2012年04月11日(水)
  「桜の季節」

満開に咲き誇る、見事な桜に、心ほっこり見とれるが、
またたく間に、葉桜に。


美しい桜が、心に染み入りつつ、去年の桜が、心に
くっきりと浮かぶ。

去年の今頃、孫たち家族と、花見に行こうと、お弁当の
段取りをして、翌日を楽しみにしていた。
その深夜に、少しづつ衰弱しておられたご高齢のAさんが、
突然、状態悪化され、天に帰られた。

連絡受けて、すぐ駆け付けたが、間に合わず、「連絡した
直後、もう息を引き取られました」と、スタッフの方から
お聞きする。

大変なご高齢で、目に見えて弱って行かれ、覚悟して
いたので、この時が、厳粛な神様の時と、受け取る
ことができた。
主のみもとに、主とともに平安におられることに、
心が慰められた。

葬儀社に連絡、翌日は、すぐにバタバタと、慌ただしく
葬儀の準備になって行った。

お花見を、とても楽しみに〃していた小さな孫たちに、
親が、教会のおばあちゃんが、イエス様のもとに
帰られたこと、お葬式の準備で、出来なくなったこと
を説明した。
小さいながらに、納得し、お弁当を作っていたので、
葬儀の準備をしながら、教会で食べた・・。



Aさんは、私たちに、大きな〃祝福をもたらして下さった。

身寄りが全くなく、独り身で、施設で生活しておられた。
施設から、教会に通って下さっていた。

以前に証しして下さったが、気の強い〃性格でしたと。
気に入らない相手がいると、真正面切って、喧嘩して
いましたと。

神様を信じて、変えてもらいましたと、柔和な、穏やか
な笑顔で、いつも口ぐせだった。
満面の笑みで「嬉しいです」「有難いです」と。

施設では、カーテンで仕切られた4人部屋。
プライバシーが全く無いような状態だった。
以前の自分なら、とてもおれなかったでしょうが、
今は、「変えてもらいました」「幸せです」「嬉しいです」。

Aさんに「もし神様が、どんな願いでも聞いてあげると、
言われたら、Aさんは、何を願いますか?」と
聞いたことがある。

「家族と暮らしたい」「個室が欲しい」「ここへ、あそこへ
行きたい」「あれが、これが欲しい」と、何でもある
だろうに、

Aさんの答えは、「はい、このままでいいです」
「このままで幸せです」と、にっこり笑顔で。

驚いた。信仰によって生きておられる、Aさんに感嘆した。

不平不満、悪口をAさんから聞いたことがなく、

「お陰です」「変えてもらいました」「嬉しいです」
「感謝です」、この言葉がいつも順繰りに、Aさんの口
から出ていた。


Aさんの柔和な、優しい笑顔、信仰とお人柄が、桜の
季節と共に鮮やかによみがえる。