〜私と307〜

このページは少々重いかも知れません。ご了承下さい。

■行った、見た、良かった「307」!


■第一印象
2001年11月某日、私は妻を連れてブルーライオンを訪れました。目的は勿論、「307」を実際見てみることでした。
雑誌やWEB上でそれなりの情報は仕入れていましたが、「306」と比較してそのスタイリングのアクの強さには「?」と言う気持ちも正直持っていたのです。
私個人としてはプジョーの最大の美点として”保守中道”だとずっと思い続けて来たものですから、「206」から始まったプジョーの新しい波はどのようなものか、と言うこともこの目で確認したかった訳です。
クルマではるばる2時間弱、私たちはようやくディーラーさんに到着しました。
早速、中へ入ると、”プラチナグレー”の「307XS5ドア/AT」が展示してありました。
第一印象は・・・「う〜ん、やっぱり実物はイイ!」。

■やっぱりちょっと大きいねぇ
私は実物を初めて目にした喜びですっかり舞い上がってしまいました。
実はこのときはまだ「307」は買わない(買えない)予定でしたので、舞い上がりながらも努めて冷静に観察したのです。
今思えば恥ずかしい限りですが、私たち以外にお客さんがいないことを幸いにしてデジカメでバシバシ撮影したのでありました。
展示車は今回のイメージカラーであろう”プラチナグレー”で、映り込みが大変綺麗で見たものを”その気”にさせること請け合いです(笑)。
私だけのみならず、妻までも「コレ、いいぃ〜♪」とのたまう始末。
ただ、ボディはさすがに大型化しており、「306」のような軽快感には欠けるかなぁ、とは思いました。
しかし、エクステリアに対して私が抱いていたそれまでの疑問はいとも簡単に吹っ飛んだのでありました。
特に伝統的に感じられるリアビューの美しさは絶品です。
(205、405、306、106、206全てですけれども・笑)

■つくりがいい!
日本人はドイツ車好きだと良く言われます。
それはドイツならではの高品質、高性能から来るものでしょう。
その点、ラテンのクルマ(フランス車、イタリア車)はとんでもないと
一昔前までは公然と言われておりました。
しかし、ここ数年は品質の向上が著しいのは間違いありません。
まぁ、それを”ドイツ的”になったと言う見方もありますが・・・。
ボディ表面の”フラッシュサーフェス化”は目を見張るものがあります。
思うに、工業製品として高品質にする為にはある一定の共通する
ベクトルを志向せざるを得ないでしょう。
ですから、フランス車的と言う美点に隠れて、品質や信頼性がスポイル
されるのであれば、それは全くもって本末転倒だと考えます。
今回の「307」もそう言う観点からみれば確かにドイツ的になったかも
知れませんが、一目みればそれはフランス車としての正常進化である
と誰でも納得することでしょう。

■室内のクオリティがようやく上がって来た
ドアを開けて中に乗り込んでみました。
すると、そこには新しいフランス車の世界が広がっていました。
私は以前のプジョー車の内装を知っています。
「あ〜、時代が流れたんだ・・・」と万感の念を感じずにはいられません。
ハッキリ言って、この内装は素晴らしいです。
(それでも雑誌等で言われる通り、ドイツ車には負けていますが。)
シートに座ると、いかにもフランス車らしい、大きめのコシのあるホールド性に優れたモノであることがすぐ分かりました。
強いて言えば「ゴルフ」の硬さを半分くらいにした感じ・・・・かなぁ。
室内を見渡せば、ドイツ車的な固苦しさはなく、あくまでもシックな、そしてちょっぴりチープな雰囲気が漂っています。
でも、私はこれで本当に十分だと思いました。
これだけ立派に、しっかりして、これ以上何を望もうと言うのか!
一昔前の”プラスチッキー”な感じは見事に払拭されておりました。
ただ、メーターやセンターコンソールやエアコン吹き出し口に使われているシルバーは個人的にはもう少し、でしょうか(笑)。

■整備が大変そう・・・
私は厚かましくも、ボンネットを開けてもらいました。
エンジンルームの状況も是非見たかったからです。
雑誌では”整備しにくそうなエンジンルーム”とありましたので、その程度を知りたかった訳です。
まぁ、驚くほどではありませんが、以前のプジョーと比較すればちょと密度間が高まった気はしました。
ただ、最近のトヨタ車等もこのような感じを受けるので、実際そのようなケースにならないと何とも言えません。
ドイツ車ではエンジンルームまでデザインされた整然とした印象がありますが、その点、フランス車は今ひとつかも知れませんね(笑)。
このエンジンは基本的に「406(3リットルでは無い方)」や「206S16」に搭載されているものと同じです。
1997ccの排気量から137psのパワーと19.4kgmのトルクを生み出します。
個人的にはもう少しデザイン的に”華が欲しい”ところですね(笑)

■話題のティプトロ
再び運転席に座り、ATやエアコンをチェックしました。
「307」では新たに開発したティプトロニックタイプの4速ATを搭載しています。
プジョーとしてはZF社と共同開発したこのAT、相当の自信があったはずなのですが、我が国ではその学習機能がイマイチだと言われています。
この日は生憎、試乗出来なかったので、私には分かりません。
ただ、ゲートが分かり易く切ってあるので、シフトチェンジは楽そうでした。
まぁ、ゲート表示がヨーロッパ仕様のままと言うのはご愛嬌でしょうか(笑)。
ATのすぐ上にはオートエアコンがあります。
プジョーのオートエアコンと言えば、私は「405」で散々泣かされましたが、現在のそれは見違えるほどの信頼性の高さらしいです。
私の場合、夏場での「VITA」のエアコンの効きの悪さが結構辛いので、「307」だったら助かるなぁ、と感じました。

■ゴルフバッグが入るかな?
リアゲートも開けさせてもらいました。
「VITA」ではゴルフバッグは入りません。
「307」では何とか入りそうです。
最近のクルマはリアトランクが狭くなって来ているように感じられますが、
このクルマはゴルフほどではないようです。
ただ、後部座席は可倒式ですが、完全なフラットにはならないとのこと。
私の場合はそこまで求めませんが・・・。
内張りもきちんとしてあり、品質の向上をここでも痛感した次第です。
余談ですが、昔のプジョー車のスペアタイヤ(勿論フルサイズ)はリアの
ボディ下部に吊り下げてあったのです。
これが最近は普通にトランク内に収納されているのですね。
作りとしては非常にシンプルなリアゲートなのですが、ノブが若干固いよ
うな印象を持ちました。
尚、リアトレイにはスピーカーはありません。

■高そうなタイヤ
「307」が履くタイヤはグレードが高いです!
品のいいアロイホイールは素晴らしいのですが、標準でも”XSi”は205/50の17インチ(!)、それ以外は205/55の16インチなのです。
勿論、ルックスや運動性能その他を総合してここまで良いタイヤを履く理由は分からないでもありませんが、せめて185/60くらいにして頂きたかったところです(苦笑)。
「VITA」では165/70の13インチでしたので、大切に乗らなければいけませんねぇ・・・。
このクルマでは「DUNLOP」が付いておりました。
個人的にはPIRELLIの減りのはやさにはちょっと、と思っておりますのでこれだったらいいなぁと思いました。
でも、今相場では1本いくらするのでしょうかねぇ。
アロイホイールの向こう側にはディスクブレーキが見えます。
フロントのみがベンチレーテッドです。
勿論、ABSも付いているそうです。



■プジョーらしい・・・
最後にショールームの床にへばりついてマフラーを撮影してみました
(大笑)。
「306」ではカッコ良く決まっていたマフラーですが、今回はまた405
的になっています。
これはこれでいいのですが、リアバンパーからのぞく様にした方がウケ
はいいでしょう。
それでも普通に見る限りにおいては、リアバンパーはすっきりしており
どこにマフラーがあるのか分からないくらいです。
これもプジョー車の美点なのでしょうか。

そう言う訳で、私たち夫婦は十二分に気分を高揚させてショールーム
を後にしたのでした。
お店にいた時間は30分弱だったでしょうか。
その間、営業の方の丁寧な説明があり、いろいろ勉強になりました。
最後に私の撮影を快く許して下さったブルーライオンの方々に心より
お礼申し上げます。
いやぁ、本当にいいクルマだった・・・。
(2002/03/18)

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