2003年08月14日(木)
  切迫した祈り

近所が気にならなくなると、とたんにあつかましく
なるのも、どうかと思うがで、社宅のゴミ置き場の
粗大ゴミの中からまだ使える電燈を発見。

実はこの社宅、部屋の電燈は自分もちだ。
ガスコンロ、湯沸し期は、ついてなくても電燈まで
なかった社宅は珍しい。
夫は「どうせ一部屋しか使わんから、一つだけ買っ
たらいい」というので一つしかない。

ふだんは、ひと一部屋で十分なのに捨ててあるのを
見たら、きゅうにひと部屋だけではさみしかろうと
思えてきた。

8月に入ってからも結構引っ越していかれる方が多
いとのこと。
さっそく、まだ使える電燈を持って帰ろうとするが
そこはやはり今まで大切に?育んできた見栄や外聞
が邪魔をして、なかなか手が出ない。社宅すべての
窓から見られているようだ。

いちど、出直そうと思って部屋に帰りかけると、
(買い物帰り発見したのだ)同じ階段の方が引っ越
し準備中だとわかった。
そこで思いきって「すいません、あれ捨てるなら…」
と言ってみると、「古いけど、どうぞ!」と快く言っ
てくださった。

ところが、やはりゴミ捨て場に取りにいけない。

声かけたことは、誰も知らないから、人から見たら、
だまって取ってると同でしょうそれは・・とか、
でも、いったん声かけたのに取りに行かんのもなぁ…。
やはり古いから、いらんかったんか!と思われるか
なぁ…とか。

もともと部屋の電気なんて一つで良いと夫は言ったの
にと激しく後悔。
「いま持っているもので満足しなさい」…じゃった。

ぐずぐずしていると、夕方の井戸端会議で、みんなが
出てくるぞ、と迫られるように祈って粗大ゴミ置き場
へ向かった。こんなことで迫られるのもなんだけど。

すると不思議に「あつかましく頂きま〜す!」とびっ
くりするような大声が自然に出た。
「どう〜ぞ!!」と大きい返事もあった。神様!感謝!
ピンチにはきっちり答えてくださる神様じゃ。
恥ずかしながら、しっかりもらって帰った。

        by 富士子