〜私と307〜

■307「MT」生産中止に思う

つい最近、307のラインナップからMT(マニュアルモデル)が姿を消すことを耳にした。
そう、右ハンドルのMTは5ドアは生産中止(3ドアは受注生産だったかな)となってしまったのである。
同時にXTグレードも生産中止になったとのこと・・・・。

要するに右ハンドルの国向けの上記モデルはあまり売れなかったと言うことらしい。



私は2002年春に307に乗るまでの約10年間、プジョーのMT車に乗ることをずっと夢見て来た。
街ですれ違うプジョー車であれば、それが206だろうが、306だろうが、405だろうが、406だろうが全てが輝いて見えた。
私にとってプジョーとの生活はそれ程、強い憧憬だった訳だ。

ある人にとっては何気ない、当たり前のことであっても、それを実現出来ない者から見れば羨望に他ならなかった・・・・。

そして、何たる幸運か昨年春に307に乗り換える機会を得た。
私は今でも、「そんなに欲しいんだったら、この際買いなさいよ。」と許してくれた妻の言葉が忘れられない。
私は何が何でも今度はMTに乗りたかった。
それはプジョーとの空白の10年間を埋めたい一心で決めたことだったのかも知れない。

それ以来、私の307は大変良く働いてくれている。
勿論、ノートラブルでは無かったけれども、個体としては間違いなく「アタリ」だと思う。
憧れだったプジョー、5ドアで使い勝手も申し分なし、おまけにMTと私はこの1年あまり大いに満足した毎日を送って来たのは言うまでもない。

しかし、やはり日本ではMTを拡販することは難しかったようだ。
日本のAT比率は世界的にみても特異であると良く言われる。
さすがのプジョーもこのような事情には勝てなかったと言うことか。

このニュースを聞いて、私はプジョー・ジャポンを非難する気持ちは全く無い。
いや、逆に大変感謝している。
もし、私が307を買うのが1年以上遅れたら、MTに乗る夢は叶わなかっただろう。
その点、2002年に買う決心をしたことは、非常に運命的だし、ラッキーだったと思う。
そして、その時にMTをラインナップに加えてくれていたプジョー・ジャポンにも心から有難うと言いたい。

私たちは個人である。
個人的な都合で、外野からあれこれ言うことはたやすいことだ。
しかし、いくら趣味的な部分があるとは言え、クルマのメーカー(やそのインポーター)に対して声高に具申するのはどうかと思う。
彼らにはまず生き残ってもらわなければならない。
その為には、ある程度の最大公約数的な戦略も止むを得まい。
我々ユーザーは彼らのそう言った台所事情も理解した上で前向きな意見を彼等に送るべきだと思う。

その意味では、プジョー・ジャポンはなかなか頑張ってくれていると思う。
MTの導入にも積極的であるし、607や406クーペも取り扱ってくれている。
一旦、導入した後でメーカーが断念するのは私たちにも責任があろうと言うものだ。

世の中には完璧なクルマは存在しない。
しかし、各個人の好みや用途に適合するクルマは存在する。
加えて、最近の嗜好の多様化はクルマの世界にも大いに影響していると思う。
このような中で「良心的な」自動車メーカーが採算を割らずに営業を継続して行くのは至難の技ではないかと私は考える。
プジョーがそのような「良心的な」メーカーであるか否かは皆さんご意見の分かれるところだと思う。
しかし、私は自信を持ってそう言いたい。

私たちの生活の中でクルマはまだまだ必要とされて行くことだろう。
そしてどのようなクルマを選ぶかは全くもって私たちの自由である。
何十年か後になって、選択可能な車種にしっかりプジョーも残っていて欲しいものだ。
出来ればMTも選べる状態であって欲しいと願うのは私だけではあるまい!
今後もより良いプジョーライフが送れるようにエールを送ろうではないか。

頑張れ!プジョー!
頑張れ!プジョー・ジャポン!
頑張れ!日本のプジョー乗り!
頑張れ!世界のプジョー乗り!!

★ちなみにMTモデルの生産中止に関する詳細な情報は次の通りとなっている。
XT5ドアMT&AT:生産中止
XS5ドアMT:生産中止
XSi3ドアMT:生産中止
XSi5ドアMT:受注生産
Style5ドアMT:生産継続
(2003年6月17日現在:ユウスケさん、情報いつも有難うございます!)

(2003/06/17)

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