2001年10月06日(土)
  サンマ

秋になると、サンマの季節。
銀色に輝くサンマ、その美味しそうな塩焼きが
食卓にのぼる。

サンマというと、すぐに思い出すのが、基地に
住む、婦人の家での家庭集会。6、7年前の事。

流産の心配のある友人を、子供と共に家に引き
取り、しばらくお世話していたその婦人が、彼
女も出席できるから、家で集会してくれと。

その時、誰かがサンマを持参。サンマの塩焼き
と、みそ汁とご飯で昼食。サンマを半分づつ。
焼いている途中に、「私、しっぽ取った!!」
「私も、先にしっぽ取った!」サンマの取り合
い、早い者勝ちが何とも面白い。

「私が先だからね」と、何でも言えて、あるがまま
でおれる間柄。別世界のような、ユニークで愉快
な楽しい数年間だった。皆、転勤で渡米、各地に
散った。

6、7年の間に、深く織りなされた数々の人生模様・・。
ある婦人は、辛く悲しい離婚を経て、今、神様と
子供達と平安な落ち着いた生活に導かれている。
ある婦人は、夫婦が建て直され、幸せな家庭生活
が与えられている。
別の婦人は、育児に神様が臨んで下さり、親子関
係が癒された。
それぞれの地で、神様に導かれて恵まれて元気で
いることが嬉しい。

「先にしっぽ取った!」「私が先よ!」サンマが直結
するのは、きっと本音で心底ぶつかり合えた間柄。
その人間関係のいとおしさ。
その何とも言えぬ、郷愁にも似た懐かしさ。
あれは、秋だったんだなあ。

by多恵子