畳のよさを見直そう

近年の家は手入れの簡便さからかフローリングを主にした作りが多く目立ちます。
ですが日本の家には古くから使われている畳が合うのではないでしょうか。
ここでは畳に関する豆知識と共に正しい使い方などを紹介します。


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畳の性質と効用 日本の風土と畳 畳と健康
正しい使い方とアドバイス 畳の情報・い草風物詩 畳豆知識


【畳の性質と効用
多目的使用 ★ひとときのゴロ寝や家族団らんの居間として、座卓ひとつで客間に、来客用の寝室に、こたつを囲んで娯楽室、お茶・お花などのお稽古場に。
浄化作用 ★畳表は二酸化窒素ガスを吸収する作用があります。知らず知らずのうちに室内の空気を綺麗にして健康な環境作りに役立っているのです。
保温・断熱効果 ★冬、室内の暖かい気温を外へ逃さず、夏は高温の外気の進入を防いでくれます。
吸湿・防湿作用 ★梅雨時などの湿気の多い季節は水分を吸収し、逆に室内が乾燥してくると蓄えた適度な水分を放出するというエアコンのような作用を備えています。
吸音効果 ★隣の部屋や真上の部屋等がフローリングだとこちらに音が響きますが、畳だと音を吸収して響きません。また、テレビやステレオ等の音響製品の音も畳だと和らげてくれます。
弾力があって安全 ★お年寄りや小さなお子さんが転んでも弾力性のある畳なら堅いフローリングよりも安心です。
鎮静効果 ★畳の部屋はい草が醸し出す香りで疲れた身体を癒し、心を静めてくれ、まるで森林浴をしているような効果を与えてくれます。



【日本の風土と畳】

大和民族の生活の知恵 ★畳は大和民族の生活の知恵が生み出した日本の風土に最も適した敷物です。気象の変化が激しい日本の自然環境の中で、夏は涼しく冬は暖かく室温を保ってくれます。
 年間平均湿度73%と言う我が国では畳が吸放湿の役割を持ち、暮らしやすい環境としてくれます。普通、畳1枚に約500ccの水分を吸収することができ、乾燥してくるとその水分を放湿してくれるのです。
 これらの効用の他にも睡眠中の汗を吸い取り、ベッドと比較して背骨に与える好影響など、健康上からも畳が見直されています。また、子供を育てるうえでは畳が最も安全で、安心して育児ができることも見逃せません。
 私たち日本人の先祖が生み出した畳は、今も日本に住む人々に愛されつづけているばかりでなく、海外でも高く評価されています。



【畳と健康】

空気を浄化する ★大気汚染の元凶とされる二酸化炭素は人間の健康をむしばみつつあります。畳はその二酸化炭素を吸収し、空気を浄化する作用を持っていることが『東大工学部西村研究室』の方々の研究により明らかになりました。
二酸化炭素の吸収実験 ★『東大工学部西村研究室』では使用時間の少ない部屋の空気は二酸化炭素の濃度が日中、人のいる部屋に比べて半分しかないということを発見。そして、その部屋の中に二酸化炭素を吸収する何かがあるのではないかと実験を進めました。ナイロンストッキング、系と、木綿などの衣類、ふすま紙、障子紙、畳表などについての二酸化炭素吸収実験を行ったのです。その結果、畳は新しいものでも古くても、乾いていても、湿っていても、その状態に関わらず抜群の二酸化炭素吸収力を記録しました。
  『昭和56年6月10日・読売新聞朝刊掲載』
  『昭和55年6月2日・日本経済新聞朝刊掲載』
世界に類のない優れた敷物 ★畳は現代人を脅かす二酸化炭素を吸収し、しかも、日本人の心に安らぎさえも与えてくれるのです。自然の恵みを活かした畳は、精神と肉体の健康を守る世界に誇れる日本の知恵と言えるでしょう。



【正しい使い方とアドバイス】

お掃除の方法 ★畳の目に沿って掃除機でこまめに掃除して下さい。この畳の目に沿ってと言うところがポイントです。
風通しを良くしましょう ★しばらく晴天が続いた時には窓を大きく開けて室内に風を入れて下さい。その際、畳を片方だけ持ち上げてビンなどを土台にしておくと一層効果があります。また、除湿器やエアコンなどのドライ機能を使うと室内のジメジメした空気がなくなってカビの問題もほとんど解決できます。
★できれば年に2回くらいは日干しをしたいものです。良く晴れた日に畳を裏返して天日で干します。乾いたら竹などで叩いて埃をとりましょう。
重ね敷きはしないで! ★畳の上に絨毯やカーペットを敷くご家庭が増えています。これは畳の呼吸を妨げ、二酸化炭素吸収の邪魔をするばかりではなく、埃が溜まり、虫の発生を促すことになります。畳の寿命を縮めることにもなりますし、カビが生えるとそれを餌にしてダニが発生しやすくなります。
重い物を置かないで! ★ピアノや机のように脚のある重い物を畳の上に直に置くと重量が局部的にかかってしまい、畳表も畳床も傷みます。段ボール紙や薄いベニヤ板を敷くなど処理をしてから置きましょう。
床のデコボコも嫌いです ★どんなに立派な畳でも敷いている床のデコボコには勝てません。早めに床の修理をすることをお奨めします。
新聞紙の意外な盲点 ★床板と畳の間に新聞紙を敷く人がおりますが、湿気の多いところでは湿気を取るはずの新聞紙がかえって湿気を呼んでしまいます。また、部屋の中で洗濯物を干すと畳に湿気を吸わせてしまいます。ですから部屋はいつも風通しを良くしましょう。湿気取りのために紙を敷く場合は、防虫、防湿効果のある畳用のシートが売られていますのでこれを利用して下さい。問い合わせはお近くの畳店まで。
裏返しと表替え ★日に焼けて汚れてしまった畳でも表替えや裏返しをすると見違えるような畳になります。お早めに畳替えをしていつまでもい草の香りのする綺麗な部屋で快適な暮らしを楽しめます。
  『表替え』は4〜5年、『裏返し』は2〜3年に1回を目安にすると良いでしょう。



【畳の情報・い草風物詩】

初めは ★畳は平安時代にその姿形を現し、科学万能と言われる新時代にあっても、畳の持つ素晴らしい天然素材の特性を活かし、湿度が高く、気温の変化の多い日本の風土に最も適した敷物として今日まで愛されつづけています。
畳表について ★畳表の原料である“い草”は湿地に自生する多年生植物。現在は熊本・福岡・広島・岡山・石川・高知などで栽培されています。
 1枚の畳表を織るのには、およそ4〜5,000本のい草が使われ、その質・長さ・色調が品質を決める重要な要素になっている。織られている経糸には麻糸と綿糸があり、麻の方が強く、高級品に使われています。また、畳表には各主要産地による呼称がつけられていて、広島県産を備後表、岡山県産を備中表、熊本県産を肥後表、福岡県産を筑後表、高知県産を土佐表と言ったように幕府体制によって確立された藩名を畳表の呼称として現在も使われています。
 この他に青表(琉球表)があり、この表の耐久力が抜群で火気に強いため、柔道畳や作業場に縁(へり)を付けない縁り無しで使われています。
い草って...? ★熊本県は、全国のい草の8割、畳表の約7割を生産しており、圧倒的なシェアを持っています。色調が揃っており、耐久性に優れ、標準品より上級品まで種類が豊富です。8月に苗床から健康な苗だけを1株1株丁寧に株分けをして12月の寒いときに本田(ほんでん)に植え付けられます。
 翌年の5月上旬頃、い草の先端を刈り取り、根本に日光が通るようにして新芽の発生を促します。そして良質のい草を育成させるために5唐月にかけて肥料を施し、6月中旬〜7月中旬にかけ、よく充実したい草を機械で刈り取ります。熊本畳表の独特な光沢と香りを持たせるため、天然染土による泥染めを行い、織機で織り上げるのです。
 他県の畳表も熊本産と同じ仕上げ方ですが、特に広島県産の備後地草表は作付け面積は少ないものの備後特有の青白い銀白色が極めて美しく、耐久性もあり、最高級品として定評があります。
畳床について ★外観からは全く見えないのが畳床です。中身はいろいろあって、藁床、藁とポリスチレンフォームを組み合わせたサンドイッチ床、藁を全く使わないインシュレーションボードだけ、ボードとポリスチレンフォームの建材床、ポリスチレンフォームだけの化学床があります。
 藁床はよく乾燥させた藁を層になるように縦横に積んで40cm位の厚みのものを5.5cm位に圧縮し、縫い上げて作られる。藁床の長所は感触が良く、復元力に富み、耐久性は抜群です。そしてなによりも天然素材ですから吸湿、放湿の機能を持ち、室内の湿度調節役をしている。その他にも保湿性・弾力性・吸音性等、和室の良さを生み出す働きをしているのです。
 建材床は断熱性に優れ、軽い、施工しやすいと言う長所を持ち、品質にムラが無く運搬にも便利なこと等があげられます。
 化学床は水分を吸収しないため、湿気の多いところやコンクリートへの直敷き等に適しています。
畳縁について ★座る人の地位や身分を規制するために使用された畳縁は、絹・麻・木綿・化学繊維等の材料で織られた無地縁と柄縁があります。無地縁には栗茶・黒・紺・鴬・グレー・ピンク等があって柄縁にもシンプルなものやカラフルで非情に色鮮やかなものがあって部屋の雰囲気をいろいろとコーディネートできます。
現代の畳 ★健康素材である畳は現代のニーズに適応する器用さを持ち備えており、いろいろな感性に対応するために、柄表・ファッション表・刺繍表・カラー表・化学表等を取り揃えております。美の追究と生活様式に溶け込むため、フローリングに欠かせない半畳置畳も造られました。洋間での生活が長い人ほど和室の良さを思い起こされていると言います。
畳を一言で言うと “安らぎと団らん、くつろぎとふれあい”
 これほど畳に似合う言葉はありません。日本の文化を継承するメディアとして、畳の持つ大きな使命を覚えずにはいられません。



【畳豆知識】

畳のサイズ ★畳は京から発展したものですが、建築様式の違い等もあって全国的には様々なサイズがあります。
【本間間(京間・六三間)】京都、大阪、紀州から中国、四国、九州地方などでたいへん多く使われています。
【三六間】関東の一部で使われています。
【五八間】関東、東北など東日本の大部分で使われています。現在ではほぼ全国的に普及し、京間と並び代表的な畳です。
【団地間】近年新築された家屋に多く、特に団地に多く使われているのでこのように呼ばれています。
畳表 ★畳表の種類は、麻経引通し表と糸経引通し表、及びトビ込表(草の短いもの)とに大別されますが、各表共、色の良い(優美性)目方の重い(耐久性)ものが高級な畳表と言えます。
 表替えの時はなるべく良い畳表を使われた方が、わずかな差額で大変お得だと思います。(JIS規格畳表もあります)
畳床 ★畳床は水分15%以下にまで良く乾燥した稲藁を使用し、全体で40cm位の厚みのものを機械で5cmに圧縮して作られます。そのため、力強い弾力性と優れた耐久力を備えている所以です。
 近年、発泡スチロールやインシュレーションボードを素材とした化学畳床、或いはそれらの素材と藁を合わせた合成畳床が開発されました。これらは軽量、断熱(省エネ)、等の特徴を備えています。
畳の虫 ★現在の新築住宅は構造の変化、特に新建材、サッシの普及等で新畳に虫が出ることがたまにありますが、そのほとんどが湿気が多く換気の悪い締め切られた座敷に限られています。
 家の中が良く乾燥するまで扉や窓を開けて換気する様ご留意下さい。
 万が一、虫が発生致しました場合はスミチオン液(1000倍)を散布していただきますと一週間くらいで完全に出なくなります。ちなみに虫(ケナガコダニ)は人畜に無害で一度限りで後は発生しません。
畳の今昔 ★落ち着いた和室の畳の上に正座したとき、私たちは何となく心の安らぎを感じます。畳は日本人の心のふるさとです。
 太古の歌に「あし原のしけき小屋にすが畳いやさやしき我二人ねじ」とよまれています。古事記等によりましても大和時代、既に畳のような敷物があったことが記されていますが、この頃の畳は現在の“むしろ”の様な薄いものであったと思われます。
★現在の畳の形式をとるようになったのは平安朝時代で〇筵筵、当時は「厚畳」と呼ばれ、円座、筵などと区別され、高貴な方の敷物で身分によって畳の大きさ、縁の生地、色を違えていたようです。
★天皇、上皇等の最高位の人々は幅9尺、長さ16尺(長帖といった)の大きな畳に縁は玉虫調の縁。下位の「六段」になると座布団くらいの大きさで縁も黄色一色であったようです。これらは当時の絵巻物に描かれており、「北野天神縁起」には菅原道真の政敵、藤原時平が厚畳に臥している様も描かれています。
★身分による畳の差別は江戸時代まで厳しく残り、明治維新後、新政府になって初めて畳の使用、縁の種類等も自由になりました。
★旧漢字で畳という字を調べると冠の「田」が三つもある難しい漢字が出てきます。これは田圃からとれる稲藁を交互に積み重ねたとの意味があるのです。



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