★ジョシュ・バーネット秋葉原オタクツアー(2002/9/4)

■先週末は素晴らしい機会に恵まれ、なんと元UFCヘビー級王者であるジョシュ・バーネットと一緒にオモチャ屋巡りをしてきた。今回はそのリポート。

ジョシュ・バーネット
Josh "The Babyface Assassin" Barnett
1977/11/10 アメリカ・シアトル生まれ
AMCパンクレイション所属

■UFC36において、当時隙ナシと思われたUFCヘビー級王者ランディ・クートゥアを下し、24歳と言うUFC史上最年少記録で王者になったジョシュ。しかし、試合後の「今度はPRIDEのリングでノゲイラと戦いたい」と言う発言からPRIDE移籍が囁かれ、それがUFC側の反感を買ったのか、突然ドーピング疑惑をでっち上げられ、一度も防衛戦を行わずに王座剥奪+コミッション規定により、6ヶ月間の試合出場停止(実質UFC追放)を受けた不遇であり幻のチャンプ、それがジョシュ・バーネットだ。ちなみにPS2のUFCのゲームにも登場している。

そのドーピング疑惑については未だグレーだが、強さについては文句なく世界トップクラス、実際に打倒ノゲイラの最有力選手であることは間違いない。立ってよし寝てよし、パワーファイターが多いヘビー級戦線の中で、打・投・極を実践出来る珍しくテクニカルなタイプの選手で、常に一本勝ちを狙っていくアグレッシブなスタイルゆえにそのファンも多い。

■しかし、日本の格闘技ファンの中での彼の人気はその強さだけではなく、ある彼の横顔についての興味、人気が先行しているとも言える。その横顔とは彼が"オタク"を自称しているということ。そもそも本人がプロレス・格闘技オタクであることに加え、さらに日本のアニメ・漫画オタクだと言うことだ。

■雑誌のインタビューなどで発覚した彼のジャパニメーション好き疑惑は、インタビューでの対戦相手に対するコメント「お前はもう死んでいる」発言で日本の一部ファンの間で話題騒然となり、さらには先日のダイナマイト@国立のリングでも、サップのセコンドに付いていたジョシュが、試合後ついにノゲイラと対峙したと思いきや、そこでもまた「お前はもう死んでいる」と持ちギャグを披露、ジョシュを知るファンが会場にはほとんどいなかったようでイマイチ反応はニブかったが、極一部のファンはまさにその瞬間大爆発を起こした。(しかしその後の石井館長によるギャグ「せ〜の、だいなまいとー」で完全に炎は消沈)

■今までも、自らをドラゴンボール柔術と名乗り、試合後にかめはめ波を放ってしまうカーロス・ニュートンや、チェンジマンの主題歌で入場して日本のファンのド肝を抜いたホドリゴ・グレイシーなど、外国人格闘家の中にも、オタク要素を持つ選手は何人か確認はされている(ムリーロ・ニンジャがジョー東のタトゥー入れてるって噂の情報希望)。特にカーロス・ニュートンに至っては、好きな漫画は「影技」(!)、来日の際にはメッセサンオーに直行し紙袋いっぱいにゲーム(エロゲ?)や漫画(同人誌?)を買い込み、さらには先日の来日の際になんと吉野家が大好きと言うチャンコロが大喜びするような発言まで披露してくれた筋金入りのオタクである。

ではジョシュは一体どの程度のオタクなのだろうか?ニュートンを超えるほどのオタクであった場合、これは事件である。そんな興味が渦巻く中、「NHB News and Forum」と言う格闘技サイトにて、ジョシュ・バーネットと連絡を取り合っている方がおり、ジョシュが来日の際に東京のオモチャ屋を案内すると言う爆弾企画が持ち上がっていると言うではないか(ジョシュはオタクなのでもちろんネットもバリバリやる)。その企画の立案者であるグリフォンさんは、あまりその手の店に詳しくないと言うことなので、そういうことなら多少はお手伝いできるかと連絡を取り、オレも参加させてもらえることとなった。

と言うか、その事前のジョシュとグリフォンさんのやり取りがすでに最高で、ジョシュいわく「来日の際には海洋堂の北斗の拳フィギュアとか、キン肉マンフィギュアが欲しい」発言!いきなり「海洋堂」って単語出てきちゃてるよ、おいおい。さらにジョシュはグリフォンさんのハンドルネームに対して「グリフォンって名前はベルセルクから取ったの?」発言!(でもこれはグリフィスのことかな?)。グリフォンさん自身の「いや、パトレイバーから取ったんだよ」との返事に対しても「おー、パトレイバーはオレも好き。泉野明 so cool!!」発言!この時点ですでにかなり期待できそうなオタクぶりだ。

■その後、話は順調に進み、「ジョシュ・バーネット東京オタクツアー」がついに実現。前日にジョシュに渡すプレゼントとして、リモコン操作でケンシロウが喋るフィギュア型時計を購入していざ当日。宿泊先の新宿のホテルで待ち合わせ。10分ほど他の参加者のみなさんと談笑してると、ホテルの奥からタンクトップ一丁にハーフパンツと言うモロに西海岸スタイルのゴツいけど童顔なあんちゃんがきた!今まさに自分の目の前に、憧れのUFC王者(同い年)が!

「ナ、ナイストゥーミーチュー!」
「hi! Nice to meet you!」(握手)
「あのこれ、プレゼントフォーユーで、えーとケンシロウ・トーキングクロック・・・北斗百烈拳!・・・ケンシロウ・セイ!アンド・タイム!」
「Oh! Kensiro Talking Clock?! Thank you!」

みたいな。まず自分の英語力のなさに驚いたが、果たしてプレゼントは喜んでくれただろうか。

■と言うことでツアーはスタート。この日のルートは新宿まんだらけから新宿で昼食を取ったあと、総武線で秋葉原行って秋葉原デパート→ラジオ会館散策と言う内容。以下、細かく書くとキリないので、今回はアニメ・漫画関連のオタク話に限って特筆すべきところを箇条書き。カタカナがジョシュ発言(もちろん実際は全部英語だったけど)。

■新宿まんだらけ
・まんだらけの店頭にはガチャガチャコーナーが。「日本のオタクの間では最近ガチャガチャが流行ってるんですよ」ってことを通訳の方に伝えてもらうように頼んだんだけど、でもガチャガチャって単語が通じますかね?英語でなんて言うんですかね?みたいなこと話してたら、ジョシュが横から「アー、ガシャポンネ」ってあっさり。

・その場でさっそくガンダムWのガチャに挑戦するジョシュ、そしてシェンロンガンダムを当てて喜ぶジョシュ。その後カプセルごとズボンのポッケに入れたので、1日中ポッケが丸くふくらんでいた。UFC王者のポッケがガチャガチャでふくらんでるなんて!

・まんだらけ1つ目のフロアは食玩のバラ売りフロア。片っ端から興味深そうに見ているジョシュ。目をキラキラさせながら順番に箱を持ち「ア、アシタノジョーダ」、「ア、ゴルゴ」、「ア、ルパン」、「ア、新日(笑)」とスラスラと名前が出てくるのが凄い(今思えばこれはまだジャブだったが)。新日のフィギュアを一体ずつ見て「コレハカシンデショ、チョウシュウデショ、テンザンデショ・・・エートコレハ・・・」「これは小島」「ソー、コジマダ!」ってな会話しました。

・ジョシュが「ルパン」を発音するときに、英語的な発音で例えば「It's lupin The 3rd」って言うんだけど、こっちが「え?なに?」って聞きなおしたりすると「It's ルパン」って日本語の発音に言い換えてたりしてた。すごい。おそらく英語字幕付きのビデオを見て情報を得ているので、文字としての知識だけじゃなくて音声で発音を覚えちゃってるんだろう。

・中古ゲームソフトコーナーはメガドラとかセガマークIIIとか渋いのしか置いてないんだけど、両方とも本体は持ってるようだった。

・「ア!カウボーイビバップ!コレ好キナンダヨネ。サントラモモッテル」

・セル画コーナーで「ガンダムノセル画アル?ボク、ブライトノセル画モッテルヨ」とのこと。なんでブライト。この辺からもう何言っても驚かなくなってきた。

・B2階に降りる階段の途中のショーケースに気になるフィギュアを見つけた模様。なにかと思えばヴィナス戦記のプラモだった。ヴィナス戦記は知らなかったらしいけど、それに目をつけるとはいいセンス。

・まんだらけB2階はプラモや大きいフィギュアのフロア。ここでジョシュはデビルマンとジャイアントロボ、ゴルゴ13等のフィギュアを購入。Gロボは平成版。オレは見てないけど、Gロボの真似とかしてたらしい。

■移動中の電車内
・PS2の「はじめの一歩」の面白さについて、身振り手振りで熱っぽく語るジョシュ。ゲームも結構やるらしい。「デビルメイクライ、ヤッタ?ヤッテナイノ?オモシロイノニ」とか、「キングオブコロシアムハ買ウ?ファイプロシリーズ最高ダヨネ」など、爆笑発言連発。「バーチャと鉄拳はやんないの?」との問いには「両方トモヤルヨ。鉄拳ハ4ヨリタッグノ方ガ面白カッタ。マー4モヤッテルケド。ボクサーノスティーブ使ッテルンダ。バーリトゥードノキャラモイルケド、アリャ酷イネ。弱イシ」みたいな。

■秋葉原デパート
・駅降りてそのまま新装した秋葉原デパートへ。いきなり広がるガンダムフロアにジョシュ感激した模様。しかしいろいろ物色するのかと思いきや、迷うことなく「08小隊デ、シロー・アマダノ乗ッテタ陸戦型ガンダムガ欲シインダケド。アルカナ?」と最高発言。欲しいものはチェックしてきたらしい。ここではMS IN ACTIONの陸戦型ガンダムとケンプファー、リックドムを購入(他にも好きなモビルスーツがギラドーガとか渋いのばっかだった)。あとオレがジョシュに陸戦型ガンダムが欲しいのか、それともEz-8が欲しいのか、ってことを聞こうと思って「Ez-8?Ez-8?」って言ってたんだけど全然通じなかったのは、多分オレの発音だと「EG-8」になってたんだろな。「イージー」じゃなくて「イーズィー」じゃないと。

・でもアプサラスのガレキかなんかが展示してあって、「ジョシュ、アプサラスはどう?」って聞いたらアプサラスは知らなかった模様。08小隊、最後まで見てないのか。

・店の前にあったガチャガチャでザンボット3を見つけるジョシュ。デカい超合金持ってるらしい。

・本屋の前を通過するときに、ジョシュが平積みされてた「高校鉄拳伝タフ」を手に取って見てたので、周りの参加者がみんなで「ジャパニーズ・フェイマス・ファイティング・コミック!」とか紹介してたんだけど、「知ッテル、知ッテルヨ。ダッテホラ」と見せてくれたのは、財布の中のタフテレカ。なんでそんなの持ってんだよ。全プレかな。つか、サイフに漫画のテレカって小学生すぎるよ。

・フィギュア売り場ではその数の多さに興奮するジョシュ。浪漫堂のキン肉マンフィギュアを見て「王位争奪編デ出テキタノッテ、フェニックスデショ、ソルジャーデショ、ゼブラデショ、マリポーサデショ・・・アレ?アト一人ダレダッケ?」と言う、超ありがちなド忘れをするジョシュ。そうなんだよ、ビッグボディだけいつも出てこないんだよな。

・ジョジョのフィギュアがあったので「ジョジョは好き?」って聞くと、「マアマア好キダケド、バオーノ方ガ好キカナ」との答え。隙ナシ。

・「ボトムズは好き?」って聞いたら、キリコが何ちゃらって早口で即答された。何言ってるか分からなかったけど、いきなりキリコが何ちゃらって言うくらいだからボトムズも好きなんだろな。

■ラジオ会館
・ジョシュ本人が一番来たがってた海洋堂ホビーロビー到着。入り口付近にはお目当ての北斗の拳フィギュアが。微妙に無口になるジョシュ。必殺仕事人のフィギュアを見せると「オー、モンド!シュピャー!」と風車を投げる真似。風車は弥七だけどな。でもなんで必殺シリーズまで知ってんのよ。

・デビルマンのフィギュアの箱に書いてあったキャプションを「リミテッド・エディション」って教えてあげたら即買いしたジョシュ。限定に弱いオタク的行動。

・北斗の拳はファルコのフィギュアを買うことにしたものの、リデコ版のマントの色違いで迷うジョシュ。

・店の外のショーケースに北斗の拳フィギュアが全部並んでるのを見て大興奮のジョシュ。並んでるフィギュアを指差して「ハートデショ、スペードデショ、アインデショ・・・」と一通り名前を言い当てながら「ラオウ編ヨリ、カイオウ編ノ方ガ好キ」などと言うジョシュ。

・突然「ファイブスターストーリー知ッテル?アレ好キナンダケド、ドッカニナイカナ?」とのこと。参加していた人の中に詳しい人がいて、上の階のボークスにいけばたくさんあるとのことなので、ボークスに移動。

・さっそく店先に平積みされてるナイト・オブ・ゴールドの箱を見て感嘆の声をあげるジョシュ。「ワオ!コレ重クナイ?プラモジャナイノカナ」レジンキットのガレキなので重い模様。ちなみにプラモは基本的に作らないらしい。

・その横に並べてあったFSSのムック本を見て「コレノ英訳本、紀伊国屋カラ取リ寄セテ持ッテル」とのこと。またその会話の中から「エルガイムハ好キ?エルガイムモカッコイイヨネ」と言う発言が。永野護好きか。実際その会話の中では永野護の名前は出なかったんだけど、それは日本のオタクの常識であるように、彼の中でも常識レベルの知識なんだろう。

・ここでもまたショーケースに並べられたモーターヘッドを「レッド・ミラージュデショ、ジュノーンデショ・・・」と嬉しそうに指差し確認するジョシュ。個人的にFSS知識が浅くて会話できなかったのが心残り。勉強不足。

・マクロスのフィギュアを見て「コレヨリデカイノ持ッテル」発言。

・ビッグオーのフィギュアを見て「ビッグオーハ面白カッタヨネ〜。ホラ、オレGロボ好キダカラサ」発言。ビッグオー見たかったけど、WOWOWで見れなかったんだよ。

・ベルセルクのフィギュアを見て、ここ最近見たアニメの中じゃ一番面白かったってことを熱く語るジョシュ。

・雨宮慶太の「未来忍者」のフィギュアを手にとって「コレ、ゼイラムノ監督ノヤツダネ」とジョシュ。戦隊モノとかの特撮はあんまり見ないらしいけど、そういう知識はあるんだな。

・男塾は知らないらしい。

■参加者からのプレゼントに、何か好きなの買っていいよとの提案に、ジョシュはもう一度秋葉原デパートに戻り、刃牙フィギュア3体(刃牙、勇次郎、独歩)を所望。ここでも刃牙の色違いで迷うジョシュ。

再び総武線で新宿に戻り、ホテルの前で記念撮影して解散。着てたシャツにサインと「お前はもう死んでいる」って書いてもらった。今後ジョシュの試合はこれ着て応援しよう。
いやしかし、初めは北斗の拳とかキン肉マン好きだって聞いて、まあ外人だしオタクって言ってもその辺止まりだろうと思っていたものの、実際はこのありさま。自分の周りにもオタク、もしくはオタク要素を持つ人はいるけど、ここまで幅広く深い知識持ってる人はさすがに少ない。少なくとも一般的な日本人の知識は超えてた。

時系列やジャンルにとらわれずにここまでの知識をもっていると言うことは、海外だと流行りに関係なく素直に自分の好きなものを楽しめる環境であることと、それに対するネガティブな意識がまったくないと言うことなんだろう。同じオタクでも日本人とはやっぱり感覚が違うような気がした。

それより何より、やっぱり言葉の壁は厚い。英語が喋れなくてもどかしすぎた。多分、言葉が通じれば1日中でもオタ話に花が咲かせられたと思う。非常にもったいない。本当に英語を勉強したくなった。

■まだまだ日本では格闘技ファンの中でも知名度的にはイマイチなジョシュだが、今回の出来事は一部ネット上で少なからず話題になり、格闘技ファン層だけでなく、同種のオタク層にも興味を広げられる出来事だったと思う。恐らく年内、もしくは来年頭にも日本で試合をするはずなので、その際はジョシュの発言に要注目だ。

個人的にも同い年かつ同じ趣味と言うことで、今後は全面的に応援していきたい。最後にジョシュの言葉を借りて今日は終わろう。

I will be the Chojin-Otaku! :-)