2016年01月12日(火)

「彼は、前にはあなたにとって役に立たない者でしたが、今は、あなたにとっても私にとっても、役に立つ者となっています」ピレモン11 




ローマで、獄中にあったパウロが、ピレモンに宛てた書簡だ。オネ
シモは、主人ピレモンの奴隷であったが、主人のもとで盗みを働き
逃亡した。ローマにまで逃げたが、捕えられて投獄の身となった。
しかし、そのローマで、パウロに出会い、福音を聞いて回心した。
信仰者になったオネシモは、獄中でパウロに仕えていた。パウロは
「獄中で生んだ我が子」と言っている。

そして今や「役に立つ者」と。彼の悔い改めが本物であったようだ。
しかし主人ピレモンの奴隷なので、パウロは機会を見て、オネシモ
を主人ピレモンのもとへ返したいと思っていた。そこでパウロは、
へりくだって、ピレモンに、オネシモを赦して受け入れてくれるよ
う執り成している。弁償はすべて自分がするからと。

奴隷であるオネシモは取り返しのつかない罪を犯してしまった。本
来なら、逃亡奴隷は死刑だ。しかし神の側から見ると、全く違う見
方になる。そこに神の摂理があって「しばらくの間あなたから離さ
れたのは、あなたが彼を永久に取り戻すため」となる。

何という事だろう。赦しとあわれみは尽きない。何と希望があるこ
とだろう。愛なる主のもとで、人生が全く変わったものとなってし
まう。人の失望の時は、神のご計画の時と言われているが、すべて
が主の御手の中で益と、栄光と導かれて行く。
--------------
罪により死ぬしかなかった者が赦され新しい者として生きることが
できる。オネシモはどんなに感謝したことだろう。私たちにも主の
十字架による赦しの望みがいつも目の前にある。