2015年08月17日(月)

「ハンナの心は痛んでいた。彼女は主に祈って、激しく泣いた」T サムエル1:10 



エルカナには、ハンナとペニンナの二人の妻がいた。ペニンナには
子供がいたが、ハンナには子供がなかった。しかし、エルカナはハ
ンナの方を愛していて、心がハンナにあった。それを嫉妬し、ハン
ナを憎むペニンナはハンナをいじめ、ひどくいらだたせるようにし
た。

ハンナは辛く、苦しく、泣いて食事もできなかった。エルカナの
「あなたにとって、私は十人の息子以上の者ではないのか」との言
葉は、的はずれで、ハンナの内側の苦しい悶々を理解しようとの姿
勢もなく、慰めにならなかった。夫にもわかってもらえず、ハンナ
の苦しみは募った。

ペニンナはハンナを攻撃し、いじめたので、ハンナは一見被害者で
あったが、しかしハンナにも、ペニンナへの羨望、妬み、張り合い、
恨み、怒りがあったはずだ。双方が苦しかった。当時、不妊は神に
祝福されていないとの迷信があり、それが一番辛かったかも知れな
い。

ハンナはどこにも救いがなく、主にとことん祈ろうと心を決めて、
祈りのために立ち上がった。感情をぶつけ、激しく泣き、長く祈り、
心を注ぎ出し、憂いといらだちを吐き出した。悲しみ、怒り、苦し
み、惨め、妬み、不安、煩い、神に向き合い、自分に向き合い、奥
底の気持ちを洗いざらい告げて行った。

そして祭司から「安心して行きなさい・・」願いが叶えられるように
との言葉をもらい、ハンナは変わってしまった。顔が別人のように
なり、すっきりし、平安になり、食事ができた。心の嘆き、憂い、
苦しみを、主のもとに携える時、平安に変えて下さる。

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行き詰まる時、行くべき先は主のもとだ。苦しみも悲しみも痛みも
嘆きも受け止めて下さる。人に言えない心の何もかもを主に祈る時、
心がすうっ〜と平安にされる。瀬戸際は祝福だ。心底の叫びで主に
触れ、主を経験して行く。