2023年04月07日(金)

「私が、主に油そそがれた方に手を下すなど、主の前に絶対にでき ないことだ。さあ、今は、あの枕もとにある槍と水差しを取って行 くことにしよう」Tサムエル26:11



ダビデは、自分が忠実に仕えていた主君サウルに、妬みから命をつ
け狙われていた。相手は王であり、兵士全員を思うがままに動かせ
る。追跡される中をダビデはひたすら逃げ回っていた。そんな時、
サウルがダビデの所在を知り、3000人の精鋭を率い、追った。それ
を斥候を送り確認したダビデは、夜にそのサウルの陣営に向かっ
た。

するとサウルと側近たちは皆、熟睡していた。今こそ反撃のチャン
スだ。部下が、これは、神が敵を渡されたのだから、殺させて下さ
いと申し出た。だがダビデは決して許さなかった。その理由が、サ
ウルが「主に油を注がれた王」であるから。しかし、同時にダビデ
を殺害しようとするサウルの行動は、主の御心に反するものである
事も知っていた。

その事について「主は、必ず彼を打たれる」と信じたので、裁きを
主に委ねていた。決して自分の手で復讐しようとしなかった。その
しるしに、サウルの枕元にある槍と水差しを持ち帰った。「主が彼
らを深い眠りに陥れられた」ので、皆、眠りこけて全く気づかなか
った。すべての事は主の主権の下にあり、主は眠りすら支配されて
いる。

ダビデは、サウルと自分の関係性でなく、主と自分の関係で、物事
を見ていた。もし個人的利害関係に立つなら、この好機を捕らえな
いわけがない。ダビデとサウルの違いは、ダビデが主の御心を行な
う者であり、サウルは自分の心を行なう者だった。どのような状況
であれ、主と主の言葉に立ち、従って行く時、必ず主は豊かに祝福
し、報いて下さる。
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反撃のチャンスは主からのものだと自分の都合を御心と混同してし
まう。この近道は本当に好機だろうか。御言葉から聞き、よく祈っ
て失敗から守られたい。主が目を開いてくださる。