2025年06月17日(火)

「すると、ダビデは自分の衣をつかんで裂いた。そこにいた家来 たちもみな、そのようにした・・サウルのため、その子ヨナタンの ため・・いたみ悲しんで泣き、夕方まで断食した」Uサムエル1:11



人を赦せない事があったろうか。傷つけられた相手に、怒りと恨み、
憎しみで、がんじがらめだ。どんなに楽しい時も、ふと心に影を落
とす。心がずっと囚われ、牢獄の中だ。しかしダビデはどうだった
ろう。サウル王に殺意を持って、ずっと付け回された。女たちが、
「サウルは千を打ち、ダビデは万を打った」と笑って歌った。

サウルはプライドがひどく傷つき、ダビデを妬んだ、しかしダビデ
はサウルに対して、何の悪い事もしていない。むしろ逆で、忠実に
仕える有能な良い部下だった。しかしサウルの妬みはおさまらず、
燃え上がり、ずっとつけ狙われた。本気で殺害をもくろみ、2回も
ダビデを狙い、槍を投げつけられ、突き刺されそうになった。

一国のトップであり、いつでも軍隊を招集できる相手だ。野山を逃
げ、常に死と隣り合わせで、不安と恐怖は、いかばかりだったろう。
サウルを打つ好機があったが、神に選ばれ、油注がれた王に手を下
す事などできないと。妬みによる余りにも理不尽な攻撃にも、ダビ
デは驚くべき事に、サウルを憎んでいない。復讐心はおろか、サウ
ルの死を心から悼んでいる。

なぜだろう。ダビデは主に何もかも委ねていて、すべての信頼を主
に寄せていた。そして恐怖、不安も、思い煩い、嘆きも、怒りも、
苦しみ、悲しみ、あらゆる思い、感情を主に持って行った。そこで
主と交わり、主に受け止めて頂いたので、心が守られた。私たちも
ダビデにならい、主に引き受けて頂こう。どんな中も心を守って下
さる。
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相手に捕らわれているのは苦しい。くり返し、された悪を数えてし
まう。過去のことに、今、関わらなように主に思いを上げて、平安
を受け取ろう。今の平安を喜ぼう。