〜私が愛して止まないクロノグラフのお話〜



■OMEGA(オメガ)のお話

■個人的な思い出

私にとってまず思い浮かぶのが「OMEGA(オメガ)」です。
そしてオメガと言ったら、やっぱり「SPEEDMASTER(スピードマスター)」でしょう。
その昔、若かりし頃の私はスピードマスターの自動巻をやっとの思いで購入しました。
勿論、私にとって初のクロノグラフだったのです。
ちょっと大き目の私の腕にはやや小振りではありましたが、そのシンプルなデザインはいつも私に満足感を与えてくれたのでした。
あれからもう何年経ったのでしょう。
私にとっても特別な意味をもつ「OMEGA」。
今回は特に「スピードマスター」に的を絞ってお話したいと思います。

*オメガには「シーマスター」をはじめ「デ・ビル」や「コンステレーション」等、素晴らしいモデルが他にも数多く存在します。
しかしながらこのコーナーはあくまでも”クロノグラフ”についてお話をする趣旨で開設しておりますので原則、これらのモデルについては言及しておりません。
何卒、ご了承下さい。

■スピードマスター・オートマチック

スピードマスターには手巻きと自動巻きが存在します。
そして後者はやや小振りなモデルです。
まぁ、あまりに前者が有名なのでその影に隠れてパッとしない印象がありますが、なかなかどうして結構人気があります。
正規品は定価17万円しました(最近、値上がりしたみたいです)。
いずれにしてもクロノグラフの入門機としてはお手頃なモデルだと言えましょう。



デザインは手巻きモデルとほぼ同じですが、サイズとムーブメントの関係上、インラインのメーターがちょっと外よりです。
また、ブレスも手巻きとは異なります。
しかしながら、ズッシリとした重みとオメガならではのシンプルさ、かっこよさはなかなかだと思います。
私も随分長い間、このモデルを愛用しました。
いろいろなことを私に教えてくれた記念碑的なモデルなのです。

 ☆データ
 
Ref.3510.50
 ケース直径:37mm
 ムーヴメント:Cal.1141
 SSケース
 自動巻き
 日常生活防水
 正規品価格:17万円

■スピードマスター・プロフェッショナル

前述の手巻きモデルがこれです。
「スピードマスターはやっぱりコレ!」と言う意見も多いです。
(私は結構面倒くさがりやなので、手巻きはどうしても敬遠してしまうのです・笑)
現在店頭で入手出来る新品は1997年に登場したものです。

このモデルの原型は1957年に生まれ、現在までに数多くの改良が加えられて来ました。
なかでも1969年の人類にとって初めての月面着陸に同行した時計として特に有名なのは皆さんご存知の通りです。
そもそもNASAの公式時計に採用された為、このような栄誉に俗することとなったのですが、その公式時計の座を最後までかの「デイトナ」と争った訳です。
結局、このモデルが勝利を収めた訳ですが、考えてみれば無重力状態の宇宙では手巻でなければいけない訳ですね!




オメガらしい、実にシンプル、かつ機能美に溢れたデザインは秀逸です。
裏蓋には”シーホース”のレリーフが刻印され、その周囲には初めて月面で装着されたことを示す文字が記載されています。
皆さんの中でもお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか?
大きさも程良く、所有する喜びを与えてくれる素晴らしい時計だと思います。
流通量も豊富なので、店頭でも見かけることが多いモデルでもあります。

う〜ん、やっぱり最高のデザインだと改めて思いますね、ホント。

 ☆データ
 
Ref.3570.50
 ケース直径:38.8mm
 ムーヴメント:Cal.1861
 SSケース
 手巻き
 日常生活防水
 正規品定価:25万円

■派生モデルは・・・

現在、このモデルには幾つかの派生モデルが存在します。
ざっと挙げてみると次のようになります(ご紹介を割愛したモデルもありますのでご了承下さい)。

(1)スピードマスター・プロフェッショナル・シースルーバック ↓

スピードマスター・プロフェッショナルの裏蓋シースルーバージョンです。
裏蓋にはサファイアガラスが採用されています。
また、その裏蓋を通して精巧なムーヴメント(Cal.1861)をじっくりと観察することが出来ます。
”裏スケ”と言えばZENITHの”エル・プリメロ”搭載機が有名ですが、オメガも十分カッコイイと思います。
その他は上記3570.50と全く同じです。
まぁ、裏スケだけの為に5万円アップが高いか安いかと言うのは個人の価値観かと思いますが、
私は「買い」だと思っています。
ただ、このモデルは何故か店頭で見る機会に恵まれておりません。
しかし、見たら欲しくなってしまうかも知れません。




☆データ
 Ref.3572.50
 ケース直径:38.8mm
 ムーヴメント:Cal.1861
 裏蓋シースルー仕様
 SSケース
 手巻き
 日常生活防水
 正規品定価:30万円

(2)スピードマスター・プロフェッショナル・アポロ17号限定モデル(2003年2月発売)

スピードマスターは唯一、月着陸に同行した時計として有名なのは前述の通りです。
そしてその名誉に尊敬を込めて”Moon Watch”と呼ばれています。
そのような背景から、これまでもいくつかの限定モデルを発売して来ました。
少し前も「アポロ11号限定モデル」が出されました(お持ちの方もおいでかと思います)。
今回、恐らく最後になるであろうと言われているこのモデルが発売されました。
裏蓋にはアポロ17号のエンブレムが刻印され、1972年12月14日の最後の月面着陸の記載がされています。
(宇宙飛行士のE.A.サーナン氏の文字も伺えます。)
これも製品自体は上記2モデルと全く同じです。
しかしながら、コレクターとしては是非手元に置きたい一品だと思います。



☆データ
  Ref.3574.51
  ケース直径:38.8mm
  ムーヴメント:Cal.1861
  裏蓋にアポロ17号のエンブレム刻印(世界限定3200本)
  SSケース
  手巻き
  日常生活防水
  正規品定価:27万円

(3)スピードマスター・ムーンフェイズ

一連のスピードマスターシリーズ中、ムーンフェイズ機能を搭載した高級モデルです。
基本的な構造は上記のものと同じですが、複雑なムーンフェイズ機能を搭載し、ベゼル部分が18KWGとなっています。
風防はサファイアガラス、文字盤はホワイトのみ。
また、時分針は1stモデルを髣髴とさせるもので、インデックスはブルー表示。

見るからに高級そうな時計です。
ただ、これもなかなか店頭にはないようです(私はとある時計店の店主さんのものを見せて頂きました)。
オメガのラインナップの中ではオシャレ度は隋一かと個人的には思います。
しかし、これも47万円もするので、せめて”裏スケ”と100m防水にして頂きたかったところ・・・。
それでも、各種ムーンフェイス付きの時計の中では私が結構欲しいものの上位に来るモデルです。



 ☆データ
  Ref.3575.20
  ケース直径:38.8mm
  ムーヴメント:Cal.1861
  ベゼル部分のみ18KWG、SSケース
  手巻き
  日常生活防水
  正規品定価:47万円

(4)スピードマスター・ブロードアロー

スピードマスターの中でも異色の高級モデル。
あのフレデリック・ピゲのムーヴメントを初めてオメガに搭載した記念碑的製品です。
ベゼルはムーンフェイズと同じく18KWGで風防はサファイアガラス。
時分針もやはり1stモデルと同様のカタチをしています。
個人的にはこのモデルが一番好きなのですが、やはりちょっと高い・・・。
そして、やはりせめて”裏スケ”にして欲しいと思う輩が結構多いはず。
それでも100m防水をうたっているのは非常に好感が持てます。

とにかく、このモデルはムーヴメントの良さに尽きると思います。
勿論、100m防水とデザインの良さも言うまでもありますまい。
人と違ったオメガを持ちたい、と言う向きには絶対オススメの一本でしょう。
とにかく存在感と自己満足度が高いモデルと言えるかもしれません。



☆データ
  Ref.3551.50
  ケース直径:38.8mm
  ムーヴメント:フレデリック・ピゲ社製Cal.3303搭載
  ベゼル部分のみ18KWG、SSケース
  自動巻き
  100m防水
  正規品定価:48万円
 *Ref.3551.20の白文字盤もあり。

■貴方ならどれを選ぶ?

オメガの製品は価格的にも大変リーズナブルで購入しやすいと思います。
ですから、上記のどの製品も結構な人気があります。

しかしながら、一言で”リーズナブル”と言いましても、殆どが20万円を超えるもの達なのです。
今のこの時代、20万円の出費と言うのはやはり高いと言わざるを得ないでしょう。
そうした意味においては”リーズナブル”と言う表現は、あくまでも”時計好き”と言う範疇でのものだと思います。
勿論、20万円以下でも素晴らしいものは沢山ありますし、20万円以上なら言わずもがなでしょう(笑)。
ただ、一般的に時計が好きな方ならこのような時計を1本でも所有したいのが正直な気持ちだろうと思うのです。
まぁ、大抵の場合、奥さんとの交渉が大変ですけれども・・・(笑)。

ついついお話がそれてしまいました。
スピードマスターの場合、大半が「日常生活防水」となっています。
ただ、日常の使い勝手を考えると、「日常生活防水」はちょっと厳しいような気もします。
(勿論、大体の場合は大丈夫らしいです。)
また、ちょっと人とは違ったモノを所有してみたい、と言う気持ちもあるかも・・・・。

と言う訳で、私のベストチョイスは「ブロードアロー」ですね。

何と言っても、「フレデリック・ピゲ社」製のムーブメント!
コレは素晴らしい。
あと、1stモデルを想起させる時分針の言いようのない懐かしさ。
ブレスも専用の改良型ですし。
アンチロレックスの方には絶対のおすすめでしょう。

■クロノグラフの銘機

このようにオメガはクロノグラフの分野でも大きな役割を担っているのです。
勿論、時計は他にも沢山あります。
しかし、まずはこの1本と言われるなら、やっぱり「3570.50」をおすすめすることでしょう。
何と言っても「ムーンウォッチ」ですし、価格も手頃。
そして、オメガならではの端正なデザインと機能美に溢れています。

皆さん、如何でしたか?
まだまだ舌足らずな部分が多いことと思います。
私自身も勉強していきますので今後ともよろしくご愛読下さいね。

それではまたお会い致しましょう!


(2003/04/22)
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