2003年02月21日(金) 続・コンサート・そのテーマ
そのコンサートの今回のテーマは「希望」。 その「希望」というのが、死に打ち勝つことの できる、ギリギリの死線を越えた、先にある 「希望」。 これは、神を信じることによって、与えられる 「永遠のいのち」。神なしには、あり得ない。 ナチスによる迫害下のユダヤ人達が受けた、 悲惨な言語に絶する苦しみ、死を目の前に、 極限ギリギリに置かれた状況の中で、尚も 彼らには「希望」があった。 それは唯一神信仰による、永遠のいのちの 希望。死の先にある、溢れるばかりに豊かな 満ち満ちたいのち!! Tさんの語られた「希望」は、死を前に極限ギリ ギリの苦痛の中でも、決して失せることのない 希望。それは、神からのみ来るもの。 バッハをはじめ、当時の音楽家達は、聖書の神 を信じていた。そもそも「音楽」というものの本来 の姿は、聖書の詩篇にあるような、神への賛美。 「だから、神がわからなければ、音楽はわかり ません!」明快に断言された。 そして、「このコンサートを通して、ただ音楽を 聴くのでなく、人生を考えて頂きたい。」と。 一つの曲の後で、ピアノ奏楽者に、一つの箇所 を再演させられた。トトン、トトン、トトン、トトン・・ 「これは何の音か、わかる人いますか?」 「心臓の音を表わしてるのです」 トトン、トトン、トトン、トトン・・いつまでやってても 切りが無いですが、少しづつ少しづつ音が小さく なって、最後に消えて行くのです。 これが死です。 思わずギヨッ!!とした。大変な衝撃で、インパクト だった。「人はいつか必ず死がやって来ます。 死への備えはありますか。」 心身に及ぶ、悲惨な迫害の中で、肉体の命 は断たれたとしても、その先にある光、希望、 永遠のいのち。誰も奪うことのできないいのち。 重く、深い、荘厳なテーマであった。それが妥協を 許さない、研ぎ澄まされた最高の演奏と、相まって もの凄い厳粛さとインパクトで迫って来る。 極めて濃密な、別世界のような二時間であった。 ある方「友人がルンルン気分で、気楽に好きな バイオリンを聴こうと来たら、余りにシリアスで、 重くて驚いてしまって、恐かったと」(笑) 「でも、その友人が、お話がずっと心に残ってて、 2,3日ずうっと考えた。本当にその通りだと思えた。 と、又、来年も来てくれそうです!!」・・奥が深い。 「希望というから、私も、ほんわかした何か春の ような、のどかな感じかなと思っていたら全然違 いました!」(笑) 極限の死に直面して、尚且つ決して失せること のない、死に勝利した、永遠に輝く「希望」。 ただ一方的な恵み、プレゼントによって、その希望 を与えて下さった神様。今、私がそれを持っている ことに全身の感動を覚えつつ・・。 深〜い厳粛な余韻の残るコンサートであった。 by 多恵子