ビンテージ ロードレーサーの紹介

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昭和49年(1974年頃?)の古いクロモリ ロードレーサー(丸石エンペラー)です。



 40年程前のクラシックロードレーサーです。高校生の頃、アルバイトをしてやっと買った自転車です。定価は128,000円と超高価でしたが、在庫整理で90,000円で買いました。若い頃は1日200kmくらい走りながら全国を旅しましたが(と言っても遠くて新潟〜東京〜京都)、寄る年波には勝てず、サドルを下げ、ハンドルをアップし、フロントギアー(杉野マイティービクトリー)を52から48に下げ(最初48のギアがインナーに付いていました)、ポタリング仕様に改造しました。
 今では普通ですが、変則レバーがドロップハンドルの端に付く、当時としては最先端のメカが付いていました。でも当時はそれがいやで、わざわざ普通のタイプのレバー(サンツアーSL改)に変えました。このごろ、往時のスタイルに戻そうか思案中です。

 フレームには、今は無き石渡017がきれいなイタリアンカットラグで接続されています。ブレーキはグランコンペのセンタープルブレーキが使われています。当時自転車のトップメーカーが送り出した本格的ロードレーサーです。その後、丸石は安価なロードレーサー販売に主力を切り替えてしまいました。
フレームには一切のロゴが無く、シートチューブが寂しかったので「VICTORY]のロゴを自分でスプレーしました。

2012年4月30日
 10年以上前にポタリング仕様に改造していたロードレーサーを連休中に元の姿に戻すことにしました。結構乗りやすかったのですが、時が経つにつれ、なんだか可哀相になってきたので意を決して作業に入りました。

 まずはハンドルの交換から開始しました。年数が経っているため結構手こずり、グリップが外れなかったり、古いドロップハンドルが、ステイ(日東パール)にうまく入らなかったり、最後のブレーキワイヤーセットまで1時間30分くらい掛かってしまいました。40年近く経った自転車ですが、一部の鉄部品に錆が出ていますが、比較的きれいに保ってきたと思います。

 ようやく昔の姿に近づいてきました。トウクリップは鉄のため、かなり錆びていたので後日コンパウンドで磨いてから付けようかと思います。オリジナルのバーテープは革製だったのですがボロボロになってしまったので、新品を巻く予定ですが、何色にしようか、素材は何にしようか迷っています。オリジナルのサドルは格好悪いのでこのままチネリでいきます。久しぶりにドロップハンドル使用で48×13(サンツアーウイナー)を踏んでみましたがやっぱり重いです。昔52を難なく踏んでいたことが信じられません。靴屋さんで溝を打ち付けてもらった、昔の黒いレーサーシューズも捨てなければよかったなと思いました。

 想えばこのロードレーサーの頃を境に各社ともスタイルが大きく変わりました。ある意味日本の古典的ロードレーサーの最後の形かもしれません。これ以降一番変わったポイントはフロントフォークの曲がりが浅くなり立ってきたことです。さらにリアタイヤはシートチューブに限りなく近くなり、ブレーキはセンタープルからサイドプルへ、ラージハブ(この自転車はサンシン製)はスモールハブへ、そしてシマノジュラエースの台頭かなと思います。このロードレーサーはすべての古いスタイルを残しています。

写真下のサンツアー製変則レバーがドロップハンドルの端に付いていましたが、フロント回りがごちゃごちゃするし、ハンドルの握り心地も悪いので今回も見送りです。