〜私が愛して止まないクロノグラフのお話〜

■ブライトリングへの想い

その昔、私は20代後半だった。
ある日、私は新宿の「伊勢丹」へ行き、何気なしに時計売り場を眺めていた。
と、そのとき、一つの時計が目に入った。
シルバーの金属感が印象的で、いかにもクロノグラフと言う風情。
しかも、数字がかなりゴチャゴチャしており、精密感あふれるモノだった。
私はすぐにそれが気に入ったのは言うまでもない。
早速、プライスタグを見る。
38万円・・・・・・!
これが、わたしとブライトリングとの出会いだったのだ。

何しろ、10数年前の話なので、正直言って細かい部分は良く覚えていない。
多分、目にしたのは極初期型の「クロノマット」だったろう。
勿論、パイロットブレス(金属製ベルトのこと)付きだったはずだ。
とにかく、その精密さと頑丈そうな外観、そして何とも言えない重量感に惚れてしまった。
けれども、値段が、とても当時の私には買える代物では無かった。
38万円と言うのは、私の給料を遥かに上回るものだったし、時計にそれだけ出せる余裕も持ち合わせていなかったのだ・・・。

しかし、「ブライトリング」と言う名前だけは私の心に深く刻まれたのだった。

そして、月日は流れた。
私は”脱サラ”し、自営の道に入った。
そして、鹿児島の某店の存在を知った。
その店は大手ショッピングセンターの中に店を構えていた。
そこは時計は沢山売ってはいるが、いわゆる高級時計は店の内側に置いてあり、それらを見ることは大変勇気が必要だった。
ある日、私は意を決してお店の内側へと入り、ブライトリングを見せてもらった。
ショーケース内にきらめく時計群、私は思わず見入ってしまった。
ここでも目にとまったのは「クロノマット」だった。
値段は(金属製ベルト付きで)40万円くらいだっただろうか。
う〜ん、良い。
しかし、買えない・・・・。
さすがに店員さんには「お金が無いから買えない」とは言えなかった。

「クロノマット2000」

そして、2002年。
小さいながら、私は会社を立ち上げた。
11月に私はもう一度、そのお店に行った。
このお店に入ったのは、本当に久しぶりだった。
「会社を作った記念にブライトリングを買っていいよ!」と妻が許してくれたのだ。
このようにして、私はようやくブライトリングを手にすることが出来たのだ。
私の喜びはひとしおだったことは皆さんにもお分かり頂けることと思う。

私が買ったのは「クロス・ウィンド」と言うモデル(Ref.13355)だ。
文字盤は黒で、ローマ数字がなかなか趣がある。
大きさが約43ミリあり、全体のポリッシュ仕上げが気に入っている。
「クロノマット2000」も良かったのだが、私の腕にはイマイチ小さいようだった(笑)。
重量感もかなりあって、手首が疲れるほど。
しかし、「とても似合っているよ」との妻の推奨の言葉を頂いているのだ!

「クロス・ウィンド」

特徴あるローマ数字インデックス



私は毎日、ブライトリングを腕に付けて仕事に出かける。
長い年月を経て、ようやく手にすることが出来たモノだ。
これからの長い年月をこの時計とともに刻み続けて行きたいと思う。

ブライトリングは他のブランド同様、いろいろ言われている。
好きな人もいれば、そうでない人もいる。
しかし、買う人が満足していればそれに勝るモノはない。
何しろ、安い買い物ではないのだから。
私は思う。
一生モノの時計は素晴らしい、と。
勿論、安い買い物ではないので無節操に皆さんにおすすめする訳には行かない。
けれども、一つでもそのようなモノを所有し、その独特の世界に入ったら、人生の見方が変化するかも知れない、と考える。

皆さん、それぞれに思い入れの深いモノがおありかと思う。
その思い入れを大切にしながら、人生を豊かにして行ければ最高だと思うのだ。

(2003/08/18)
戻る