ落ち重視なら普通の粉末洗剤を使ってください。どちらもぬるま湯に洗剤をよく溶かし、30分以上浸けてから洗うと汚れが落ち易くなります。あとは干して元通り取り付ければ終わりです。
洗濯と乾燥の間、車イスは背もたれが無い状態になりますが、ヒモを張って背もたれ代わりにしていたところヒモが切れ、後ろに倒れてしまったことがあります。くれぐれもご注意を。


車イスのちょっとした工夫・その1
折りたたみ式の車イスは押さえていないと勝手に広がります。それを閉じたままにするためのゴムのベルトです。このベルトがあると車に積みおろしする時などに便利です。

広がらないベルト

ベルト材料 材料はホームセンターの梱包資材コーナーで売られていた荷造り用のゴムベルトです。値段は228円でした。少し値段は高いけど加工しなくても使えるタイプの物もあったので、面倒な方はそちらを使ってください。
ベルトの分解 マイナスドライバーやペンチで金具をこじ開けます。金具は硬くて、かなり力を入れないと開きません。怪我をしないよう注意してください。ゴムベルトは適度 な力で閉じるように、仮合わせしながら長さを決め切断します。ゴムベルトは長く使っていると切れることがあるので余ったベルトはとっておきましょう。
ベルトの完成形 フレームのパイプに合わせてフックの部分を広げます。写真は仮止めして輪を作ってありますが、実際はフレームのパイプを通してからペンチなどでかしめます。フレームが塗装されている場合、フックをかけた部分がこすれて傷がつくのでテープなどを巻いておくと良いでしょう。



車イスのちょっとした工夫・その2
これも工夫というほどのことでもありませんが。OXの車イスにはプルアップベルトというものがついていて、これがあると折りたたむ時に便利なのですが、私の使っているティグにはついていません。そこで以前使っていたOXの車イスから部品を取り、今使っている車イスに取り付けました。

プルアップベルト


ベルトの外し方 シートの構造が同じならメーカが違っても取り付けられるのですが、作業の前にまず自分の車イスのシートの構造を確認してください。ベルトは金属の板とパイプではさむように取り付けられています。
ベルトより前方のネジを外すか緩めます。金属の板とパイプの隙間が、ベルトを折り返して作っている厚みより広がれば簡単に外れます。
ベルトのつけ方 隙間からベルトの端を押し込み、ネジを締めれば完成です。


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