2024年02月27日(火)

「ヤコブはひとりだけ、あとに残った。すると、ある人が夜明けま で彼と格闘した。」創世記32:24



ヤコブは「押しのける者」の意であり、自我が強く、周囲を押しの
けて、自分の思いを押し通す者であった。父と兄をだまし、祝福を
横取りして、兄の怒りで家におれなくなった。逃亡し、遠方の伯父
宅に身を寄せる。更にしたたかな伯父ラバンに、結婚の事で、姉娘
を妹娘だとだまされ、押し付けられた。かつて自分がした事だ。

蒔いたものは必ず刈り取り、自分に返る。ラバンの下で、非常に辛
く苦しい訓練を受ける。しかし狡猾なラバンのもとで、尚かつ、巧
みに家畜を増し加え、財産を増やす。どこまでも知恵が働き狡猾だ
った。やがて伯父やその息子たちの態度が微妙に変わり、おりずら
くなった頃、主から故郷へ帰るよう示しを受ける。

20年の歳月が流れていた。帰郷となると、あの兄に会わねばならな
い。殺されるので逃亡したわけで、その兄が恐怖でならない。家族
も、皆殺しにされるのでは。極度の不安と恐れが、何とかするに
も、もうどうにもならない。しもべも家族も渡らせ、一人残ったヤ
ボクの渡しで、ある人が、夜明けまで彼と格闘した。

ヤコブは死にもの狂いで、もがきにもがいた。どうにもならないの
で、その人はヤコブのもものつがいを打った。人を押しのけ、自分
の利得のために生きて来た、エゴのかたまりであるヤコブ、自我が
砕かれた。ヤコブは変えられ、主の前にくずおれ、自力で歩めなく
なり、びっこになった。杖が無いと歩けない。

主に拠りすがらなければ、一歩も歩めないヤコブになった。そのヤ
コブは恐れから解放された。逆説的だが、主に全く捕らえられる時
に、私たちは自由になる。喜びと平安に包まれ、不安と恐れから解
き放たれる。 
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自力で出来ないと示されるのは苦しい過程だが、実は大きな祝福
だ。自分で守り手に入れなければ幸せになれないとの恐れから自由
にされる。主に手渡し、主にある喜びの中を生きたい。