2011年10月13日(木)

「自分のものを自分の思うようにしてはいけないという法がありますか」マタイ20:15


この箇所は、ペテロの質問への答えで語られている。それは「何もかも捨てて、従って来た。私たちは何がもらえるのか」だ。主はそれに答えて「先の者があとになり、あとの者が先になる」と言われた。金持ちの役人が、富を捨てられず、主のもとを去った出来事の後に続いている。それを見てペテロは、あの金持ちは去ったが、自分たちは全部捨てて従ったのだから、何をもらえるのかと。

それを受けて主はぶどう園の主人の話をされた。これは天の御国の価値観を言っていて、先の者があとになり、あとの者が先になる、この世の価値観と全く違い、真反対だ。労働時間の長さに従い、でなく、逆の順で賃金を払い出した。そしてすべて同額だ。この世ではあり得ない。この世なら秩序は狂い、混乱し、成り立たない。

天の御国は、この世の価値観と異なり、神の恵みが支配する世界だ。ペテロはすべてを捨てたからには、どんなに大きな報いがあるのかと、報酬を求めた。しかし、天の御国は、受けるに値しない者に与えられるプレゼントだ。そして「自分のものを自分の思うようにする」神の絶対的主権の世界だ。愛に満ちた「気前のいい」主人であり溢れるばかりに与えて下さるお方だ。ここでの主役は労務者でなく主人だ。神の御国は神が崇められ、神の栄光のための場所だ。これが御国の価値観である事を言っている。
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どこかに恵みを行いに対する報酬との思いがあり、その価値観が妨げとなって恵みを値踏みしていないだろうか。受け入れられる何物もない者にふりそそぐ恵みを素直に喜ぼう。