小春日和の蒜山
プロローグ 立冬も過ぎたある日、十数年来の山仲間から久しぶりのメールが届きました。 紅葉を求めて、蒜山に行く話が決まるまでに、そう時間はかかりませんでした。 前夜はふもとのキャンプ場で冬の天の川をはじめ満天の星空を堪能しました。 撮影データ カメラ:OLYMPUS C-2020zoom(35-105mm 35mフィルム換算) |
朝もやの高原 あたり一面立ちこめた霧の中、目が覚めました。 いや、同行者にたたき起こされたというのが正解かな。 朝食を摂っているうちに霧がどんどん薄れていき、 木立の間からモルゲンロートに輝く中蒜山が顔を見せてくれる。 今日一日の好天を約束してくれているかのように... 朝もやの中、牧歌的な景色が心を和ませてくれます。 爽やかな空気を胸いっぱいに吸って、いざ出発! 地図も持たない、お気楽登山の始まりです。 |
雲海 登山口の塩釜鉱泉から、木もれ日の樹林帯を行く。 初冬のやさしい光りが紅葉の木々をスポットライトのように照らす。 順調に高度をかせぎ、ふと後ろを振り返ると、 朝日を浴びて輝く雲海に中国山地の峰々が浮かぶ。 こんな素晴らしい雲海を見たのは、いつ以来だろう? やっぱし早起きは三文の得・・・だね。 少し歩いては振り返る。休んでいるんではないよ、素敵な景色を見てるだけ。 そんな言い訳通用しないかな? |
紅葉 お目当ての紅葉はこの辺りでは少し盛りを過ぎたようだ。 それでも時折、鮮やかな赤や黄色の衣をまとった木々に出逢う。 レンズを向けるが、なかなか構図が決まらず、 ファインダーを覗いては首を傾げ撮影を諦める。 紅葉の向こうに下蒜山が顔を見せる。 まだまだ山頂は遠い。 相変わらず一本調子の登りが続く。 |
中蒜山頂(1122m) 歩き始めて90分、やっとこさ中蒜山の山頂に着く。 山頂は草原で眺めは抜群、360度のパノラマを楽しむ。 11月とは思えぬ陽気に吹き出した汗を心地よい風が拭ってくれる。 山頂で一服し、上蒜山を背景に記念撮影をする。 ここで初めて人(学生風の団体)に出会った。 山頂にある無人小屋で一夜を過ごしたそうだ。 ところで“大山”は何処? 未だ見ぬ大山を求めて上蒜山に向かうことにする。 |
稜線のオブジェ 中蒜山を下り、上蒜山との間のユートピアのコルを目指して草原をゆく。 笹が逆光を浴びて美しく輝く。 ススキだったらもっといいのねと勝手なことを話しながら写真を撮る。 葉っぱを落とした、たくましい枝振りの木が目に留まる。 何という名の木だろう? コルで一休みした後、上蒜山の登りに取りかかる。 途中、鎖場もある急登である。 |
上蒜山頂から望む大山 たどり着いた上蒜山の山頂は雑木が茂っており、大山(1730m)がよく見えない。 がっかりしたが、少し下ったところで何とか大山が見える場所を見つけた。 背伸びしながら、葉の落ちた枝越しに大山を眺める。 雪は付いていなかったが、久しぶりに見る勇姿に満足する。 おにぎりを1個食べて、来た道を戻る。 ※もっと大山を見たい方はこちらへどうぞ。 |
青空 下り道はたくさんの登山者に出会う。 中蒜山は大賑わいになっていた。 家族連れが多く、子供にハッパをかけられながら、 親が登ってくる微笑ましい光景に幾度となく出会う。 この子達が大人になったら、きっとその子供達を連れて来るんだろうな。 急坂を振り返ると、緑の笹道に抜けるような青空が美しい。 |
ふもと 相変わらず下りは快調。 登ってくる人に挨拶をしながら、程なく塩釜鉱泉に着く。 駐車場となった高原で中蒜山をバックに記念撮影する。 売店で買ったジャージー牛乳とジャージーアイスクリームが旨い。 ついでに大根とキャベツと梨とイワナを買う。 さあ、あとは温泉入ってさっぱりして帰るだけだ。 二日後・・・木枯らし1号が街を吹き荒れました。 蒜山も雪化粧をまとったことでしょう。 小春日和の楽しかった一日、ありがとう。 |
コースタイム (山行日:1999年11月14日) |
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塩釜鉱泉 | (7:45発) | ||
中蒜山 | (9:15着〜9:35発) | ||
上蒜山 | (10:25着〜10:45発) | ||
中蒜山 | (11:25着〜11:35発) | ||
塩釜鉱泉 | (12:45着) |