2012年01月03日(火)

「『あなたの手にあるそれは何か』彼は答えた。『杖です』」出エジプト4:2



出エジプトのリーダーとして、神が「今、行け。あなたをパロのもとに遣わす」
と言われた時、モーセの戸惑いは、いかばかりであったろう。今さら何を?この
80歳の羊飼いの身が?かつて血気盛んな40歳の時に、自分こそはと、自信に溢
れ、同胞イスラエルを救うべく事を起こした。

しかし、同胞の拒絶に会い、ミデアンの地へ逃亡。そこで遊牧生活40年を経て、
一介の羊飼いであり、かつての野心も、独りよがりの正義感も失せていた。家庭
も持ち、平穏な安定した日々に、それなりの幸せも感じていただろう。このまま
静かに人生を全うしたいと思っただろうか。

それに今やエジプトでの地位も力も人脈も何も無い。一介の年とった羊飼いに何
が出来よう。困惑し尻込みするモーセを、神もそれは承知だとばかりに、延々と
説得される。そして、羊飼いの杖を手に取り、しるしを行なうように言われた。

モーセは神に説得され、手に「神の杖」をもってエジプトへ戻る。仕事で使って
いた羊飼いの杖が、今や神の杖とされた。その杖により、神が力あるわざを行な
われる。「あなたの手にあるものは何か?」それは普段モーセが使っていた杖だ。

神は、すでに「あなたの手にあるもの」を用いられる。その手にあるものを、神
に渡そう。そうするなら、それを、神の栄光のために用いて下さる。あなたと手
にあるものを神に献げよう。それをきよめて、神と人のために大いに祝福して用
いられる。
・・・・・・・・・・・・・・
モーセが、普段、羊を飼うために使っていた杖を、主は奇跡を行なう杖として用
いられた。ごく普通の杖が、主に用いられたなら、大きな奇跡を成す道具となっ
た。力は、杖自体でなく主から来る。普通のものを用いて、主は特別な事をされ、
栄光を現される。