【続】コンサートの感想

 この記録はもちろん自分が忘れないように留めておく意味もあるのですが、これを読んでいただいた皆さんから思わずいただくメールなども楽しみにして、これからも書き綴っていきたいと思います。
マイスター・ジンガー(バイエルン歌劇場)
Date: Thu, Sep 29, 2005
 家内とNHKホールに行きました。エコノミー券を何とか購入できたのは本当にラッキーでした。オペラに初めて興味を持ち始めたきっかけがこのマイスター・ジンガーでしたが、前回と同じバイエルン国立歌劇場の公演を、9年ぶりに改めて日本で楽しむことができると言うのも、なかなか感慨深いものがあるように思いました。

 ちょうど新国立でも同じ演目があったようで、その演出を担当したのがヴァイクルだそうです。やぁー、ご本人が登場するならば凄い事になったと思いますが、バイエルンはやっぱり本場そのものの、とてつもない公演を持ってきてくれたと思いました。第2幕、3幕はウルウル状態で、特に騎士ザイフェルトの張りのある美声は凄かったです。ザックスも貫禄がありました。サルミネンの歌う場がかなり省かれていたのが残念でしたが、第1幕の声だけ聴いても、やはりただ者ではありませんでした。タンホイザーにも出たのな?

 ベックメッサー役のシュルテは、坂上二郎さんorスターンに似ているようにも見えたのですが、演技でもなかなかの活躍ぶり でした。(※予習で楽しんだメトでは、トーマス・アレンが演じていますが、これがまた適役なのでした。大物のアレンもそこでは可愛らしく見えました。)ワーグナー唯一の喜歌劇とも言われる所以ですが、どちらも素晴らしいベックメッサーだったと思います。

 舞台はシンプルで、やぁー・・また新しい演出か・・・最初はそう思ったのですが、なかなかどうして良く考えられたものだったように思います。特に後方のアパート形式の建物は最初は壁だけかと思っていたら、次々に窓が開いたりして、第2幕クライマックスの大騒動では火の手が上がるなど、迫力もある舞台でした。演出については朝日新聞で横浜公演を紹介した片山杜秀さんのコラムのような解釈もあるのですが、私はそれを気にするよりも、それを遥かに超越した歌唱・演技・舞台を楽しむ方を考えたいと思います。

bayern002.jpg bayern001.jpg  メータはメッキリ白髪が増えましたね。往年のバイエルンを愛した指揮者として、サヴァリッシュやクライバーが良く知られています。実は帰りがけに出口でもらった資料がなかなか面白くて、この歌劇場の知られざるエピソードなどが満載でした。その中から写真を2枚添付してみます。映っているのが誰なのか、分かりますでしょうか? ⇒答えは「感想」に入力していただけるとお応えします。


森 麻季さんのモーツァルト
Date: Tue, Sep 20, 2005
mori-maki2.jpg inoue-michy.jpg  いつも一緒の友人とオペラシティに出かけました。私はこのホールは初めてでしたが、意外とこじんまりした大きさだなと思いました。左右非対称の大屋根が目立つのと、全てが木の香りのする美しい内装だなと思います。サントリーホール同様にステージの真上が最も天井が高く、客席最後尾が低くなっているのも、新しい設計の思想があるものと感じます。

 さて、森 麻季さんの演奏会は二度目になりますが、ヘンデルとバッハの小品を2曲歌った後に、モーツァルトのモテットK165(158a)がメインディッシュと言うプログラム、その他オケの演奏でモーツァルトのハフナー、ジュピターが演奏されました。

 鮮やかな空色で、それもカラフルな花の絵が散りばめられた衣装を纏い、森さんはいつもの美しい姿で登場しました。髪の毛が以前よりも長くなったように思いました。歌い出すとすっかり彼女の声に聴きほれてしまいます。このホールはとてもマッチしているように思います。演奏が終わるたびに深々とお辞儀をして、とても嬉しそうな笑顔を披露してくれました。ここのところ宗教曲を中心にしたプログラムに接してきましたが、この11-12月はいよいよリゴレットのジルダを観に行く予定です。歌声はもちろん、どのような演技を見れるか本当に楽しみです。

 指揮をしてくれた井上道義さん、そしてOEKのメンバーはまた、素晴らしい交響曲を演奏してくれました。特にラストのジュピターは快心の出来栄えで、井上さんが思わずガッツポーズを挙げました。岩城宏之さんが急病のために代役として登場した井上さん、彼のパーフォマンスにはいつも感心させられます。とても楽しい演奏会でした。


ジョシュア・ベルのベートーベン
Date: Tue, Jun 07, 2005
 友人と3人でサントリー・ホールに出かけました。オルフェウス室内楽団との共演です。曲目は、シベリウスの組曲「ペレアスとメリザンド」、プロコフィエフの「古典交響曲」、それとベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」ですが、この「ヴァイオリン協奏曲」のカデンツァはジョシュア・ベルの自作。ヨアヒム、アウアー、クライスラー等のカデンツァが有名ですが、ダイナミックで繊細なこのカデンツァは今後スタンダードなものになるかもしれません、との振れ込みもあり楽しみにしていました。

 ジョシュア・ベルと言えば、映画「レッド・バイオリン」のバックを流れる美しい音色が印象に残りますが、クラシックそのものの演奏会を聞くのは初めてになります。座席は舞台側のP席であることから、はたして音がちゃんと聞こえるかどうかも心配ではありました。

 今回の新作カデンツァの印象は、斬新で流れるようなダイナミックさ、とでも表現できるでしょうか。それでいて、ベートーベンの主題から逸脱する事が全くなく、良く考えられた構成を取ってるように感じました。カデンツァに続くベートーベン本来のメロディーが、極めて美しいものに聞こえてきました。カデンツァが美しくないと言っているのではなくて、作曲家に最大限の敬意を払ったものと感じられるようで、改めてベートーベンの偉大さを痛感した次第です。

 ジョシュア・ベルが第一楽章の演奏を終えた後に、我々の座っているP席も含めてグルッと客席を見渡した光景が印象的でした。「どう、良かった?」とでも言いたげに・・・。それと、指揮者のいない楽団と一体となった演奏振りも好感が持てました。私の友人いわく、「彼が一瞬弾いた,ささやくようなヴァイオリンの音色が心に残った.初めて聞く音だった」、ここが彼の特徴になるかもしれませんね。最近のセルゲイ・ハチャトリアンとは全く異なる演奏のような気がしました。趣向が違っても、「美しいものはやっぱり美しいんだ」と言う私の信念とあい通じるものがありました。

 今回のP席で、演奏者の背中で聴くバイオリンは、妙に親近感が湧いてくる、不思議な体験をしました。音も充分に響いていましたし、オケを気遣いながら体を大きく揺さぶる演奏は、とても自信に溢れているように見えました。ベートーベンの作品の美しさを最大限に表現した、名演のひとつだったと思います。

※アンコールが全部で4曲ありましたが、ジョシュア・ベルが弾いたのは、クライスラーの「愛の悲しみ」と「レッド・バイオリンから」の2曲でした。クライスラーにも敬意を表そうとしたのかもしれません。オルフェウスとの共演は、あのシャハムと録音した素晴らしい演奏を思い起こさせるものでした。


アンナ・ネトレプコのリサイタル
Date: Thu, Apr 28, 2005
netrebko.jpg  サントリーホールに行きました。彼女の演奏に関しては、手持ちのキーロフオペラ、ゲルギエフ指揮の「リュドミーラ」で強烈な印象を持っていたこと、それとサンクト・ペテルブルグ建都300周年の放映で、成長した彼女のコンサートと椿姫出演などの映像を見ていました。また、2003年のキーロフ公演「戦争と平和」での来日中止でガックリしたファンも多かったでしょう。今回のリサイタルは、彼女がその美貌だけではなく、ソプラノとしてどんな力を持っているかが大変興味ある関心事でもありました。

 曲目はモーツァルト、R.シュトラウス、グノー、ドボルザーク、ラフマニノフなど、どちらかと言うと歌曲主体でした。伴奏はマルコム・マルティーノ、ボニーやコジェナーなどとの共演で、私にもすっかり御馴染みのピアニストです。前半はピンク色の衣装を纏い、非常に魅力的な姿でした。一曲目の声を聴いた途端、「オォッ」と思いました。美しいのです。しかし、それだけではありませんでした。力に溢れていました。

 曲が進むに連れて、観客の拍手に熱がこもって来たように思いました。私もすっかり彼女の歌の中に入り込んでしまいました。サントリーホールが小さく感じられます。声がホール全体から聞こえてくるような錯覚になりました。最近ではプロムスやザルツブルグでも大ブレイクを引き起こしている彼女の力を、まざまざと感じさせられました。

 鳴り止まぬ拍手に応えて、アンコールを3曲歌ってくれました。親しみやすい曲を選んでくれたこともあり、観客も大喜びと興奮の渦に巻き込まれたようでした。これはマリア・カラスにも勝る歌手が現れたのではないかと、それまでの認識を一掃するに充分なリサイタルだったように思います。

 当日のプログラムを読んでみたところ、いろいろなエピソードの紹介が載っていました。特に、22歳でゲルギエフに抜擢されて「リュドミーラ」などで脚光を浴びるようになったころ、コンサートアリアの椿姫で僅かな失敗をした時の話が印象に残りました。彼女は楽屋に戻って大泣きしたそうです。そして、あと5年間はこれを歌わないと話したそうです。そして、ちょうど5年後のキーロフオペラで見事にこれを歌いこなしたとありました。

 今回の演奏は、全く不安を感じさせない堂々としたものでした。その背景にはこのような直向きな彼女のこだわりと努力があるのか・・・と、大変感心させられる記事が印象に残ったことも付け加えたいと思います。


ブルックナー7番: スクロヴァチェフスキー
Date: Sun, 17 Apr 2005
 サントリーホールに友人たちと4人で行きました。これは私をブルックナーのファンにさせた、極めつけの曲なのですが、それも今では最高のブルックナー指揮者と言われるスクロヴァチェフスキー(ミスターS)ですから、本当に楽しみにしていました。一昨年でしたか、オペラシティでのザール・ブリュッケン公演が評判を呼んだ話も聞き及び、いまやN響を超えんばかりの活動を展開している読響の共演も楽しみでした。

 座席は2F左側のA4列、以前ゲルギエフとPMFオケを聴いたところと近く、指揮ぶりがつぶさに見られる最高の席でした。第1曲目がベートーベンの交響曲第1番、これが実に生き生きとした良い演奏でした。団員たちも、演奏が終わったときにビックリしたような顔をしているように見えるくらい、最高の出来栄えだったようです。

 休憩時間のときですが、ピアニストの加藤洋之さんにバッタリ会いました。コンサート会場で会うのはキーロフのオネーギン以来でしょうか、やはりベートーベンは良かったとおっしゃっていました。前述のオペラシティ公演を目の当たりにされたとも仰っていました。実は前日のFM放送でバイオリンの磯さんとの共演を聞いていたので、その話をしたところ、ご本人はあまり意識されていないようでした。

 さて、本命ブルックナーが始まります。ミスターSの指揮ぶりは、必要なところだけに指示を出すように見えました。それなのに全体の響きがすごいのです。特に感動したのは、第2楽章シンバル(ノヴァーク版)のあとでした。ホルンとワーグナーチューバの奏でる旋律の中で、私はブルックナーが思い馳せるワーグナーへの追悼と同化したような気持ちになりました。

 この感動は第3楽章にも続きました。軽快なメロディーで終始するはずの楽章なのに、今回は違いました。様々な思いが頭の中を過ぎります。これが真の名演奏なのかなと思いました。しかし、曲が終わるや否や、余韻も残っているうちに最前列の若いのが汚い声でブラボーを挙げました。私は頭の中が真っ白になりました。

 何度かミスターSが舞台に登場し、観客の熱い拍手に応える姿を見ていたら、やっとそれまでの感動を取り戻すことができました。団員を信頼し、慕われている姿がそこにありました。ここしばらくは今回の演奏の余韻を楽しめるような気がしています。


森麻季さんの荘厳ミサ曲: 井上/新日フィル
Date: Fri, 15 Apr 2005
mori_l.jpg  ブログでも書いたりしている森 麻季さんのコンサートにやっと行くことができました。前回と同じ井上指揮のオケで、ヘンデルから2曲(独唱)、井上オリジナル曲、そしてグノーの聖チェチーリア荘厳ミサ曲と言うプログラムでした。独唱は森 麻季(ソプラノ)、鈴木 准(テノール)、久保田真澄(バス)の面々です。

 彼女の出演するTV放映は、そのほとんどをチェックしていますが、最近はバラエティ番組にも登場するくらいの「売れっ子」になりつつあるようです。最初にその放映に接したのは、NHKの「阪神大震災メモリアルコンサート」のモツレクでした。美貌と人懐っこい性格もさることながら、その声に魅了されてしまいます。特にオペラのみならず、宗教曲にもその澄み切った歌声を聞かせてもらえるのは、他の日本人のソプラノでは考えられないほどの歌い手だと思います。

 本日の公演で最初の演目はヘンデルの歌曲でしたが、2曲目の「リナルドより涙の流れるままに」、これを聴きたかったのです。ホールはとても音響の良いところですが、最安席だったせいか、やや声が小さく聞こえました。しかし顔を挙げて歌いだすと、あの体形から想像がつかないくらいの美しい声が響き渡りました。

 荘厳ミサ曲では、目の前にマラソン選手が使うような容器に入れた水をおいての熱演でした。やはりエネルギーを結構つかうのでしょうね、微笑ましく思いました。共演したテノールの鈴木さん、これがまた素晴らしい美声でした。やはり宗教曲にピッタリの声と言う感じですが、椿姫のアルフレードでも充分こなせそうです。やぁー、なんと贅沢と言うか、森さんとは別の演奏会で聞きたかったようにも思う歌手でした。生の演奏会ではこのような刺激があり、やめられないですね。

 森さんの今年の予定は目白押しのようです。何と言っても年末のソフィア歌劇場でしょうか。チケットが入手できるように頑張りたいです。TV放映も今週のマーラー4番など、しっかりチェックして行きたいと思います。


ショスタコ11番--井上道義/新日本フィル
Date: Fri, 04 Feb 2005
 池袋の芸術劇場に友人たちと出かけました。この曲はゲルギエフ+PMFでの素晴らしい演奏を聴いた思い出が、まだ頭から消えないくらいの時期にあたるのですが、「井上」指揮ならとのお薦めもありまして行ってきました。

 開演前にピアノの調律を行っている音が聞こえてきて、よく響くホールだなと思いました。第1曲目は児玉 桃さんのモーツァルト22番でした。3F最後尾の席でしたので、顔姿は良く見えませんでしたが、とても力強いモーツァルトでした。カデンツァが新鮮に聞こえた事もあるのですが、本来のモーツァルトから逸脱したような印象も受けるほどの、今までとは違う響きを感じました。

 休憩の後、いよいよ本命のショスタコが始まりました。CDではさほど感激しなかった曲ですが、やはり「生」は違います。静かに始まる第1楽章の主題が、繰り返し耳に入ってきます。あぁ、前回もこうやって聞いたんだな・・・次第にテンポが早まってきて、第2楽章のトゥッティになりました。

 凄い・・、・・・、演奏も素晴らしいが、曲も凄いとまた改めて思いました。井上さんの指揮は実にテキパキと指示が飛んでいるようでした。オケはさすがにプロだと思いました。ホールも素晴らしい音響を与えてくれました。特にビオラパートの美しさ、打楽器のまとまりの良さ、コントラバスの重厚な音、ピッコロの鋭さ、どれを取っても文句の付け所の無い演奏でした。

 60分と言う時間があっという間に過ぎてしまいました。満場の拍手、私は思わず「スゴイ!!」と口走ってしまったほどでした。井上さんの指揮する演奏会は、これからしっかりとワッチしなくてはと思います。また芸術劇場にもたびたび足を運びたいものですね。ちょっと遠いのが不便ですが、スカッとした気持ちで次週を迎えられるような、そんな音楽が聴けそうな気がします。


ルジマトフの「海賊」--レニングラードバレエ
Date: Sat, 29 Jan 2005
 東京文化会館の公演に行ってきました。ザハロワがプーチンの命令で来日できなくなったため、急遽一日繰り上げてペレン+ルジマトフの公演に変更しました。しかしペレンもまた素晴らしいのです。双眼鏡で目が釘付け・・・美しい人でした。

 舞台は大変きれいで、照明技術もあるのでしょうが、我が家の新しい液晶TVの比ではありませんでした。CRTより派手すぎると思っていたTVですが、生はもっと派手でした。

 ルジマトフ十八番の「海賊」と言われているのですが、主役ではないのですね。本日の舞台でも、常に主役を引立たせる側に徹していました。第3幕などでは、ほとんど登場せずでした。しかし、見に来ていた観客のほとんどは、ルジマトフ目当てと感じました。大きなジャンプにも芸術を感じるのです。体操や曲芸とは全く違う世界だと思いました。もっと出番が多ければ良かったのですが・・・。

 ペレンのパ・ド・ドゥは、ザハロワに比べればかなり落ちると思いました。手持ちのルジマトフ+キーロフの録画にあるメドゥーラ役よりも落ちますね。でも美しさと優雅さは素晴らしいものがあると思いました。

 ルジマトフは今年の夏に、バレエ・ガラでまた来日するようです。ロビーではバレエの衣装の展示、カレンダーなどの発売、ルジマトフ関連のVTRやDVDなどがたくさん並んでいました。やはり女性客が多かったようです。


ソフィア国立オペレッタ劇場の「こうもり」
Date: Sat, 08 Jan 2005
 前回と同じグリーンホールに家内と出かけました。同じ劇場の公演でメリーウィドウもあるようでしたが、お正月らしい演目を選びました。東ヨーロッパの歌劇場は頻繁に来日するようなのですが、地方公演にも拘わらず、今回のオペラは舞台が大変立派でした。衣装も豪華でとてもきれいでした。

 「こうもり」は名演が数多くありますし、手持ちのライブラリとしても4〜5種くらい持っているのですが、やはり生で楽しむのが一番と思います。特に第2幕のポルカに合わせた踊りとか、第3幕の看守のおじさんのパーフォマンスなどを楽しみにしたいと思って行きました。

 ところがいずれもパッとしないのです。予定の時間よりもかなり切り詰めて進行していきます。アレアレと思っていたら、ラストシーンで刑務所シーンの一区切りのあとに、オルロフスキー公爵の館にさっと戻りました。あの豪華な舞台でフィナーレが歌われました。なるほど、今回の演出はここに焦点を当てたのかと納得しました。

 歌手はいずれも若手の方で、特に有名人はいなかったのですが、それぞれの歌唱力はなかなかのものと思いました。また身の動かしかたがとても良く、みなさん踊りをマスターしているようでした。体つきはゴツイ人が多いのですが、バレエ団のメンバーはとても細身の若い方ばかりで目を楽しませてもらいました。オルロフスキー役の若い歌手も、大変な美人でした。

 「こうもり」は見るたびに新鮮な思いがしてきます。また演出次第で全く違った印象を持たされる、奥の深い作品だと思います。いつかは本場で楽しみたいものですね。


ワルシャワオペラの「魔笛」
Date: Sat, 18 Dec 2004
 相模大野のグリーンホールに家内と出かけました。ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場の「魔笛」です。このオペラは数ある作品でも最高のものと思っていますので、初めての「生」を楽しみにしていました。字幕に頼らずに凡その筋は分かりますので、美しいアリアを存分に楽しめると期待していました。

 配役は特に有名な方がいなかったように思いますが、パミーナを歌ったソプラノが素晴らしかったと感じました。舞台は決して豪華ではありませんでしたが、衣装には凝っているように思いました。オーケストラも小編成でしたが、充分な音響を楽しめました。会社の先輩家族や、思いがけない幼なじみとバッタリ出会ったりして、やはりこれを好きな人が多いんだなと思います。

 しかし、この作品は改めてその贅沢なまでのメロディに感動し、また奥に秘められた筋書きの内容に感心しました。どのアリアが流れてきても、グッとくるのですが、今回はその間合いのメロディにも素晴らしいと感じる部分がたくさんありました。また、タミーノとパパゲーノに代表される人物の対比、つまり「凡人は苦労しなくてもそれなりの人生の楽しみは得られるが、君子たるものは苦難を乗り越えて初めてそれを享受できる」と言う奥深い観念がバックグラウンドにある物語の素晴らしさも、今回は改めて考えることができました。

 年末に相応しい、良い音楽を聞けたと思いました。


上原彩子さんのチャイコ+ N響定演
Date: Sat, 4 Dec 2004
 今回は単独でNHKホールに行きました。デュトア指揮のN響で、リムスキー・コルサコフ、ストラビンスキー、チャイコフスキーのプログラムでした。上原さんの放映は、手持ちの録画にも3つか4つくらいあるのですが、やっと生を聴けるチャンスが来ました。前日のFM生中継も会社帰りにひととおり耳に入れておいたのですが、やはり生は違いました。特に定期公演の2日目はTVカメラやマイクなどのセッティングもなく、演奏者はいくぶんリラックスしているのかもしれません。

 ピアノ協奏曲第1番は、彼女がコンクールで優勝した時にも弾いたように記憶していますが、繊細で雄大な弾きっぷりと感じました。出だしの音を聞いただけで、オォッと思いました。ピアノの最低弦が極めてクリアで良く鳴っていました。FM放送の時よりも、緩叙楽章の歌わせ方がゆったりとしているように思いました。オケとのキャッチボールの部分は、激しく戦うような面もありました。スケールの大きな演奏だったように思います。

 しかし、NHKホールの音は何とかしてもらいたいものです。トゥッティの音響はコモリまくっていました。また別の機会に彼女の演奏を聞きに出かけてみたいと思っています。


2年ぶりのサヴァリッシュ+ N響定演
Date: Sat, 13 Nov 2004
 本日の公演は、私にとっては忘れられないサヴァリッシュの演奏会になると思います。椅子に座って指揮すると聞いていましたし、先週あたりのFMでも、その様子が伝えられていました。しかし、急病から奇跡的に復帰したと言っても、歩くのがやっとのマエストロを見るのは、忍びない気持ちでいっぱいになりました。

 ベートーベンの7番、圧巻でした。第一楽章、最初の音が出てきた途端、すでに私は感動が込みあげてきて、どうしようもありませんでした。曲が終わった後の熱狂的な聴衆の声も凄かったですね。舞台が暗くなってからも、拍手が続きます。ついに支配人が登場して、「済みません、マエストロは大変お疲れで、ご挨拶できません」の話がされた直後に現れたサヴァリッシュ、これはさらに感動を呼び起こした出来事でした。

 N響との長い付き合いは、私としてもサヴァリッシュの音楽を聴いたようなものでして、確かにローゼンストック、スイートナー、ホルスト・シュタインなど数々の名誉指揮者の演奏も聴いてきましたが、やはり本命ここにありの気持ちを強く持ちました。

 翌日のAチクルス2日目は、FMで生中継がありました。しっかりとエアーチェックしたのですが、ツィンマーマンの「ブリテンVn協奏曲」も、当日の感動を呼び起こす素晴らしい演奏でした。このバイオリニストはシャハムにも匹敵する、と言うより少し違うジャンルで楽しませてくれる演奏家のような気がします。特にベートーベンVn協奏曲は抜群の演奏だった記憶があります。クライスラーが使っていたと言うストラディバリの音は大変美しくて、彼の演奏法にもマッチしているような気がしました。

 第1曲目のハイドンも、良い演奏でした。続けて何曲も聴きたくなるようでした。サヴァリッシュとの40年間の共演は、N響にとって、かけがえの無い存在でしょうね。昨年のウィーンフィル来日公演で代役を立てざるを得なかった時以来、もうサヴァリッシュの演奏を聴けなくなるかもしれないと思ったりしましたが、さらに健康を取り戻して活躍していただきたいと思います。


読響名曲シリーズのコンサート
Date: Mon, 1 Nov 2004
 本日は、職場の先輩から会員券をお世話いただき、サントリーホールに行きました。曲目はベートーベン「プロメテウスの創造物」序曲、同「ピアノ協奏曲第3番」、ワーグナー「神々の黄昏」抜粋でした。座席は P席最前列中央、指揮のアルブレヒトさんと何度も視線が合ってしまう、刺激的なところでした。TVカメラが8-9台入っていまして、読売TVの放送が予定されているようです(もしかしたら映るかも??)。サントリーホールには珍しいほどの多数のマイクが配置されていました。

 独奏の中村紘子さんの演奏は、本当に久しぶりに聴きました。とてもオーソドックスでダイナミックな演奏でした。この席では弦があまり良くは聞こえませんが、チェロとピアノの掛け合いが印象的でした。目の前がティンパニーで、ベートーベンはまだ良かったのですが、ワーグナーの時はシンバル、トライアングル、チューバ、ホルンと持ち替えの何と言うのでしょう、あの管楽器、そして特大のトロンボーンなどの音の嵐が凄かったです。パート譜が良く見えまして、68とか73などの練習番号などがギッシリ書き込まれた譜面もバッチリ目に入りました。

 ピアノの音も、そのほとんどが残響音ですが、このような席で聴くのは大変面白いです。しかし、緑川さんのソプラノは、さすがにキツイものがありました。やはり P席で佐藤しのぶさんのソプラノ+オケを聞いたことがあるのですが、それよりは緑川さんの方が、力強い声だったように思います。緑川さんのブリュンヒルデは最高ですね、昨年の東京文化会館を思い出しました。

 独身時代に通っていたN響定期のことを懐かしく思い出しました。私も読響に入りたくなりました。ゲルギエフ+PMFの席は、やはり指揮者の顔を直に見ながらでしたし、高いお金を払って正面で聴くこともないな、と思います。むしろ「生」でしか体験できないような演奏が、このような席にはあると思いました。


飯守さんの「ローエングリン」に感動
Date: Sat, 11 Sep 2004
 昨年の「神々の黄昏」からもう一年経ちました。今年は「ローエングリン」、友人と二人で上野の文化会館に向かいました。受付で配られたプログラムは、日本人指揮者としてワーグナーに関する最高の見識と実績を持つ、飯守さんの思うところが余すことなく表現されていました。今までは、半分は御伽噺くらいにしか感じていなかった作品でしたが、実は人間の強さと弱さ、善と悪などに関する奥の深い意味が込められた作品であると、初めて知りました。

 主役の成田勝美さんは、昨年もジークフリートを朗々と歌い上げた凄い歌手との印象を持ちましたが、今回のローエングリンではさらにその持ち味を発揮していたように思います。そのままバイロイトで歌っても、聴衆に深い感銘を与えるのではないかと思います。今回の演奏は、ノーカット全曲で行う予定とあり、成田さんなら充分に歌いこなすだけの力があると思いました。残念ながら直前に、一部カットの全曲演奏となりましたが、初演のリストが指揮した形式に戻した理由は、いずれ雑誌などで飯守さんが熱く語ってくれるだろうと期待します。

 エルザ役の緑川まりさんは、すっかりお馴染みのメンバーです。オルトルート役の小山由美さんの溌剌とした声にも驚きました。これだから世界でも通用するのだと思いました。一方、緑川さんの演技と声は、また格別の味わいがありますね。どちらもその持ち味を生かした適役と思いました。

 20分の休憩が二度ほどありましたが、14:00〜19:00近くまでの間、この大作を堪能できました。オーケストラピットを大きくはみ出した大編成のオーケストラ(東京シティフィル)、飯守さんとの息もピッタリでした。両袖とコーナーに追加配置されたトランペットが文化会館いっぱいに鳴り響いたかと思うと、舞台中央から4台の大型トランペットが凄まじい大音量を響かせます。この長いトランペットは、「アイーダ」で使われるのと同じだろうかと、あとで友人と話したりしました。

 昨年より立派な舞台装置と衣装の下、大いにワーグナーの世界を楽しむことができました。そして演奏はアッと言う間に終わりました。すごい拍手の嵐でした。何度となく呼び出された配役のみなさん、本当にお疲れ様でした。私と友人が4階席から降りてきたころ、また拍手の音が聞こえてきました。ロビーの近くから会場をのぞくと、飯守さんがひとりで出てこられ、たくさんのファンの拍手に応えていました。新国立には負けない世界がここにはあるのだと確信しました。ますます飯守さんには頑張っていただきたいと思います。


ブルックナー8番の世界初演アダージョ
Date: Sat, 4 Sep 2004
 友人に誘われて、久々の池袋にある芸術劇場に行きました。内藤 彰指揮、東京ニューシティ管弦楽団によるブルックナー交響曲第8番ハ短調です。芸術劇場に着いたときは大雨でした。帰りの池袋駅南口も、改札口の天井から滝のような雨漏りがありました。ここに集まってくる人たちは、真のブルックナーファンなのでしょう。特に第3楽章のアダージョに入ると、みんな身を乗り出して聞き入っていたように思えたのは、気のせいだけではなかったような気がします。

 私が最近興味を持ってきたブルックナーのコンサートとしては、トリフォニーホールの京都フィルによる7番以来のコンサートです。第8番は、その楽譜の種類の多さにおいても、また長大な楽曲の長さにおいても、さらに著名な指揮者が取り組んだ演奏の多彩な面においても、話題に欠かない大作だと思います。今回の楽譜発見の重大性について、ブルックナーに詳しい友人の言葉を引用しておきたいと思います。(以下、引用)

ブルックナーの8番のアダージョには4種類ありますが、今回初演されたのは5つめのアダージョです。ブルックナー研究家の川崎氏という方が発見し、今回初演されたものです。これは他の人の手による改訂版とは違い、正真正銘ブルックナーが作曲したとのことです。ブルックナーは8番を完成すると、尊敬していたレヴィに楽譜(第1稿)を送ったのですが、批判的だったので大幅に改定した第2稿を作曲しました。しかし、実はこの間にアダージョのみもう1つ作曲していたというわけです。

現在では改訂版や第1稿(ノヴァーク版)は、ほとんど演奏されませんので、通常、ハース版かノヴァーク版(第2稿)のどちらかが演奏されます。ハースは第2稿を元にしながらも、気の弱いブルックナーが他の人の意見に従い、泣く泣く?カットしたであろう(音楽的には必要と思われる)部分を第1稿から復活させたりしています。しかし、ノヴァークは「研究者がそこまで立ち入るべきではない。」として第2稿、次いで第1稿それぞれを別々に出版しました。これには賛否両論があり、まだ決着はついていません。

・・・と、経緯を簡単に書きましたが、今回新たに発見されたアダージョは特にすばらしいものでした。ハースが復活させて論議となっている部分も一部入っていましたし、1稿にも2稿にもない音楽もたくさんありました。今までの4つのアダージョでも、この世のものとも思えぬ美しさですが、このアダージョはあの世の中でも最も美しいのではないかとさえ感じました。ただし、演奏については他に比較がないため特に言うことはありませんが、それほどのものではなかったと思います。今回は発見者の川崎氏に向けて拍手です。もしかして将来キャラガンの手によってこのアダージョが主流となり、この日の初演のことがレコードの解説書等に記載されるようになると、僕も孫?に自慢話ができるかもしれません。

 以上が友人の書いてくれた記事でした。私は10年ぶりくらいで訪れたホールで聴いたのですが、音響もまずまずでした。3Fの後ろから2列目でしたが、音量はかなりありました。特に低音が良く出ていました。コントラバスが6本、チェロとビオラが9本ずつと少な目でしたが、すごい低音の響きでした。ブラスは三管編成でしたが、これも迫力がありました。オケの実力がもう少しあれば、さらに良かったと思うのですが・・・。でも、立派な演奏だったと思います。


ゲルギエフ+PMFのショスタコ聴きました
Date: Tue, 4 Aug 2004
gergiev0152.jpg  サントリーホールに出かけました。友人が取ってくれた座席は舞台に向かって左側、ここならゲルギエフの指揮振りをバッチリ見られるかも・・・、そんな期待も込めて楽しみにした演奏会でした。

 曲目はチャイコフスキーのVn協奏曲と、ショスタコーヴィチの交響曲第11番です。もちろん後者がお目当てだったのですが、第1曲目のソリスト、ニコライ・ズナイダーが想像以上の演奏家だった事が驚きでした。私の席から見えるのは背中姿のためか、楽器の音色が随分と柔らかく聞こえました。しかし楽章が進むにつれ、美しい中にも力と味わいのある素晴らしい演奏と感じました。アンコールのイザイ??は圧巻でした。満場の拍手を受けていました。

 ゲルギエフは終始にこやかな指揮ぶりで、私の正面に向いた表情を大いに楽しみました。近くで見ると、随分と垢抜けた顔に見えました。やはり外人なんだな、と言う感じです。休憩をはさんだ2曲目のショスタコ、これは本当にたまげました。CDで聴くのとは大違い、凄い曲であると感じたのは「生」ならではと思いましたし、ましてやゲルちゃんの演奏、観客を最大限に楽しませることの本領を発揮していたと思います。

 PMFオーケストラは、バーンスタインが育てたのがきっかけとなったもので、本拠地は札幌だそうですが、前日の大阪公演に続くハードスケジュールだったようです。若い優秀な演奏家の集団ですが、思った以上に外国人が多かったようでした。パシフィックの"P"は「平和」を表現したものとか、バーンスタインらしい命名です。演奏のレベルはとても高く、バーンスタインも良く口にしていた「お客さんを楽しませる演奏であるべきだ」を、ゲルギエフがそのまま引き継いだ面があると思いました。

 ティンパニーや小太鼓が大活躍するこの曲ですが、若いアーティストが最大限に実力を発揮できていたと思います。また、それを実現させたゲルギエフの手腕にも、改めて脱帽の思いでした。今年は11月にウィーンフィルを引き連れて、チャイコフスキーなどを楽しませてくれるようです。日本にいながら、こんなにたくさんの演奏を聴かせてもらえるのは、本当に贅沢なことかも・・・と感じた一日でした。


ライナー・キュッヒェル&加藤洋之 at 王子ホール
Date: Tue, 6 Jul 2004
 ウィーンフィルでお馴染みのキュッヒェルさんと、毎年コンサートを開いている加藤さん、そのご本人から教えていただいたコンサートに出かけてみました。王子ホールは初めてでしたが、素晴らしい内装と音響を持つホールでした。音としては残響が長い割には高音が良く響くと言う印象を受けました。場所がらもあり、品の良い聴衆が集まってきて、貸しホール形式のコンサートにもかかわらず、満席状態でした。ストラディバリ「シャコンヌ」を使って、バッハのシャコンヌを奏でると言うふれこみのコンサートでしたが、当日のプログラムは、以下の通りです。

 ・プーランクのソナタ
 ・モーツァルトのソナタ第40番(KV 454)
 ・バッハの無伴奏パルティータ第2番(BWV 1004)
 ・ベートーベンのソナタ第10番(OP 96)

 いきなりのプーランクで度肝を抜かれました。凄いテンポとテクニック、圧巻でした。このような激しい曲をトップに据えるのは、キュッヒェルさんの演奏そのものを表していると、後で感じました。次のモーツァルトは、とても美しい演奏でしたが、私は加藤さんの素晴らしい音楽性に触れたような気がします。加藤さんのお話の中で良く聞く事なのですが、曲によってはピアノを自由に歌わせるスタイルを、キュッヒェルさん自身が望んでいるそうです。

 バッハはかつて聞いた事がないくらいのハイテンポでした。うーん、シャハムも速かったけど、ちょっと違うかな??。ベートーベンはスケール感がありました。「ピアノと二人のオーケストラ」とでも表すのが良さそうです。アンコールの数曲を含めて、全体で100分近くの盛りだくさんなプログラムだったと思います。

 演奏が終った後に、ロビーで購入したCDにサインをしていただきました。近くでみると、本当に親しみのある人柄と思いました。しかし演奏面では、私がそれまでキュッヒェルさんに抱いていた印象が、この日を境にして大きく変化させられた、凄いコンサートだったように思います。


川村奈菜&加藤洋之 デュオ at きゅりあんホール
Date: Wed, 14 Apr 2004
こちらをご覧下さい。


京都市響のブルックナー7番
Date: Sat, 13 Mar 2004
 ブルックナーに凝り始めたのは、つい1〜2ヶ月前でしたが、いよいよ生の音楽に接する機会に恵まれました。京都市交響楽団は全国唯一の市立オーケストラ、そしてブルックナーを取り上げてきたのも設立当時(1956)からだそうです。第2代目常任指揮者のハンス・ヨアヒム・カウフマン、そして前任者のウーヴェ・ムント氏らが育んできた伝統を誇っています。

 本日の指揮者は大友直人さんですが、京響とブルックナーに取り組むのはこれが初めてのようでした。会場の「すみだトリフォニーホール」は素晴らしいホールで、私はここを訪れるのは初めてだったのですが、音響的にも良く考えられた設計になっていると思いました。具体的には、舞台の天井が高く、ホール一体となっていること、そして平行面の排除が到るところに適用されています。

 私が最も入れ込んでいる第7番、素晴らしい演奏でした。第1楽章の出だしで思わずグッときました。第2楽章は言わずもがな、第3楽章も生ならではの迫力、第4楽章までくると完全にブルックナーの境地に達するような感覚になってきました。特に素晴らしかったパートは、チェロ軍団とフルート、そして第1バイオリンも統率が取れていて、この曲に対するオケの伝統のようなものを感じさせました。管楽器はとてもダイナミックで、打楽器なしでも充分にクライマックスを表現できていました。さらに大友氏の手腕によって、今後のまとまりを期待したい部分はありました。

 この曲をここまで演奏しきるのは、並大抵ではないと思います。曲の素晴らしさ、ブルックナーの素晴らしさ、そしてオーケストラ、指揮者、ホール、何よりもそれが「生演奏」であること、これらの全てが関係する名演奏だと思いました。これからしばらくは、ブルックナーの生演奏を求めて、徘徊する生活が始まりそうです。


OEK+ホリデイのNew Year Concert(横浜)
Date: Sun, 11 Jan 2004
holliday007.jpg  思いがけず入手できたチケットを手にして、横浜の県立音楽堂に家内と行ってきました。このホールは前回のアーヨ公演に続く2回目の訪問になります。オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の名前は以前から知っていましたが、演奏を聴くのは初めてです。岩城宏之さんの指導の下に、今やワールドワイドな活躍を展開している室内オーケストラですが、今回はマイケル・ダウスさんの指揮とVn演奏で、ウィーンのワルツを楽しみました。

 共演したメラニー・ホリディさんは、数年前に「こうもり」のアデーレ役で出演したのを観たことがあります。アメリカ出身ですが、ウィーンのフォルクス・オパーでの活躍は、「オペレッタの歌姫」とも呼ばれる美貌と実力の持ち主です。ミュージカルの分野まで幅広い才能を披露しているとの話でした。

 まず、このホールの音の良さに改めてビックリしました。決して大編成のオケでもないのに、音量が凄いのです。席はほぼ中央のやや後ろよりでしたが、最高の音で聴けたと思います。オケもさすがプロ、大変に洗練されています。司会兼バイオリニストの団員の方(日本人ではない)が、合間に楽しいお話をしてくれます。ホリデイさんへのインタビューも、とても楽しめました。

 今回の最大の感想は、メラニー・ホリデイさんの徹底したサービス精神に驚いた事、音を聴く以外の楽しみも含めて、ニューイヤーコンサートの楽しさを満喫できたことにあると思いました。一曲置きにホリディさんの歌が入るプログラムは、とても贅沢なものと感じるくらいでした。シュトラウスに限らず、レハール、カールマンまで登場します。特にチャールダーシュの「ハイア、ハイア・・」では、華麗な踊りもそのままに、スカートを捲り上げての熱演振り、恐れ入りました。とても感動しました。

 終演後はロビーでサイン会もありました。カメラを向けると、こちらを向いてポーズを取ってくれました。美しい姿をぜひ見てください。


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