2022年03月20日(日)

「その人は言った『あなたの名は、もうヤコブとは呼ばれない。イ スラエルだ』」創世記32:28



ヤコブは「押しのける者」との意味で、自我が非常に強く自分を通
す者だった。が、神の祝福を求めた。父と兄エサウをだまし、祝福
を奪い、家におれずに逃亡。遠く伯父宅に身を寄せるが、したたか
な伯父ラバンに娘の結婚の事でだまされる。妹ラケルを愛したが、
姉レアが先だとだまされた。

かつて父と兄を欺いたが、蒔いたものは刈り取る事になる。伯父の
下で労苦し、苦しい訓練となる。だが伯父の上を行く狡猾さで、自
分の家畜を増やし、財産を増し加えるヤコブ。20年経て、伯父の態
度も変わり、おりずらくなった頃、主から帰郷を命じられる。しか
し兄が恐怖だ。怒りで、家族皆殺しにされるのでは。

極度の不安と恐れが、どうにもならない。家族も財産もヤボクの渡
しを渡らせ、ヤコブが一人、あとに残った。その時、ある人が彼と
格闘した。ヤコブは死に物狂いで、もがいた。夜明けまでかかり、
どうにもならず、その人はヤコブのもものつがいを打った。強いエ
ゴのかたまりであるヤコブは砕かれた。自我が砕かれ、神の前にく
ずおれた。

「あなたを去らせません。祝福して欲しい」と祝福を求め、しがみ
ついた。「あなたの名は」と聞かれ「ヤコブ(押しのける者)で
す」と答えた。「もうヤコブではない。イスラエル(神の王子)
だ」と、その場で祝福された。びっこになり、杖無しで歩けない。
主にすがらずば一歩も進めない。無力になった時に、初めて主を頼
る者と変えられた。
ヤコブが恐怖から解放された瞬間だった。傲慢、狡猾なヤコブは変
えられ、主に信頼する祈りの人とされた。 

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自我が強くてどうにもならないが、主がヤコブを取り扱い、主が自
我を砕かれたことに、救いを見せられる。ヤコブを握って放されな
かった主は、その愛により、私たちを御子のかたちへと変え続けて
下さる。目の前の問題もそのためと受け取れる。