2009年06月06日(土)
  「涙の谷」

Aさんが話してくれた。

「夫が、厳しい試練の中で、もうボロボロで、限界だった。
心も、もうどうにかなりそうで、もうダメだ、一歩も進め
ない、どうにもできない。

木々に囲まれた静かなベランダで、一人きりで、心の底から、
『神様!!』と『いるなら答えて欲しい』と叫んだ。

その時に、突然、ザアッー!と、ものすごい、どしゃ降りの
大雨が降った。雨など何の気配も無い中で。

彼には、はっきりわかった。神様が祈りに答えて下さった。
心に、鮮明に神様を感じた。自分にはわかる。それで十分
だった。

限界ぎりぎりだった、一歩も歩めなかった心に、新たな力が
湧いた。再び、立ち上がる事ができた。」


親友が離婚を通り、やはり極めて厳しい試練が臨んだ。
次から次へと苦しみが襲って来て、毎日泣き明かし、
涙が、これだけよくあるものだと思うほど、泣いた。

四方八方から、もう気も狂わんばかりの、痛みと辛さ
だった。

ある時、もう心破れて、立ち上がる力もなく、その場に
しゃがみ込み、打ちひしがれて、もうダメだと思った。
もう限界だった。何の力も無かった。

「神様、もう限界です」と言った時、涙の目を上げると
ベランダの向こうに、綺麗な綺麗な虹が、それも二重
の虹が、はっきりと、くっきりと、鮮明にかかっていた。

驚いた。二重の虹など見ることない。ほんとにそこに
神様を感じた。すぐそばに神様を感じ、臨在を感じた。

心と身体の隅々にまで神様を感じて、神様に包まれ、
心引き上げられた。再び顔を上げることができた。


Bさんは子供の試練が臨んだ。母親にとって、
子供のことは、自分のことより痛く辛い。
子供が生きる力を無くした。
何とかしようと無我夢中、もう必死だった。

診察時間長く、外で待った。涙で、心は暗く、重く、
押しつぶされそうだった。
そんな時、ふと見上げた、片田舎の海辺の風景。

自然が、心の痛みに透き通るように、染み通り、
心に触れて来る。
涙に濡れた心が、不思議に、癒されて行くのが
わかった。

その風景が大好きで、何時間見ていても飽きず、
心に奥に染み、心が癒された。

ある時は、満開の桜に、こんなに沢山の桜を
見たことが無いほどに、見事に咲き誇った
素晴らしく、綺麗な桜。
心に染み渡り来て、涙が出るように、感動した。
心癒された。

「それは、神様ですよ。癒して下さっているのは、
神様ですよ」

そして、子供も癒された。

神様は、どのような形ででも、臨んで下さり、慰め、
新たな力を与えて下さる。

八方ふさがりの、ぼろぼろの中で、なすすべのない、
心破れ果てた中で、ただ「神様」と、助けを呼ばわる
だけで、答えて、助けて下さるお方だ。

ただ、呼ばわるだけで。


“彼らは涙の谷を過ぎるときも、
    そこを泉のわく所とします
       初めの雨もまたそこを祝福でおおいます”