■音楽とオーディオのコーナー■
■VITAのシステム(1) | |
約6年乗った”VITA”。 オペルのヒットした小型車ですね。 さて、このクルマにはもともとは”Panasonic”製のカセットステレオが付いておりました。 残念ながら、画像はありませんが、”VITA”としては初期の頃(右ハンドルが導入されて間もない頃)のものだったせいか、非常にシンプルでCDチェンジャー機能さえありませんでした。 デザイン的にも、クルマのイメージに合わせらしく、スイッチ類や全体のデザインも丸っこいもので、私個人には「ちょっとねぇ」と思わせるものでした。 そこで、私は早速、システムを交換したのでありました。 ■憧れの”ナカミチ”のシステム! ナカミチ・・・オーディオ好きの方ならきっとこのブランド名は一度は耳にしたことがおありでしょう。 私もクルマに関心を持ち始めてからというもの、一度はその素晴らしい世界を体験してみたいと思っておりました。 そして”VITA”の購入を機に、思い切って同社のシステムを導入することにしたのです。 当時(1996年夏)ナカミチの製品は以前の重厚長大なイメージから若干軌道修正を行っていた最中で、ラインナップも価格的にだいぶこなれて来ていました。 そう言うこともあって、ナカミチのヘッドユニットとCDチェンジャーを買うことにしました。 ナカミチのHD-35 ■HD-35 オートバックス限定商品ですが、ナカミチの名に恥じない素晴らしい製品です。 価格もこの内容にしてはお買い得(79,800円)でした。 この機種は結構有名かと思いますので、詳細のデータは省略させて頂きますが、ブラックのパネルフェイスとアンバーの文字表示がなかなかいい雰囲気を醸し出してくれました。 「あ〜、高級機なんだなぁ」と所有する者の心をくすぐってくれたものです。 私なりのこの製品に対するレビューは次の通りです。 ★音:ナカミチらしい、すっきりと全体的に伸びた自然な音。 低音の支えが適度で、高域もきつくない。 俗に言う”フラット”な感じだと言える。 ★デザイン:素晴らしいの一言。 ★操作性:メーカーのこだわりらしいが、ボリュームノブは出来ればツマミ式ではなく、ボタン式(電子ボリューム)にして欲しかった。 ★視認性:アンバーの表示がなかなか良い。この表示はグリーンにも切り替えられる。ただ、CDを演奏した場合、”ディスク表示”、”曲表示”はあるのだが”演奏時間表示”がなかったのは残念であった(現在の商品では改良済み)。 ★カセットデッキ:オートリバースカセットデッキを搭載したナカミチの定番モノ。カセットデッキの性能は”ドルビーC”をも搭載するほどの徹底ぶりだが、復方向の音がアジマスずれのせいかイマイチであった。これは以前のシステムでも良くあったことなので、オートリバース機では仕方がない現象なのだろう。したがって、このシステムではカセットテープを聴くことは殆どなかった。 ★ヘッドユニットとしての評価: ナカミチとしては比較的安価でこれほど充実した製品を出してくれたことは賞賛に値すると思う。 高級ブランド一辺倒であった同社が万人にその魅力をアピールしたことは大変意義があることだと思う。もっとも、それは株主である”オートバックス”の意向も大きく働いたと思われる。 今はCD、MDへとメディアが移行してこのような製品はなかなか出なくなったが、ナカミチの技術を世に知らしめた傑作モデルだと言えよう。 MB-7s ■MB-7s ナカミチが満を持して発売したCDチェンジャーシステムです。 同社では”ミュージックバンク”と言う愛称を付けていました。 価格は何と!39,800円。 以前のナカミチでは考えられなかったことでした。 7枚のCDをトレイにのせるだけと言うシンプルな、理にかなったそのアイディアは一世を風靡しました。 高級感あふれるその外観はヘッドユニット同様、「さすがナカミチ!」と納得させられます。 それでは、同じようにレビューしてみましょう。 ★デザイン:ナカミチらしい、シンプルかつ高級感あふれる素晴らしいもの。私個人的にはこのデザインを超えるCDチェンジャーはまだないと思う。 ★メカニズム:従来のマガジン式に存在した、CDを傷つけてしまうと言う弊害を”コロンブスの卵”的発想で見事に克服したアイディアは絶賛モノ。音質的にもその方が良いに決まっている。振動対策も万全で全てが理にかなった製品だと思う。 ★音質:基本的にヘッドユニットと同じ。誇張感のない、すっきりした音は同社の美点。人によっては物足りなさを感じるかも知れない。 ★繊細さ:基本的にナカミチのシステムは繊細なようです。この製品ではピックアップ部があまりに繊細過ぎたのか、読み取り不能になってしまいました。しかし、クレーム修理となり、対応自体は大変良かったです。 ★唯一の欠点:筐体が大きく、邪魔になること。VITAのトランクは広くはなかった為、この機械が相当部分占領してしまった。高さもある為、荷物を置く場所に苦労した。現在はインダッシュで6枚チェンジャー機能内蔵のヘッドユニット(この製品はカタログ落ち)があるので、ナカミチとしてもこのような弊害を十分認識していたと思われる。 ★CDチェンジャーとしての評価: どのメーカーも性能とスペースユーティリティのバランスには頭を悩ますものだと思う。 この製品はどちらかと言えば前者に振ったものだろう。 音は確かに良い、そして何よりもその価格。素晴らしいデザイン。 しかし、この世の中は理想だけでは通用しない・・・・。 そう言う意味から考察するに、この製品はナカミチの壮大な失敗作と言えるような気がする。 そうは言っても個人的には大好きだった。 ■総括 私はこれらのペアを1996年8月から2000年3月まで使用しました。 ですから、約4年間使ったことになります。 何度も申し上げている通り、このシステムの音は素晴らしいものでした。 誇張のない、スッキリした、どちらかと言えば繊細な音はオーディオメーカーの雄”ナカミチ”の名に恥じないものだったと言えましょう。 しかし、クルマの中はいろいろな要素があります。 私が家庭でこのような音を聴くのであれば、きっとずっと使い続けたに違いありません。 しかし、使っていくうちに次のような点が気になり出したのです。 ★もう少し、中域が”膨らんだ”音が欲しい。 ★やっぱりCDチェンジャーが邪魔である。 ★曲目の時間表示が欲しい。 ★出来たら1DINでさりげないシステムを組みたい。 等々。 さぁ、こうなって来ると、カタログを引っ張り出して調べてしまうのが私の悲しい性(笑)。 このお話はどうなって行くのでしょうか・・・。 次回に乞う、ご期待! 〜続く〜 |
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(2002/04/06) |