プロローグ
ことの始まりは、遊びで石釜を作ってパンを焼こうかと思ったことからです。もったいないので売った方が良いですよと言われ、パン釜を自分で作って、パンを売ることにしました。パンも窯をわからないのでネットで調べると、それこそたくさんの情報があふれていました。
近くにも石釜のパン屋さんがあることが分かり、幸田町の「D」と闇苅渓谷の「P」を訪ねました。「D」は薪を使用する煉瓦窯で、あまり参考になりませんでした。「P」の方も煉瓦窯で、石臼で粉を挽いていました。何だか自分に合っているなと思い話をしたら、ガスを使用した煉瓦窯が刈谷にオープンしているという話でした。しかし400万円もすると言われ殆どあきらめました。
その刈谷の「P」に行きましたが、窯のとてつもない大きさにびっくりし、金額もそうだがとても設置できるところがないと思い完全にあきらめました。
ある日あるサイトの中で紹介されている竹下晃朗 氏の「高温蒸気焼成」が気になり、メールして竹下氏を紹介して頂きました。すぐ電話し、早速京都に在住の氏を訪問しました。
目的の窯を見せていただき、なおかつパンも試食させて頂き、とても納得しました。ガスを使用する連続焼成窯で、「高温蒸気焼成」のノズルを付けた簡単な構造の窯です。断熱煉瓦を使用するもので、自分で作れば安いと言われ、その気になってすぐ注文していました。
窯の大きさを決めるのに、どの位のパンをどれくらい焼くかがなかなか分からないので苦労しました。最初4段くらいのパン窯を考えていましたが、豊橋のぱん工房「P」で作業を見学させてもらったら、2段で十分と思いました。
最初言われるままに4段にしようと思いましたが、最終の注文では3段にしました。それから何回かの手紙やFAXで、いろいろと不都合やら分からないことが出てきました。耐火煉瓦の使用と断熱煉瓦の使用と普通煉瓦の使用の違いもなかなか理解できませんでした。
竹下氏の窯を実際に作成し、営業しているKさんの話では、温度が上がりにくいと言うことでした。この辺のことを竹下氏に話したところ、断熱煉瓦で作るが前面は鉄板だけということでした。これでは熱が逃げてしまうと言ったら、全部煉瓦を使用することは金額ものすし、もう鉄板は作成しているという。
さて困った。このままではガスをたくさん使用する割に、熱が上がらないとジレンマが生じる。そのうち煉瓦積みの方法を書いた手紙が送られてきました。これはとても素人が出来ることではないと思い、思い切ってサイトで知った岡崎の「大島石材店」さんに大谷石での窯の作成を相談しました。
竹下氏の構造材と前面パネルが来ると、その雑な作りに更にびっくりしました。そして落ち込んでしまう自分がありました。
しかし愚痴を言っても始まらないので、大谷石を基本とする窯の設計の変更にかかりました。設計図なんてあまり得意ではないけれど、そこそこに書いて大島さんに適当に解釈してもらいながら、パネルと鉄骨に合わせて作ってもらいました。その前にも鉄骨の加工も近所の鉄工場でかなり修正もしました。大島さんも苦労した甲斐があり、立派なものが出来ました。 |