出逢った時、ラフィットはまだ生後2ヶ月位小さな子猫でした。
ドシャ降りの雨が降った翌日の朝、坂の途中にある駐車場で出逢いました。
泥まみれでボロボロのぬいぐるみの様な仔猫。
背骨がくっきりとその小さな体から浮き上がるほどにガリガリに痩せ細っていました。
それ以上に目に付いたのは頭頂部の異常な傷跡(かさぶた)と首に穴が開いていた事。
泥で汚れ体中が傷だらけ・・・こんな状態なのを見過ごすなんてできません。
野良猫たちに用意していたドライフードを与えたら少しづつ食べ始めてくれたので
様子を見ながら食べ終わるのを待って着ていたTシャツの裾に包めて連れ帰りました。
病院でドクターは難しい顔で「この子の体力次第だと思います。」と・・・・
私が思っていたよりも衰弱が激しい事と体に数十箇所のケガをしていたのでした。
ドクターが頭頂部のかさぶたを処置したら、頭蓋骨が見えるほどの深い傷でした。
首に開いた穴は、貫通してました。
何でこんなに酷いケガを負ったのか?
診察の結果、不自然なケガの仕方から大人のネコにやられたのでもなく、事故でもない
「人による虐待」だろう・・・との診断でした。
衝撃的な言葉でした。ショック・せつなさ・腹ただしさ・・・・複雑な心境でした。
1週間の入院・・・・
病院スタッフの方々による懸命な治療の後、ラフィットは回復に向かう兆しが見えてきました。
退院の際、ドクターは「この子は生命力の強い子。だからここまで回復出来ました。」
そして・・・「あと数日遅かったら恐らくダメだったでしょう」と。
元気な姿になって、嬉しくて・嬉しくて涙が溢れてしまいました。
万全を尽くして下さったドクターとスタッフの方々に心からの感謝をしました。
仔猫本来の可愛さに戻り、無邪気に元気で遊ぶのを見ていて
「この子に出逢えてよかった」と痛切に思いました。
この時からラフィットは、何よりもかけがえの無い大事な存在となったのです。
そして現在。あの日を起点に4回のお誕生日を迎えられました。
今でも子猫の時の傷跡は幾つか残っていますが豊かなコートに包まれて表面からは分かりません。
ダイエットしなくてはいけないほどに大きく健やかで丈夫に育ってくれました。
私達夫婦にラフィットはいつでもたくさんの『無償の愛情』を与えてくれます。
ラフィットが居てくれたから辛い出来事を越えることもできました。
ずっと一緒に生きていく大事な大事な家族です。
オットには笑われますが「私が逝ったら、ラフィと一緒にお墓に入れて」なんて頼んでいます。