2021年01月12日(火)

「このように、あとの者が先になり、先の者があとになるものです」マタイ20:16



最初この箇所を読んだ時に、自分は早朝の者のように感じるだろう
か。不公平ではないかと。だがこれは地上の事ではなくて、「天の
御国」の事を言っている。御国では、先の者が後になり、後の者が
先になると。地上の国から見ると逆だ。地上の価値観は、先の者が
先で、後の者は後だ。御国の価値観は、地上の価値観と全く異質だ。
すべてが恵みにおおわれ、恵みが支配する世界だ。

地上は恵みでなく報酬の世界だ。働いた分に比例した報酬を得る。
労働を提供した分は、その通りに貰う。そこで御国の価値観とこの
世の価値観が、かみ合わない。この世の価値観では、働きに比例し
ない報酬に腹を立てる。納得が行かない。そしてそれはこの世では
「正しい」ことだ。しかし御国は、全く質を異にする「恵み」の世
界だ。

労働を提供していないのに給料を貰えるのが、恵みだ。この世では、
それでは経済活動が成り立たず、混乱だ。つまり御国とこの世は、
全く別のものだ。主は、きちんと雇用契約通りに、早朝の労務者に
1デナリを支払われた。そして、9時の者からは「相当のもの」と
契約された。溢れるばかりに与える気前の良い主は、他の者にも同
じように良くしてやりたいと願われた。

肉の価値観は、御国の価値観を受け入れ難い。神の国が実力主義、
成果主義でなく、恵みの世界だからだ。培われて来た根深い価値観
と相容れない。しかし5時の者にとればどんなに嬉しく、有難い事
だったろう。家族に持ち帰るものが無く、心暗く沈み、不安でいた
中、どんなに喜び、感謝が溢れた事だろう。御国はあわれみが支配
する場所だ。
-------------
一日中立っていても雇われない者を5時から招き入れて恵みを与え
てくださる。主のあわれみは尽きない。この世の価値観でものを見
るとき、ここに立ち返ろう。