Ｑ：神の栄光が表されるためだとは、具体的にはどんなことでしょうか。

私はクリスチャンになりたての頃は、「神の栄光のために」とのことばが非常に恰好がよく聞こえました。それで、自分の人生を神様の栄光が表われるようにと一生懸命に教会で奉仕をしました。人がいやがることを率先してしたことを思い出します。
　ある時に、将来の道を求めて祈っていた時です。聖書を読んでいました。その時に、「あなたがたがわたしを捜しているのは、しるしを見たからではなく、パンを食べて満腹したからです。なくなる食物のためでなく、いつまでも保ち、永遠のいのちに至る食物のために働きなさい。」ヨハネ６章２６節のことばが心に留まるのです。これはどんな意味なのだろうと思いめぐらしていました。すると、私の奉仕活動が「神様の栄光」のためだと思ってしていたのが、そうではなくて「自分の栄光」「自分の喜び」のためだと分かったのです。神様を利用して自分の賞賛を求めていたのですね、ビックリしました。
　聖書には「神の栄光のために」生きることを勧めています。もともと、人は神に似せて創造されたのです。創世記１章２６節を見てください。その意味は、神の持っている本質を輝かすためです。分かりやすく説明すると、月は光を放っていますね。でも、その光は太陽からの光を反射しているだけです。正確に言うと月は太陽の光を反射しているのです。これを反映するといいます。人は本当の愛や喜び、きよさ、平安はありません。でも、人は、神様が持っている愛や喜び、真実、力を与えられて、それをこの世に反映（反射）することができるのです。このような生き方が出来るのです。
神の栄光である、愛、真実、力、喜び、平安、きよさ等に私たちは満たされて、それを自然にこの世に反映して行く生き方、それが「神の栄光のために生きる」とのことばの意味です。
　私は、まだ聖書や神を知らない時は、神の栄光のために生きるとは、自分が頑張って神をささえ、喜ばせるようにする生活だと思っていました。でも、神さまの愛や力の偉大さを知ると自分の力が神様を支えるとか喜ばせるとかいう思いはなくなります。それより、私を愛し、支え、喜び、希望を与えてくださる神にあって、自分が満たされてきます。神は私たちを、神の栄光を輝かして生きる者にしてくださるのですね。
　最近、スウェーデンからレーナ・マリア・ヨハンソンが来日しました。その方は、生まれつき両腕がありません。左脚は右脚の半分ほどの長さで、左脚には義足をつけています。でも日常生活は自活、自立の生活です。化粧も、食事も、右足を使ってする。好きな編物や人形づくり、字や絵をかくのにも、口と右足をうまく使います。今は歌手です。彼女の歌声は底抜けに明るいです。私たちに勇気と希望を与えてくれます。その彼女は言います、「もし誰かに、あなたのその喜びはいったいどこからくるのですか、と聞かれたら、私の答えはひとつしかありません。・・・神さまからです。私の人生でいちばん幸せな時は、神様とともにいる時です。」「ハンディキャップに悩んだことはない。神様はきっと特別な計画があって、私をこのようにつくられたのでしょう。」
　私は、彼女を見ていて、本当に神の栄光を輝かしておられるなと感じます。私は彼女を見て、彼女を創造された神、彼女に喜び慰めを与える神、希望を与える神の素晴らしさを見ます。彼女は神の栄光を喜び、輝かすことの喜びを歌っているのです。
　神の栄光を輝かす生き方は、自分の力では生み出すことができません。神は私たちのために、神との豊かな人格的交わりが出来るように、罪の赦しの十字架を与えてくださいました。イエスを信じることによって、神との正しい関係の中に入ることができます。神との豊かな関係の中で神の栄光を輝かすことが出来るようになります。