〜私と307〜
■307の考察(2003年8月)その1 |
■10万ヒットを記念して・・・・。 皆さん、こんにちは。 「プジョー的生活」も目出度く10万ヒットを達成しました。 いつもご覧頂き、本当に有難うございます。 これからも宜しくお願い申し上げます! なぁ〜んてご挨拶はココまで。 サイトのメインコーナーであった筈の「私と307」ですが、書く方もついつい力んでしまう為か、更新がなかなか進まなくなっておりました(苦笑)。 そこで、今回は10万ヒット突破記念としまして、原点に戻り、2回に渡り307と言うクルマをいろいろと考察してみようと思います。 少々長文になるかと思いますが、どうか最後までお付き合い下さいませ! ■我が「307」の感想を一言で言えば 我が「307」が納車されたのは2002年の4月1日。 月日の経つのははやいもので、それから約1年半の時間が流れた訳です。 この間の走行距離は29,524kmに達し、給油の回数は約50回にも及びます。 何気無い日常の積み重ねにより、結構な記録が残されているのですが、正直言って”呆れる程快適”と言うのがこれまでの感想です。 ■まず、FAQなんぞを(笑) 以下、皆様のご質問やあちらこちらの掲示板等で良く見かけるトラブルその他について、私なりにまとめてみました。 (1)プジョーって壊れないの? プジョー車の販売増に伴って、購入を考えていらっしゃる方々がまず思い付く疑問がコレでしょう。 実際、私は一昔前以上にプジョー車を2台乗り継いだ経験があるので、特にこのような疑問には関心があるのです。 技術が著しく発達した今でも、残念ながらある程度の”個体差”は存在します。 しかし、それは特にプジョーに限ったことでは無いのです。 まず、それを認識して頂きたいのですね。 じゃあ、「個体差を超えた部分ではどうなの?」ってお話になって来ると思います。 「一般的にはそう簡単には壊れません。国産車レベルにかなり近づいていると思います。」と私は答えるでしょう。 確かに「カローラ」や「サニー」辺りには信頼性は劣るかも知れません。 しかし、「レガシィ」や「マーク2」、「セドリック」・・・つまり、ちょっとイイ車達に比べれば信頼性は決して負けてはいない、と思うのです。 後は乗る人間の感じ方による部分が大きいと言えましょう。 小さいトラブルを大きいトラブルと感じる方もいて当然です。 ”輸入車”と言うモノに特別の感情を抱いて購入された方の期待を裏切る場合も少なくないかも知れません。 私の場合、エアバッグの不具合がありました。 これは確かに大きなトラブルだと言えましょう。 しかし、これは販売間もなくのクルマとしては当然、考えられることですし、それ以外の故障の類は皆無なのです。 繰り返しますが、私は昔のプジョーのクオリティをある程度知っているつもりです。 それを考えれば、現在の品質は雲泥の差がある・・・勿論、良い意味で・・・と断言出来ると思います。 特に2002年秋以降のクルマは細部に品質改良が施されつつあるようです。 各スイッチのタッチやATのショック等、まさに307は”買い時”に来ていると申せましょう! (2)ATの変速ショックが大きいと聞いたんですが・・・・ まずお断りしておかねばならないのは、プジョーのATは基本的にスポーティであると言うことです。 言い換えれば、エンジンブレーキを利用して自由自在に加速減速を行う、と言うポリシーなのですね。 これに賛成するか否かは個人の考え方だと思います。 私の場合、「確かにそれは分かる。でも、このシフトショックは頂けない」と思いました。 確かに初期のATは変速ショックが大きかったと思います。 個人的には、加速時はOKだったのですが、減速時はかなり辛いものでした。 けれども、これはあくまでも「試乗時」のお話です。 「307」のAT(”AL4”と呼ばれる)は電子制御で、ドライバーの運転特性に感応する、いわゆる”学習機能付”のものなのです。 私は試乗の際に、3速から2速への大きなショックと停止の際の2速から1速への小さなショックがどうしても馴染めませんでした。 また、時折、思い出したように起こる2速変速時の「ダーン」と言う大きな衝撃は「!!!」と危機感を煽るに十分でした(笑)。 更には、渋滞時の2速から3速にかけてのATの”まごつき”も乗る方の印象をスポイルするものだったと言えましょう。 しかし、考えてみて下さい。 試乗の時のこのような印象が全てでしょうか? やはり学習機能付のATでしたら、せめて5000キロは走った個体で判断すべきでしょう。 きっと、かなり違った印象を与えてくれるはずです。 もっとも、「SW」や「BREAK」、最近入荷分の全ての個体については、かなり初期反応も改善されているようです。 「206」や「406」、「607」に搭載されているATも基本的に同じものです。 最近試乗した「206Style」や「607Sport」のATはかなり印象が異なっていたのも事実です。 機械は少しずつ改良されていくのがヨーロッパの通例ですから、このATもだんだんと良くなっていくものと思われます。 このまま”国産ATの如く”スムーズになるのがベストかどうかは分かりませんが、少しでもこのような症状が軽減されればわが国でのプジョー乗りが爆発的に増えることも考えられると思います。 (3)「307」って燃費が悪くない? 私はドイツ車にも乗った経験があります。 一般的にみて、フランス車はドイツ車より燃費が良いようです。 私は以前「ゴルフ2」に乗っていましたが、燃費は明らかに「307」に劣ります。 市街の渋滞で5〜6km、高速でも11〜12kmで平均して7〜8kmだった記憶があります。 そのクルマは特に固体が悪くも無かったですし、VWはそんなところだと思います(現に「ゴルフ4」でも大同小異なようです)。 一方、フランス車はどうか? 私の「307」はMTなので、多少勘案する必要があるにしても、平均10kmは堅いのです。 エアコンを使わない時期だと12km前後で推移します。 他の「307」のAT乗りの人達のお話によれば大体平均8〜9km程度らしいです。 勿論、燃費は乗り方や環境に大きく左右されますから一概には言えませんが・・・。 大切なことはその比較の対象だと思います。 「燃費が悪い」と言うのは大体どれくらいの「低燃費」との比較を言うのか? どれくらいの車格と排気量を基準にして考えるのか? 燃費相応の乗り心地があるのか、無いのか? 私は「307」は結構経済的である、と考えています。 (4)307って”猫足”なの? クルマは最新技術の産物であるはずなのですが、乗る方の感じ方は技術一辺倒で行かない所が実に興味深いと思います。 確かに「406」くらいまでの基本設計においては”猫足”なる感触があったようです。 それはサスペンションのみならず、時にはボディまでもが路面からの衝撃を緩やかに吸収する、とでも言うべきものでした。 しかし、現代社会においてはプジョー自身、それはある意味”幻”であったことに気付いたように思えます。 その結果、「206」から始まる新たなるプジョーにおいては、割としっかり感のあるサスペンションに味付けが変わって来ているのです。 まぁ、この部分は大いに論議を醸す所なので詳しくは述べませんが、乗りやすさと耐久性及び安全性の3つのベクトルにはよりかなっていると私は考えます。 「307って硬いよね・・・」って不平を仰っている方がいらっしゃいましたら、どうぞ、15,000キロを超えた個体を運転してみて下さい。 きっとその快適性に驚かれると思います。 ただ、個人的にはもう少し後輪のしなやかさが欲しい、とプジョー・ジャポンさんにはお願いしたい所です(笑)。 (5)ボディ剛性や室内の建て付けは悪くないの? う〜ん。 これは残念ながら”ラテン車”の域を出ていないでしょう。 但し、一昔前のプジョーに比べればボディ剛性は大幅に向上しているのは間違いありません。 ドイツ車のさながら”巌”のような外皮には及びませんが、私はかなり満足しています。 昔は良く散見されたボディのフィニッシュの悪さも殆ど無いようです。 一方、室内のクオリティはもう少し頑張って欲しい部分もあります。 シートは大きめ(基本的に「607」と同じ)で、少々固めではありますが、フランス車らしい大変快適なものです。 ただ、その表皮がもう少し何とかならないものかと思う時があります。 私のXSのシート表皮はファブリックですが、今ひとつ質感が低いようです。 出来たらやや固めのベロア地であれば(XTのシートは触ったことが無いので)まだ良かったかなぁ、と思います。 ダッシュボードやメーター周り、エアコン周りのプラスチックの品質は飛躍的に向上しています。 ここあたりはドイツ車には及ばないにしても、まずまず満足出来るレベルだと思います。 しかし、建て付けはまだまだと言わざるを得ません(笑)。 天使の囁き・・・ではありませんが、走り出すとあちらこちらから”ギーギー”と言う音が聞こえて来ます。 しかし、そうは言っても、一昔前と比較すれば、かなり少なくなった方だと思います。 メーカーの方には、この調子で頑張って頂きたいものです。 (6)「AT装置異常」や「触媒装置異常」について 「307」で一番のトラブルがこれでしょう。 前者はAT車のマルチファンクション・ディスプレイに英語(又は仏語)で表示されるもので、トラブルの程度は千差万別。 どうやら、AT装置周辺のセンサー異常が原因らしいですが、未だに決定的な対処法が確立していないようです。 そのまま走り続けても支障が無い場合もあれば、ATの変速がおかしくなって、最悪のケースでは走行不能になる場合もあるとのこと。 何分、一番大切な走行系に関するトラブルなので、プジョー・ジャポンさんにはもう少し情報を開示して頂きたいと言うのが皆さんの本音でしょう。 私の場合、このようなトラブルもあろうかと見越してMTにした部分もあります。 快適なATも捨て難いのですが、個人的には、やはり「フランス車はMTが一番」と言う信念(笑)のようなモノがあるのです。 しかし、加速度的にますます重要な市場と化している日本に於いて、AT関係の改善は基本的な問題なので、可能な限り迅速な対応を望みたい所です。 このサイトをご覧になっている皆様、全部の個体がこのようなケースに遭遇している訳ではありません。 しかし、万一、トラブルに遭われたら、すぐお近くのブルー・ライオンに連絡されることを強くお勧め致します。 「触媒装置異常」もたまに発生するトラブルです。 こちらもマルチファンクション・ディスプレイに表示されますが、走行がおかしくなる、とかは無いようです。 以前、一部の「306」では”O2センサー”の異常が多発したらしいですが、307でも似たような症状があるようです。 いずれにしても、このような警告が出るのは気持ちの良いものではありませんので、迅速な対応が必要だと思います。 (7)純正のオーディオの音質が悪いのだが・・・ 2002年秋モデルからオーディオが換装されたようで、このような声は激減したのではないでしょうか。 私の「307」では、”PSS”で装着されていたMDヘッドユニットはあまり満足出来るものではありませんでした。 まぁ、これはプジョー・ジャポンでも把握していたのでしょう。 現在のシステムは音質もデザインも以前のモノとは比べ物にならないくらい良くなっていると思います。 ただ、音質は各人の好みによる部分が大きいので一概にあれこれ言えるものではありません。 私は以前から「ナカミチ」の6連奏CDシステムを是非装着したいと言う気持ちがあったので、当然の如く換装しました。 今考えると、もう少し調整方法をサイト上に掲載しても良かったかなぁ、と思います。 ソニーのシステムは「DSO」と言う音像現出技術が搭載されています。 この機能を使う使わないは各人の好き嫌いがあると思います。 かく言う私も最初はこれをONにして調整しておりました。 しかし、今思えば、やはりこれはOFFにして調整すべきであったと痛感しているのです。 サイトの管理人としては、OFF時の調整方法を掲載しなかったのは少々心残りであると後悔している次第です。 いずれ、どこかのサイトの管理人さんがココ辺りの内容をアップして下されば助かるのですが・・・・。 (8)ボディ各部のトラブル 上記以外にも次のようなトラブルがあるようです。 A、ウィンカーレバーがバキバキ音がする、右折側に入りにくい、勝手に左折側に入る。 これも結構有名なトラブルです。 発売当初から発生しているのですが、なかなか完全治癒には至らないようです。 ウィンカー部分の部品のアッセンブリー交換で一時、鳴りを潜めていましたが最近は交換後も同様の現象が現れることもあると聞きます。 私の「307」も多少のバキバキ音がしますが、ここまでひどくななっていません。 ただ、たまにライトがハイビーム状態(!)になってしまいます。 この対策としては、とにかく”優しく扱う”ことが一番のようです。 B、ドアミラーが開かない(閉じない)。 ユーザーによっては、納車当日からこのような目にあう方も。 ただ、余程のことが無い限り、エンジンの再始動か、キーを回した際に一呼吸置いてからセルを回すようにすれば大丈夫なようです。 私の「307」は幸いこのようなトラブルはありません。 C、エンジンプラグが焼けておらず、不完全燃焼を起こしボディが大きく揺れる。 これも暫く前に頻発したトラブルです。 プラグの一つが不発な為、それをコンピュータが誤認識しエンジンがストールしてしまうと言う現象です。 しかも、その際に車体が大きく左右に揺れるらしいのです。 暫く間を置いて再始動すれば、何事も無かったようにスタートするのがラテン車らしい所(笑)。 この症状があまりに頻発するようであれば、多分プラグの幾つかが駄目になっていると思います。 おかしいな・・・と思われる方はプラグを点検してみて下さい。 D、真夏の高温時に室内にガソリン臭が充満する。 こちらも一部の「307」に発生するトラブルです。 一応、対策らしいことは分かっているらしいのですが、正式な対策パーツはまだのようです。 乗る方としては、突然あのハイオク特有の臭いが車内に充満したら、さぞ驚くことでしょう。 ましてや、タバコでも吸おうかと思うものなら・・・・。 原因としては、燃料ホースの引き回しに一部不具合があり、そこから気化したガソリンが漏れることによるとのこと。 まぁ、日本車では考えられないようなトラブルなのでこちらも早急に対策をして頂きたいものです。 E、主に助手席側のフロアカーペット下に水が溜まる。 これはプジョー・ジャポン側も完全に対策は会得したようです。 それでも発売当初はこれが多発して、ユーザー間では動揺が広がったものでした(苦笑)。 結局、ドアのシールドが不完全であった為、雨水がそこを伝って床に溜まった現象のようです。 現在、このトラブルはほぼ解決出来ている、とみて良いでしょう。 F、ボディ下部からの異音。 この現象は個体によっては発生しているようですが、まだケース数が少ないと聞いています。 そして一言で「異音」と言っても、様々なモノがあるでしょうし、もう少し見極めた方が良いようです。 主にフロント右側からする場合が多いらしいのですが、実は私の「307」も「コトコト」と小さな音がします。 思うに、これはエアコンをオートにした時に発生するようなので、何かが何かに当たって発生するのか、又は何かネジが緩んで何かに当たって発生しているのか、のどちらかだと思います。 とあるサイトの掲示板でも「ネジが緩んでいたのでそれを締め直したら完治した」との書き込みがありましたので、そう大したトラブルではないかも知れません。 G、エアコン始動時に温風(夏は冷風)が出る。 これも大変有名なお話ですね(笑)。 「307」のエアコンはコンピューター制御なので、いろいろ予期せぬことが起こるみたいです。 一番の不便な点は、始動した度にリセットされてしまうことが多いことでしょう。 困ったことに、いつもそうなる訳ではないし、個体によってもいろいろパターンがあるようなのです。 まぁ、エアコンの効きはこれまでのプジョーでは随一ですから納得しているんですけれども。 昔のプジョーを知る者としては、この効き具合はまさに夢のようなのです。 話がそれてしまいました。 対策としては、あらかじめその季節に合わせての最低温度で設定しておけば、再始動時にはこのような現象は起きないとのことです。 ただ、いずれにしても再始動後、ずっとそのままでも具合が悪いので温度を調整してしまうので根本的な解決にはなりません。 私の場合は温風(冷風)が出てくる数十秒間はひたすら我慢することにしています。 H、ヘッドライト内側に水分がこもって曇る。 これは「306」や「206」でも見られるトラブルです。 ヘッドライト部分のネジが振動等で緩んでしまい、気密性が損なわれて起こるものです。 「306」ではリアの部分の構造上、避けようが無いトラブルらしいです。 私も初めて「307」のリアゲートを開けた時、「こりゃ、テールランプに水が入るんじゃないか!?」と危惧したものです。 幸い、私の「307」ではまだ大丈夫です。 もし、このような現象が起こった場合、2、3日は様子を見ても良いと思います。 I、ワイパーが左ハンドル専用のままで拭き残しが多く危険だ。 これは出来るならプジョー・ジャポンさんに改良して頂きたい部分です。 しかし、恐らく無理なのではないかと思います。 同じような要望は「206」でもかなり出されているはずで、307でも同様の状態だと思われます。 「206」の場合、結局、ボディの構造上の問題で、どうしてもワイパーは左ハンドル用の位置でしか設置できないらしいのです。 「307」でも同じような回答が為されるのではないかと私は予想していますが・・・。 でも、改良されたら快挙ですね。 この問題は本当に多くの掲示板で指摘され、確かに安全性をも左右する部分だと言えましょう。 ただ、乗る方の私たちも可能な限り注意して運転する義務がある訳ですから、一概にこの部分に拘泥するのもどうかと思います。 個人的にはディーラーレベルで調整出来るような、ちょっとしたパーツが発売されたらいいですね。 ■続きはパート2で! 以上、思い付くままにポイントをまとめてみました。 勿論、これらはあくまでも私自身の主観的なモノであることをお断りしておきます。 「307」は発売されてもうすぐ2年になろうとしています。 この2年間でトラブルらしいトラブルは殆ど出尽くした感がありますね(笑)。 ヨーロッパ車の場合、概ねこのような経緯を辿るようです。 従って、前述の通り、これからがまさに307の”買い時”だと思うのです。 勿論、まだまだ未完成な部分はあるでしょう。 しかし、その部分全てが完全になるまで待つことは果たしてどうなのでしょうか? 要するに、未熟な部分と素晴らしい部分のバランスだと思うのです。 私の場合、根っからのプジョー好きなので、当然、後者が遥かに勝っています。 ですから”シーソー”で考えたら素晴らしい部分のウエイトが遥かに重い訳です(笑)。 パート1では主にネガティブな面にポイントを絞ってお話ししました。 パート2では我が「307」の現況を中心にプジョー車の美点を中心にお話ししてみたいと思います。 乞う、ご期待! |
(2003/08/22) |