〜私と307〜

■私的プジョー論(1)

ある日、私は妻とプジョー車について熱く語り合った。
いや・・・”熱く語り合った”と言うのは私一人の主観的判断だったに違いない。
しかし、私自身、妻をプジョー好きに仕立て上げることが出来たのではないかと密かに自負している今日この頃なのである。

今日はそんな私たちの会話の一部始終を皆さんにお伝えしようと思う。



春も盛りと感じられるようになった3月の或る日・・・
ことの発端は妻が私に質問して来たことから始まったのであった。

妻「ねぇ、貴方はどうしてプジョーが好きなの?」
私「エッ、それは幾つかの美点がプジョーにはあるからさ。」

妻「美点って?」
私「まずは、スタイリングだね。」

妻「どう言うことなの?」
私「地味過ぎず、派手過ぎずと言うことかなぁ。」

妻「良く分からないんだけど。」
私「つまり、こう言うことさ。その昔はイタリアのデザイン会社の”ピニンファリーナ”と言う会社がデザインを共同で担当していたんだ。
そのデザインは派手さこそないけれども、見れば見るほど流麗でセンスある、飽きの来ない素晴らしいものだったのさ。
最近の”206”以降の社内のデザインも大変いいけれども、僕個人としてはちょっと前のデザインが大好きなんだ。とりわけ”405”が一番だと思うね。」


妻「あ〜、昔乗っていたクルマね。じゃあ、次の美点は?」
私「2番目にはエンジンとサスペンションの良さが挙げられるだろうね。」

妻「エンジンって、他のクルマも大して変わらないんじゃないの?」
私「確かに物理特性だけで判断すればそう言うことも言えるかも知れない。しかし、そこは自動車開発100年の歴史を持つプジョーだけあって、一味違うのさ。」

妻「イマイチ良く分からないんだけど。」
私「基本的に、大馬力主義じゃないんだ。ほら、日本語に”小気味良い”って言葉があるだろう?
あれさ、あれ!
分かりやすく言えば、比較的小馬力のエンジンを目いっぱい回して楽しく走る、って感じかな。
勿論、その為には高回転域まで良く回るエンジンでなければいけないし、経済効率も考慮しなければいけないね。
ココあたりのバランスはまだまだヨーロッパ車に一日の長があるように思えるんだ。」


妻「サスペンションでは?」
私「これもヨーロッパ車特有のアドヴァンテージだと思うんだけど、ただ静かであれば言いと言うものでもないと思うんだ。
つまり、ドライバーに快適だと思う範囲内で必要な道路の情報を確実に伝えると言うことさ。
道路の段差やデコボコな状態を的確にドライバーに伝達する・・・これって簡単そうでなかなか難しいことなんだよ。


妻「へぇ〜、そんなこと考えたこともなかったワ。」
私「特にプジョー車は昔から”猫足”って言われていて、ショックをやんわり受け流す独特のサスペンションのセッティングにはとても定評があるんだ。
ドイツ車の重厚な感じとはまた違った、不思議な感じかも知れないね。
でも、そんな独特な乗り心地が多くの根強いファンを獲得しているんだよ。」

妻「他には美点はないの?」
私「そうだね・・・プジョーと一緒に暮らしていると言う雰囲気かな。ほら、クルマは人をあらわすって良く言われるじゃない?あれさ。」

妻「そんなものなの?」
私「例えば、ベンツに乗っている人、キャデラックに乗っている人、クラウンに乗っている人、ミニに乗っている人・・・それぞれ受け取る側はその乗っているクルマでその人を判断してしまうものだよね。
プジョーの場合だって勿論、そのような傾向があるのさ。」


妻「プジョーの場合、どう言う傾向なのかしら?」
私「知的でスポーティってところかな(笑)。ただし、あまりお金はないかも(大笑)。」

妻「要するに、プジョーって、乗ることで終わりってクルマじゃないってことなのね。
プジョーに乗ることによって、その周囲に何かしら独特の雰囲気が醸し出されるってことなのかしら・・・
それが知的だとかスポーティだとか、ちょっと倹約的だったりとかと言う訳ね。」

私「そ、その通り!まさしくそうなんだ、僕が言わんとしていることは!!」

妻「良い点ばっかり言っちゃって!悪いところもあるんでしょ!?」
私「勿論、ある。ラテンのクルマだし、国産車やドイツ車とはそこ辺りは多少違うだろうね。」

妻「もし、故障したらどうするの?」
私「機械だから当然故障もありうると思う。
しかし、最近のプジョー車は信頼性が特に高まっているらしい。
もっとも国産車やドイツ車だって、壊れるときは壊れるんだから、一概にプジョーだからどうこうって言えないんじゃないかなぁ。
万一、プジョーが世界中で壊れまくることで有名なメーカーであったなら、会社自体の存続が難しいと思うよ。
まぁ、僕の場合はこれまでもプジョーに乗った経験がある訳だけど、殆ど大きなトラブルって言えるものはなかったし、本当に乗っていたときは楽しかったね。
その点、最近は日本国内でも”206”をはじめとして販売が好調だし、まずまず信頼していいと思うよ。」


妻「それならちょっとだけ安心したわ。実はねぇ、私もいつかは”206”に乗ってみたいと思ってるの。」
私「おお、わが妻よ!さすが、私の妻だねぇ。
プジョーは昔からそんなに壊れないと言われては来たけれども、本当にこの調子で本質がどんどん上がっていって欲しいよね。
そしてもっともっと女性にも気軽に乗って欲しい。」


そして、私たちの会話は具体的なプジョー車の内容へと移っていったのであった・・・。

〜続く〜

(2002/03/31)

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